アドミラブル 牡 鹿毛 2014.3.23生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・近藤英子氏 栗東・音無秀孝厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:0.75 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963.3.16 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
スカーレット 鹿毛 2005.3.29 仔受胎時活性値:2.00 |
シンボリクリスエス 黒鹿毛 1999.1.21 種付け時活性値:1.25 |
Kris S. 黒鹿毛1977.4.25 |
Roberto 1969.3.16 |
Sharp Queen 1965.4.19 | |||
Tee Kay 黒鹿毛 1991.2.9 |
★Gold Meridian 1982.4.14 | ||
Tri Argo 1982.5.18 | |||
グレースアドマイヤ 鹿毛 1994.2.20 仔受胎時活性値:0.50 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 種付け時活性値:0.50 |
カンパラ 1976.2.19 | |
Severn Bridge 1965 | |||
バレークイーン 鹿毛 1988.4.16 仔受胎時活性値:1.25 |
Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 種付け時活性値:1.50 |
||
Sun Princess 鹿毛 1980.5.18 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Hail to Reason4×5、Northern Dancer5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (Halo系) |
シンボリクリスエス (Roberto系) |
トニービン (ゼダーン系) |
Sadler’s Wells (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Sadler’s Wells (バレークイーン) |
5.50 |
大伯父フサイチコンコルド (No. 1-l) |
5番仔 (2連産目) |
2017年の第24回青葉賞(GII)。道中は最後方待機、3角から4角で進出して直線入り口では6番手、後はその末脚を解き放つだけ。アドミラブル、終わってみれば東京芝2400mを2分23秒6という青葉賞レコード勝ち。これは馬名意味のとおり「賞賛すべき、立派な」勝利となりました。
アドミラブル、ノド鳴りの手術から帰ってきた今年3月の未勝利戦で見せた、阪神芝1800m1分45秒8の快時計勝ちは伊達や酔狂ではありませんでした。これは別路線から現れたダービー候補。
さて、アドミラブルの最優性先祖である曾祖母父Sadler’s Wellsは現役時代に6勝を挙げ、主な勝ち鞍に第64回愛2000ギニー(GI)、エクリプスS(英GI)、フィーニクスチャンピオンS(現愛チャンピオンS、GI)、愛ダービートライアルS(GII)、ベレスフォードS(愛GII)と英愛のグループレース5勝。その他にも第144回仏ダービー(GI)でDarshaan(1981.4.18)の2着、第34回”キング・ジョージ”(英GI)でTeenoso(1980.4.7)の2着と、欧州の一流戦線で好勝負を見せた活躍馬でした。
そんなSadler’s Wellsの能力の真価は、世代を重ねる時に発揮されました。主な代表産駒を生年順に列挙しますと、、、
- In the Wings(1986.1.17)
→ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、コロネーションC(英GI)、サンクルー大賞(仏GI)ほか。全弟ハンティングホーク(1990.4.17)はホットシークレット(1996.5.14)の父 - オールドヴィック(1986.4.27)
→仏ダービー、愛ダービー(GI)ほか。半弟スプラッシュオブカラー(1987.4.16)も輸入種牡馬 - フレンチグローリー(1986.4.3)
→ロスマンズインターナショナルS(現カナディアンインターナショナルS、加GI)ほか。母デユネツト(1976.3.30)は仏オークス(GI)、サンクルー大賞勝ちの名牝 - Salsabil(1987.1.18)
→愛ダービー、英オークス(GI)、英1000ギニー(GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)、マルセルブサック賞(仏GI)ほか。半弟Marju(1988.3.12)はサトノクラウン(2012.3.10)の父 - オペラハウス(1988.2.24)
→”キング・ジョージ”、コロネーションC、エクリプスSほか。テイエムオペラオー(1996.3.13)、メイショウサムソン(2003.3.7)等の父としておなじみ - El Prado(1989.2.3)
→愛ナショナルS(GI)ほか。2002年の北米首位種牡馬 -
Barathea(1990.3.2)
→ブリーダーズカップ・マイル(米GI)、愛2000ギニーほか - Fort Wood(1990.5.5)
→パリ大賞(仏GI)ほか。名繁殖牝馬Fall Aspen(1976.3.9)の仔にして南アフリカ三冠馬Horse Chestnut(1995.8.19)の父 - Intrepidity(1990.2.19)
→英オークス、ヴェルメイユ賞、サンタラリ賞(仏GI) - カーネギー(1991.2.26)
→凱旋門賞(仏GI)、サンクルー大賞ほか。凱旋門賞はレース史上初となる母Detroit(1977.2.24)との母仔制覇 - King’s Theatre(1991.5.1)
→”キング・ジョージ”、レーシングポストトロフィー(英GI)ほか。半兄ハイエステイト(1986.3.21)は輸入種牡馬で、輸入前の産駒に英ダービー(GI)馬High Rise(1995.5.3) - Northern Spur(1991.4.16)
→ブリーダーズカップ・ターフ、オークツリー招待S(当時米GI。現ジョンヘンリーターフチャンピオンシップS、米GII)ほか。故・和田共弘氏が共同馬主の1人でした - Istabraq(1992.5.23)
→英チャンピオンハードル(GI)3回、愛チャンピオンハードル(GI)4回ほか。名ハードラーにして英ダービー馬セクレト(1981.2.12)の半弟 - Moonshell(1992.2.20)
→英オークス - ミュンシー(1992.5.28)
→サンタラリ賞ほか。仔にストラタジェム(2001.2.24) - Dance Design(1993.2.18)
→愛オークス(GI)ほか - Ebadiyla(1994.3.21)
→愛オークス、ロワイヤルオーク賞(仏GI)。半妹にエリザベス女王の持ち馬として知られたアスコットゴールドC(英GI)勝ち馬Estimate(2009.4.4) - アントレプレナー(1994.3.7)
→英2000ギニー(GI)。半兄ダンシングサーパス(1990.3.13)は重賞2着4回、3着4回 - Kayf Tara(1994.3.18)
→アスコットゴールドC2回、愛セントレジャー(GI)2回ほか。全兄オペラハウス(上述) - ドリームウェル(1995.1.31)
→仏ダービー、愛ダービーほか。半弟Sulamani(1999.4.9)は仏ダービー兄弟制覇を含むGI6勝の名馬 - キングオブキングス(1995.2.27)
→英2000ギニー、愛ナショナルSほか - Daliapour(1996.3.10)
→コロネーションC、香港ヴァーズ(GI)ほか - Montjeu(1996.4.4)
→凱旋門賞、”キング・ジョージ”、仏ダービー、愛ダービー、サンクルー大賞、タタソールズゴールドC(愛GI)ほか。種牡馬としても英ダービー馬4頭を始め活躍馬を多数輩出 - コマンダーコリンズ(1996.4.8)
→レーシングポストトロフィー。半兄Lit de Justice(1990.1.12)はブリーダーズカップ・スプリント(米GI)勝ち馬 - サフロンウォルデン(1996.3.5)
→愛2000ギニー。半兄Dolphin Street(1990.2.27)はフォレ賞(仏GI)の勝ち馬にして安田記念(GI)3着馬 - Beat Hollow(1997.3.22)
→アーリントンミリオンS(米GI)、パリ大賞、ターフクラシックS(米GI)、マンハッタンH(米GI)。母Wemyss Bight(1990.4.6)はダンシングブレーヴ(1983.5.11)産駒の愛オークス馬 - Galileo(1998.3.30)
→英ダービー、愛ダービー、”キング・ジョージ”ほか。母Urban Sea(1989.2.18)、半弟Sea The Stars(2006.4.6)。当代の欧州最良種牡馬 - Imagine(1998.2.20)
→英オークス、愛1000ギニー(愛GI)ほか。半兄にジェネラス(1988.2.8)及びオースミタイクーン(1991.3.23)。母Doff the Derby(1981.5.13)は英ダービー馬と英オークス馬の母になる快挙 - Milan(1998.3.8)
→英セントレジャーS(GI)ほか - Ballingarry(1999.4.13)
→カナディアンインターナショナルS、クリテリウム・ド・サンクルー(仏GI)ほか。半兄Starborough(1994.5.15)もGI2勝の活躍馬 - Black Sam Bellamy(1999.4.21)
→タタソールズゴールドC、伊ジョッキークラブ大賞(GI)。全兄Galileo(上述) - Gossamer(1999.2.20)
→愛1000ギニー、フィリーズマイル(英GI)ほか。全兄Barathea(上述) - High Chaparral(1999.3.1)
→英ダービー、愛ダービー、ブリーダーズカップ・ターフ2回、愛チャンピオンS、レーシングポストトロフィーほか - Islington(1999.2.12)
→ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)、ヨークシャーオークス(英GI)2回、ナッソーS(英GI)ほか。母Hellenic(1987.4.25)もヨークシャーオークス馬 - Brian Boru(2000.3.16)
→英セントレジャー、レーシングポストトロフィー - Doyen(2000.4.22)
→”キング・ジョージ”ほか。全姉Moonshell(上述) - Powerscourt(2000.4.1)
→アーリントンミリオンS、タタソールズゴールドCほか。甥にFrankel(2008.2.11) - Refuse to Bend(2000.3.17)
→英2000ギニー、エクリプスS、クイーンアンS(英GI)、愛ナショナルSほか。半兄Media Puzzle(1997.5.7)はメルボルンカップ(豪GI)の勝ち馬 - Yesterday(2000.2.27)
→愛1000ギニー。全姉Quarter Moon(1999.1.31)はモイグレアスタッドS(愛GI)の勝ち馬 - Yeats(2001.4.23)
→アスコットゴールドC4回、コロネーションC、愛セントレジャー、ロワイヤルオーク賞ほか。半兄ツクバシンフォニー(1993.1.22)はエプソムC(GIII)勝ち馬 - Alexandrova(2003.4.23)
→英オークス、愛オークス、ヨークシャーオークス。半姉Magical Romance(2002.2.5)はチェヴァリーパークS(英GI)の勝ち馬 - Ask(2003.3.23)
→コロネーションC、ロワイヤルオーク賞ほか - Saddex(2003.3.3)
→ラインラントポカル(現バイエルン大賞、独GI)、伊共和国大統領賞(GI)ほか - Septimus(2003.4.4)
→愛セントレジャーほか - リッスン(2005.2.3)
→フィリーズマイル。仔タッチングスピーチ(2012.2.21)はローズS(GII)勝ち馬
……まだまだ、まだまだ活躍馬はいます。恐るべしは、大種牡馬Sadler’s Wells。
*
ベストアプローチ 牡 栗毛 2014.4.24生 英国・Car Colston Hall Stud生産 馬主・H.H.シェイク・モハメド 栗東・藤原英昭厩舎
★ New Approach 栗毛 2005.2.18 種付け時活性値:0.00 |
Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
Allegretta 1978.3.10 | |||
Park Express 黒鹿毛 1983.3.25 |
Ahonoora 栗毛 1975.4.12 |
Lorenzaccio 1965.2.23 | |
Helen Nichols 1966 | |||
Matcher 黒鹿毛 1966 |
Match 1958 | ||
Lachine 1960 | |||
Sant Elena 栗毛 2003.2.1 仔受胎時活性値:0.50 |
Efisio 鹿毛 1982.5.10 種付け時活性値:1.00 |
Formidable 鹿毛 1975.4.8 |
Forli 1963.8.10 |
Native Partner 1966.4.5 | |||
Eldoret 鹿毛 1976.4.2 |
High Top 1969 | ||
Bamburi 1970 | |||
Argent Du Bois 鹿毛 1996.3.22 仔受胎時活性値:1.50 |
★Silver Hawk 鹿毛 1979.4.20 種付け時活性値:0.00 |
Roberto 1969.3.16 | |
Gris Vitesse 1966.3.2 | |||
Wiener Wald 栗毛 1992.4.19 仔受胎時活性値:0.75 |
★Woodman 栗毛 1983.2.17 種付け時活性値:0.00 |
||
Chapel of Dreams 栗毛 1984.5.9 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5、Mr. Prospector5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
★New Approach (Sadler’s Wells系) |
Efisio (Forli系) |
★Silver Hawk (Roberto系) |
★Woodman (Mr. Prospector系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Efisio (Native Partner) |
4.50 |
半兄Reckless Abandon (No. 8-c) |
4番仔? |
2016年の京都芝2000mの新馬戦勝ちの後、実は記事を温めていたベストアプローチ。2017年の第24回青葉賞2着により、ようやく、その片目が開いたか、というところです。
さて、ベストアプローチの最優性先祖である母父Efisioは現役時代に8勝を挙げ、その主な勝ち鞍にエミリオトゥラティ賞(伊GI。現カルロヴィタディーニ賞、伊GIII)、キウスーラ賞(伊GII。現LR)、チャレンジS(英GIII。現英GII)、ホーリスヒルS(英GIII)と、1400mから1600mまでのグループレース4勝があります。
そんなEfisioの代表産駒には、
- Pips Pride(1990.4.9)
→フィーニクスS(愛GI)、ベルリン大賞(独GIII)ほか - Hever Golf Rose(1991.2.22)
→アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI)、ゴルデネパイチェ(独GII)、メルトン賞(伊GII)、キングジョージS(英GIII)、サンジョルジュ賞(仏GIII)、セーネオワーズ賞(仏GIII)、プティクヴェール賞(仏GIII)、ホルステントロフィ(独GIII)ほか - Tomba(1994.2.13)
→フォレ賞、コーク&オラリーS(当時英GII。現ダイヤモンドジュビリーS、英GI)、スプリント大賞(独GIII)2回、ベルリン大賞ほか - Pearly Shells(1999.2.21)
→ヴェルメイユ賞、マルレ賞(仏GII)、ノネット賞(仏GIII)ほか - Frizzante(1999.3.21)
→ジュライC(英GI)、パレスハウスS(英GIII)ほか - Le Vie Dei Colori(2000.2.25)
→ヴィットーリオ・ディ・カープア賞(伊GI)、伊2000ギニー(GII)、チャレンジS(英GII)、ラロシェット賞(仏GIII)、プリミパッシ賞(伊GIII)ほか - Attraction(2001.2.19)
→英1000ギニー、愛1000ギニー、コロネーションS(英GI)、メイトロンS(愛GI)、サンチャリオットS(英GI)、チェリーヒントンS(英GII)、クイーンメアリーS(英GIII)ほか - Zafisio(2006.3.6)
→クリテリウム・アンテルナシオナル(仏GI)、パース賞(仏GIII)ほか
等がいます。年齢順に並べましたが、この中ではやはりAttractionでしょうか。英愛の芝マイルGI5勝の名牝は、英語版Wikipediaの記事のイメージ画像にも見られるように前脚が極端な外向ではありましたが、そのハンデを跳ね返しての活躍でした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。