2017年のクラシック候補生を確認する(其の弐拾陸)

ラビットラン 牝 栗毛 2014.3.18生 米国・Alexander Groves Matz, LLC生産 馬主・吉田和子氏 栗東・角居勝彦厩舎

ラビットラン(2014.3.18)の4代血統表
Tapit
芦毛 2001.2.27
種付け時活性値:1.00
Pulpit
鹿毛 1994.2.15
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew 1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Preach
鹿毛 1989.3.26
Mr. Prospector 1970.1.28
Narrate 1980.4.6
Tap Your Heels
芦毛 1996.2.16
★Unbridled
鹿毛 1987.3.5
Fappiano 1977.5.19
Gana Facil 1981.2.9
Ruby Slippers
芦毛 1982.3.18
Nijinsky 1967.2.21
Moon Glitter 1972.3.30
Amelia
栗毛 1998.4.13
仔受胎時活性値:1.75
Dixieland Band
鹿毛 1980.3.20
種付け時活性値:0.25
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Mississippi Mud
鹿毛 1973.4.29
Delta Judge 1960.3.23
Sand Buggy 1963.4.19
Aquilegia
栗毛 1989.4.25
仔受胎時活性値:2.00
Alydar
栗毛 1975.3.23
種付け時活性値:1.25
Raise a Native 1961.4.18
Sweet Tooth 1965.4.17
Courtly Dee
黒鹿毛 1968.3.8
仔受胎時活性値:1.00
Never Bend
黒鹿毛 1960.3.15
種付け時活性値:1.75
Tulle
黒鹿毛 1950
仔受胎時活性値:0.25

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×3、Raise a Native5×4、Mr. Prospector4×5(父方)、Native Dancer5×5(母方)>

ラビットラン(2014.3.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Tapit
(Seattle Slew系)
Dixieland Band
(Northern Dancer系)
Alydar
(Raise a Native系)
Never Bend
(Nasrullah系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Never Bend
(Courtly Dee)
5.00 半弟アサクサゲンキ
(No. A4)
8番仔?

2017年の第35回ローズS(GII)。6番人気のカワキタエンカ(2014.4.20)と横山典弘騎手の軽快な逃げが生み出したペースは1000m通過が58秒6というハイラップ。雨が我慢した阪神芝1800m、開幕2週目の良い馬場も味方に付けて、風にも負けずにカワキタエンカが粘り切ろうとしたところ、矢のごとく突き抜けた馬が1頭。ラビットランと和田竜二騎手。馬名意味は「ウサギ+走る」ということですが、まさにウサギが跳ねるように伸びて、最後は1と4分の1馬身差。1分45秒5は阪神芝1800mとなったローズSでは3番目に速い勝ち時計、ラビットラン、8番人気を跳ね返しての快勝でした。

鞍上の和田騎手にとっては、意地の一番だったように感じました。春に12番人気で第52回フローラS(GII)を勝ち、6番人気の第78回優駿牝馬(GI)でも2着に頑張ったモズカッチャン(2014.2.27)が、今回のローズSではミルコ・デムーロ騎手に乗り替わり。その心根の優しさでも評判の人気者である和田騎手、笑顔の底にある勝負師としての「なにくそ」の精神を見た思いです。

さて、以下にラビットランのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。

Aquilegia 1989.4.25 8勝 ニューヨークH(米GII) ブラックヘレンH(米GIII)ほか
|Bertolini 1996.2.9 2勝 ジュライS(英GIII)ほか
|Amelia 1998.4.13 4勝
||Acadiana 2004.5.16 0勝
|||Duff One 2011.4.2 2勝 レイクプラシッドS(米GII)2着
||Kindergarden Kid 5勝 2007.4.1 シカモアS(米GIII)ほか
||Assateague 5勝 2009.3.25 ドクタージェイムズペニーメモリアルH(現ドクタージェイムズペニーメモリアルS、米GIII)
||He's Had Enough 2010.4.22 1勝 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)2着ほか
||Rainha da Bateria 2012.2.23 現役 ダンススマートリーS(加GII) カナディアンS(加GII) ジェサミンS(米GIII)ほか
||ラビットラン 2014.3.18  ローズS(GII)
||アサクサゲンキ 2015.4.17 現役 小倉2歳S(GIII)
|Alittlebitearly 2002.12.14 不出走
||Bayern 2011.5.3 6勝 ブリーダーズカップ・クラシック(米GI) ハスケル招待S(米GI)ほか米GII2勝など

母Ameliaはラビットラン、アサクサゲンキを含めて、実に5頭のグレードレース勝ち馬の母となった名繁殖牝馬。また、ラビットランからすると伯父にBertoliniの名前が見えますが、おなじみジェンティルドンナ(2009.2.20)の母父がBertoliniですね。併せて、従兄に2014年の第31回ブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬のBayernがいます。Bayernの母、つまりラビットランからすると叔母のAlittlebitearly。馬名綴りにはスペースが無いので分かり辛いのですが、スペースを入れると「A little bit early」。「ちょっと早いです」くらいの意味ですが、それは本来Alittlebitearlyは2003年に生まれてくるところが、2002年12月14日、年が明ける前に生まれてしまったので、Alittlebitearlyとなったのでした。

また、こんな辺境ブログをご覧の方には言わずもがなですけれど、ラビットランの曾祖母Courtly Deeからの別分枝には、日本でも活躍している馬が多数います。代表的なところでは、種牡馬トワイニング(1991.5.27)、GI勝ち馬となったヤマニンパラダイス(1992.4.25)、ノーリーズン(1999.6.4)ワンアンドオンリー(2011.2.23)などなど。活力に溢れたアメリカンファミリーの4号族。この牝系は、本来21号族であるというのが、有力な説として知られていますね。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

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