Secret Oath(シークレットオース) 牝 栗毛 2019.3.20生 米国・Briland Farm, Robert Mitchell & Stacy Mitchell生産 馬主・Briland Farm 米国・D Wayne Lukas厩舎
Arrogate 芦毛 2013.4.11 種付け時活性値:1.25【5】 |
Unbridled’s Song 芦毛 1993.2.18 |
Unbridled 鹿毛 1987.3.5 |
Fappiano 1977.5.19 |
Gana Facil 1981.2.9 | |||
Trolley Song 芦毛 1983.4.13 |
Caro 1967.4.11 | ||
Lucky Spell 1971.1.28 | |||
Bubbler 黒鹿毛 2006.4.5 |
Distorted Humor 栗毛 1993.3.19 |
フォーティナイナー 1985.5.11 | |
Danzig’s Beauty 1987.3.7 | |||
Grechelle 黒鹿毛 1995.3.11 |
Deputy Minister 1979.5.17 | ||
Meadow Star 1988.5.19 | |||
Absinthe Minded 鹿毛 2007.4.12 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
Quiet American 鹿毛 1986.4.29 種付け時活性値:1.00【20】 |
★Fappiano 鹿毛 1977.5.19 |
Mr. Prospector 1970.1.28 |
Killaloe 1970.3.17 | |||
Demure 鹿毛 1977.4.4 |
Dr. Fager 1964.4.6 | ||
Quiet Charm 1971.2.25 | |||
Rockford Peach 栗毛 1991.3.14 仔受胎時活性値:1.75【15】 |
Great Above 黒鹿毛 1972.1.19 種付け時活性値:0.50【18】 |
Minnesota Mac 1964.4.26 | |
Ta Wee 1966.3.26 | |||
Strawberry Skyline 芦毛 1984.5.21 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Hatchet Man 芦毛 1971.3.30 種付け時活性値:1.00【12】 |
||
Drylook 黒鹿毛 1973.5.15 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
<5代血統表内のクロス:Fappiano3×4、Mr. Prospector4×5×5、Dr. Fager4×5(母方)、Rough’n Tumble5×5(母方)、Aspidistra(♀)5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Arrogate (Mr. Prospector系) |
Quiet American (Mr. Prospector系) |
Great Above (Rough’n Tumble系) |
Hatchet Man (Blenheim系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Arrogate | 4.50 |
(No. 9-f) |
4番仔? (2連産目?) |
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着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 1 | Secret Oath | 牝3 | 54.9 | Luis Saez | 1:49.44 | D Wayne Lukas | 3 |
2 | 4 | Nest | 牝3 | 54.9 | Irad Ortiz Jr | 2 | Todd Pletcher | 1 |
3 | 9 | Desert Dawn | 牝3 | 54.9 | Umberto Rispoli | 1/2 | Philip D’Amato | 13 |
4 | 7 | Echo Zulu | 牝3 | 54.9 | Joel Rosario | 1/2 | Steven Asmussen | 2 |
5 | 10 | Kathleen O. | 牝3 | 54.9 | Javier Castellano | 1 | Claude R McGaughey III | 3 |
2022年の第148回ケンタッキーオークス。桃色の百合、スターゲイザーの首飾りを賭けた”Lilies for the Fillies”。その第148回を制したのはSecret Oath。1頭スクラッチして14頭立てとなったチャーチルダウンズ・ダート9ハロン。逃げてレースを引っ張ったのは冠名「エア」でおなじみの吉原毎文氏の持ち馬Yuugiri(2019.3.10)、番手追走は昨年2021年のエクリプス賞最優秀2歳牝馬Echo Zulu(2019.4.7)。前走アッシュランドS(米GI)を8と4分の1馬身差の圧勝を収めて1番人気に推されたNest(2019.4.8)は7番手、そしてSecret Oathは8番手あたりを追走。半マイル通過46秒51という淀みない流れの中、外外を回りながら手応えよく進出する白い小ぶりのブリンカーを着けた栗毛馬の姿が目に付いたかと思うと、チャーチルダウンズの直線376m、青の帽子、日本風に言うならば「青、黄緑襷、黄緑二本輪」の勝負服をまとったルイス・サエス騎手の鼓舞に応じたSecret Oathが軽やかに抜け出し。前走はアーカンソーダービー(米GI)に向かい牡馬相手に3着だったSecret Oath、牝馬どうしの大一番でGI初制覇を遂げました。
Secret Oathを管理されるのは米国の名伯楽ダレル・ウェイン・ルーカス調教師。ルーカス師は1982年の第108回のBlush With Pride(1979.6.5)、1984年の第110回のLucky Lucky Lucky(1981.2.20)、1989年の第115回のオープンマインド(1986.3.8)、1990年の第116回のSeaside Attraction(1987.3.20)に続いて、今年2022年の第148回のSecret Oathが32年ぶり(!!)5度目のケンタッキーオークス制覇と相成りました。ケンタッキーオークス5勝はウッディー・スティーヴンス調教師に並ぶ、調教師のケンタッキーオークス最多勝ということ。現在86歳で今年9月2日に87歳を迎えられるルーカス師、その手腕の確かさは、老いを全く感じさせず。↑で引いたレース映像において、ゴール後、おなじみのサングラス姿のルーカス師がチラッと映られていましたが、そのお姿は御身90歳に近いとはとても思えませんでした。意気軒昂、老いては益益壮んなるべし。今回はかつてルーカス師の下でアシスタントを務めたトッド・プレッチャー調教師の管理するNestを負かしての勝利でもあり、「サスガは師匠」というところを見せ付けられた結果でもありました。
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Secret Oathのケンタッキーオークス制覇は、父Arrogateに種牡馬としてのGI初勝利を贈ることにもなりました。改めてArrogateの現役時代の成績を確認しておきますと、3歳から4歳で7勝を挙げ、その主な勝ち鞍にドバイワールドカップ(UAE・GI)、ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、トラヴァーズS(米GI)、ペガサスワールドC招待S(米GI)があります。
Arrogate、2017年のドバイワールドカップが鬼のような強さでなんじゃこりゃ。馬の絶対能力が違いすぎる。世界には、恐ろしい馬がいるもの
と思ったものでした。そのドバイワールドカップで2着に負かした同い年のGun Runner(2013.3.8)もとんでもなく強い馬で、種牡馬としても同じ2018年から供用され、共に2019年生まれ世代が初年度産駒。Gun Runnerは上述のEcho Zuluの他、Gunite(2019.2.3)、Cyberknife(2019.3.14)、Taiba(2019.4.13)と既に4頭のGI勝ち馬を送り出しており、Arrogateはジュタロウ(2019.2.17)を始めとして日本でも8頭の勝ち上がり馬を出すなどしていますが、ケンタッキーオークスの戦前までGレース勝ちはSecret OathによるハニービーS(米GIII)のみ。
そうして迎えたケンタッキーオークスにおいて、Secret Oathが大舞台でその秘めたる勝負強さを見せてくれたのでした。天国にいる父Arrogateにも届いたかなSecret Oathのケンタッキーオークス制覇、2馬身差の完勝。お見事でした。
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Secret Oathはアーカンソーダービーで3着に敗れたことによりケンタッキーダービー(米GI)を断念したようですが、
一方でルーカス師は、クラシック第2戦のG1プリークネスステークス参戦の可能性は完全に否定しなかった。
ということ。ルーカス師は牝馬Winning Colors(1985.3.14)でケンタッキーダービー1着、プリークネスS3着、ベルモントS(米GI)6着と三冠路線を歩まれたこともありますので、Secret Oathの進路も気になるところです。
Secret Oath、Arrogateの愛娘の次走も楽しみにしておきましょう。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
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#ケンタッキーオークスに臨むにあたってのインタビューですが、ルーカス師、肌艶の色の良さや舌鋒鋭く滑らかな口の動きからも、本当にお若い。ルーカス師のお姿から、人間は「生涯現役」ということが真に大切と改めて思いました。
##レース後の記者会見でも「舌好調」だった模様。素晴らしい。
##長い動画ですが百合のレイが出来上がるまでを追った内容。人の手による仕事、その出来上がりの美しさよ(^^)