Daryz(ダリズ) 牡 鹿毛 2022.5.2生 仏国・His Highness The Aga Khan’s Stud SC生産 馬主・Aga Khan Studs SCEA 仏国・F-H Graffard厩舎
Sea The Stars 鹿毛 2006.4.6 種付け時活性値:1.75【15】 |
Cape Cross 黒鹿毛 1994.3.13 |
Green Desert 鹿毛 1983.4.16 |
Danzig 1977.2.12 |
Foreign Courier 1979.4.11 | |||
Park Appeal 黒鹿毛 1982.4.9 |
Ahonoora 1975.4.12 | ||
Balidaress 1973.4.22 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
Lombard 1967.1.31 | ||
Anatevka 1969.2.13 | |||
Daryakana 栗毛 2006.4.14 仔受胎時活性値:1.75【15】 |
Selkirk 栗毛 1988.2.19 種付け時活性値:0.25【17】 |
▲Sharpen Up 栗毛 1969.3.17 |
エタン 1961.3.14 |
Rocchetta 1961 | |||
Annie Edge 栗毛 1980.3.24 |
Nebbiolo 1974.2.2 | ||
Friendly Court 1971.1.28 | |||
Daryaba 鹿毛 1996.5.14 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Night Shift 鹿毛 1980.4.4 種付け時活性値:1.75【15】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Ciboulette 1961 | |||
Darata 鹿毛 1988.5.29 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Vayrann 黒鹿毛 1978.4.7 種付け時活性値:0.25【9】 |
||
Darazina 鹿毛 1979.3.23 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Sea The Stars (Danzig系) |
Selkirk (エタン系) |
Night Shift (Northern Dancer系) |
Vayrann (Fair Trial系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Sea The Stars | 5.75 or 3.75 (【15】+【9】+【7】+【8】) |
祖母と母と半兄がGI馬 (No. 1-e) |
10番仔? (4連産目?) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | Daryz | 牡3 | 56.5 | Mickael Barzalona | 2:29.17 | F-H Graffard | 8 |
2 | 17 | Minnie Hauk | 牝3 | 55 | Christophe Soumillon | アタマ | A P O’Brien | 1 |
3 | 4 | Sosie | 牡4 | 59.5 | Stephane Pasquier | 5 1/2 | A Fabre | 6 |
4 | 1 | Giavellotto | 牡6 | 59.5 | Andrea Atzeni | アタマ | Marco Botti | 12 |
5 | 6 | ビザンチンドリーム | 牡4 | 59.5 | Oisin Murphy | クビ | 坂口 智康 | 3 |

2025年は3歳勢はクロワデュノール(2022.3.21)とアロヒアリイ(2022.1.18)、古馬勢はビザンチンドリーム(2021.1.28)と3頭の日本生産調教馬が挑んだ凱旋門賞。制したのは仏国生産調教の3歳馬Daryz。前走プランスドランジュ賞(仏GIII)ではクロワデュノールが抑えた相手でしたが、大本番の凱旋門賞では「地元の意地」が炸裂しました。道中中団待機から最後の直線で先に抜け出していたMinnie Hauk(2022.4.13)を最後の最後で仕留め切ったDaryzの末脚、ただただお見事でした。
Daryzは戦前までにウジェーヌアダム賞(仏GII)勝ちがあったもののGI勝ちは無く、初めてのGI勝利が大一番の凱旋門賞となりました。Daryzの凱旋門賞勝ちはそのまま鞍上のミカエル・バルザローナ騎手、管理されるフランシス-アンリ・グラファール調教師にとっても初めての凱旋門賞優勝となりました。そうしてオーナーブリーダーのアガカーンスタッドにとっては、今年2月に亡くなられたアガ・カーン4世の名義も含めるとAkiyda(1979.4.21)、Sinndar(1997.2.27)、Dalakhani(2000.2.16)、Zarkava(2005.3.31)に続いてDaryzが5頭目の凱旋門賞勝ち馬となりました。なお、Akiydaの生産はかのマルセル・ブサックであり、アガ・カーン3世はMigoli(1944.5.8)、Nuccio(1948)で凱旋門賞勝ちを収められました。


Daryzを血統的な側面から見ますと父の母Urban Sea、父Sea The Starsに続いて3代連続の凱旋門賞勝ちを収めたことになります。


またDaryzのごく簡単な近親牝系図を確認してみますと、
Daryaba 1996.5.14 3勝 ディアヌ賞(仏GI) ヴェルメイユ賞(仏GI) |Daramsar 2003.3.5 5勝 コンセイユドパリ賞(仏GII)ほか |Daryakana 2006.4.14 5勝 香港ヴァーズ(GI) ロワイヤリュー賞(仏GII)ほか ||Dariyan 2012.3.4 4勝 ガネー賞(仏GI) ウジェーヌアダム賞(仏GII)ほか ||Devamani 2024.4.15 9勝 ニッカボッカS(米GII) モンマスS(米GIII)ほか ||Darkaniya 2019.2.20 4勝 T.フォンツァストロフ牝馬賞(独GII)ほか ||Daryz 2022.5.2 (本馬) 凱旋門賞(仏GI) ウジェーヌアダム賞(仏GII)ほか
アガカーンスタッドで大切に育まれている頭文字Dの1号族e分枝系。祖母Daryabaがディアヌ賞とヴェルメイユ賞の勝ち馬、母Daryakanaが香港ヴァーズの勝ち馬、半兄Dariyanがガネー賞の勝ち馬と来ればDaryz、これは超良血馬です。この頭文字Dのボトムラインを辿りますとDaryzの6代母が本邦輸入牝馬ダラマ(1957.3.3)であり、ダラマの孫に優駿牝馬(GI)勝ち馬ノアノハコブネ(1982.5.10)の姿が見え、弊サイトで紹介しているダラマの子孫には2016年のカルティエ賞最優秀3歳牡馬であるAlmanzor(2013.3.11)、2023年の独ダービー(GI)馬Fantastic Moon(2020.3.21)がいます。
終わってみれば今年2025年もまた欧州勢に阻まれた日本生産調教馬による凱旋門賞制覇。けれど、諦めずに挑戦していれば、いつか必ず。そう信じています。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
#Daryzと同じオーナーブリーダーがアガカーンスタッド、管理がグラファール師、そして鞍上がバルザローナ騎手の組み合わせと言えば、今夏の”キング・ジョージ”(英GI)をCalandagan(2021.1.27)で制されています。アガ・カーン4世への手向けとばかりに”キング・ジョージ”、凱旋門賞と欧州の選手権距離における最上級と目されるGIで勝利を収められているあたり、ただただサスガと唸らされます。
