ジャスタウェイ 牡 鹿毛 2009.3.8生 浦河町・(有)社台コーポレーション白老ファーム生産 馬主・大和屋 暁氏 栗東・須貝 尚介厩舎
ハーツクライ 鹿毛 2001.4.15 種付け時活性値:1.75【7】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
アイリッシュダンス 鹿毛 1990.3.26 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 |
カンパラ 1976.2.19 | |
Severn Bridge 1965 | |||
ビユーパーダンス 黒鹿毛 1983.2.26 |
Lyphard 1969.5.10 | ||
My Bupers 1967.6.1 | |||
シビル 鹿毛 1999.5.16 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Wild Again 黒鹿毛 1980.5.22 種付け時活性値:0.50【18】 |
Icecapade 芦毛 1969.4.4 |
Nearctic 1954.2.11 |
Shenanigans 1963.3.17 | |||
Bushel-n-Peck 黒鹿毛 1958.3.21 |
Khaled 1943 | ||
Dama 1950 | |||
シャロン 栗毛 1987.5.10 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
Mo Exception 栗毛 1981.4.8 種付け時活性値:1.25【5】 |
Hard Work 1967.3.14 | |
With Exception 1972.6.9 | |||
Double Wiggle 鹿毛 1978.2.4 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
Sir Wiggle 黒鹿毛 1967.3.13 種付け時活性値:0.50【10】 |
||
Blue Double 鹿毛 1973.4.17 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ハーツクライ (サンデーサイレンス系) |
Wild Again (Nearctic系) |
Mo Exception (Owen Tudor系) |
Sir Wiggle (Son-in-Law系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ハーツクライ (サンデーサイレンス) |
4.00 or 2.00 (【9】+【11】+【8】+【4】) |
祖母がCCAオークス勝ち馬 (No. 2-n) |
番仔 (連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ジャスタウェイ | 牡4 | 58 | 福永 祐一 | 1:57.5 | 11-10-9 | 34.6 | 496 [-2] |
須貝 尚介 | 5 | |
2 | 9 | ジェンティルドンナ | 牝4 | 56 | 岩田 康誠 | 1:58.2 | 4 | 2-2-2 | 35.8 | 470 [0] |
石坂 正 | 1 |
3 | 6 | エイシンフラッシュ | 牡6 | 58 | M.デムーロ | 1:58.5 | 2 | 8-9-10 | 35.5 | 488 [+4] |
藤原 英昭 | 3 |
4 | 13 | アンコイルド | 牡4 | 58 | 吉田 隼人 | 1:58.6 | クビ | 5-6-6 | 36.0 | 478 [-6] |
矢作 芳人 | 8 |
5 | 1 | コディーノ | 牡3 | 56 | U.リスポリ | 1:58.8 | 1 1/4 | 5-6-7 | 36.1 | 482 [-8] |
藤沢 和雄 | 4 |
1F毎の ラップ |
12.6 – 11.3 – 11.1 – 11.5 – 11.9 – 11.9 – 11.9 – 11.6 – 11.5 – 12.2 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.6 – 23.9 – 35.0 – 46.5 – 58.4 – 1:10.3 – 1:22.2 – 1:33.8 – 1:45.3 – 1:57.5 |
上り | 4F 47.2 – 3F 35.3 |
福永祐一騎手、前週の菊花賞(GI)のエピファネイア(2010.2.11)に続いて、2週連続の八大競走勝利成る。菊花賞は福永騎手にとって初めての牡馬クラシック制覇となりましたが、母シーザリオ(2002.3.31)の優駿牝馬(GI)に続く母仔クラシック優勝の偉業でもありました。また親子について述べれば、福永騎手にとっては、ニホンピロムーテー(1968.4.6)で菊花賞を勝ち、ヤマニンウエーブ(1967.3.9)で天皇賞・秋を勝った父・福永洋一騎手に続く、2週連続の父子2代の八大競走制覇でもありました。
そんな福永騎手に天皇賞初勝利を贈ったジャスタウェイ。4コーナーから直線に向いての脚勢が、1頭だけまるで違いました。最後は単勝2.0倍の1番人気、同じ2009年生まれ世代のの三冠牝馬ジェンティルドンナ(2009.2.20)に4馬身差の圧勝。「その道」を行く姿、まさにジャスタウェイ。Wikipedia日本語版のジャスタウェイの記事によりますと、2勝馬による天皇賞制覇は史上初、また古馬に開放されたJRA・GIにおいて2勝馬が1位入線1着を収めたのも史上初のことでした。そしてまた、振り返ってみれば意外な感もありましたが、このジャスタウェイによる天皇賞・秋が、種牡馬ハーツクライの産駒GI初優勝でもありました。
3歳春のアーリントンC(GIII)以来となる重賞勝利が4歳秋の天皇賞・秋であったジャスタウェイ。急にビックリするくらいの強さを見せたレースは、ステーブルメイトのゴールドシップ(2009.3.6)が不在の舞台でしたけれど、「たとえ芦毛のGI3勝馬が出走していたとしても……」と、当時は思ったものでした。
そうして、ジャスタウェイ。ミドルディスタンスにおける尋常ならざるその強さは、翌2014年、5歳春にドバイの地で世界中に向けて発せられたのでした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | ジャスタウェイ | 牡5 | 57 | 福永 祐一 | 1:45.52 | 須貝 尚介 | 1 |
2 | 11 | Vercingetorix | 牡4 | 57 | Christophe Soumillon | 6 1/4 | M F De Kock | 3 |
3 | 10 | Dank | 牝5 | 55 | Ryan Moore | 1 3/4 | Sir Michael Stoute | 4 |
4 | 1 | Mshawish | 牡4 | 57 | Frankie Dettori | 1 1/4 | M Delzangles | 5 |
5 | 3 | Anaerobio | 牡6 | 57 | Anton Marcus | 1 | M F De Kock | 13 |
夜空にカクテル光線が照らされたメイダン芝1800m、海外でも「その道」を行ったジャスタウェイ。直線、唯我独尊とばかりに外から抜け出すと、ジャスタウェイと福永騎手の二人舞台。鹿毛の流星、緑と黒の染め分け帽に「緑、黒うろこ、袖黒縦縞」の勝負服が後続をまったく寄せ付けず、終わってみれば2着馬に6と4分の1馬身差、その勝ち時計1分45秒52は圧巻のトラックレコード。
ジャスタウェイが破った相手を見てみれば、2着のVercingetorix(2009.9.24)は同舞台のジェベルハッタ(UAE・GI)の勝ち馬であり、3着のDank(2009.3.6)はブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(米GI)など米GI2勝馬であり、4着のMshawish(2010.5.16)は後にカルフストリームパークターフH(米GI)、ドンH(米GI)と芝とダートで米GIを勝つ馬。他にも日本勢のロゴタイプ(2010.3.10)やトウケイヘイロー(2009.4.22)、香港の雄Blazing Speed(2009.3.29)、英国の名牝The Fugue(2009.3.16)等の姿もありました。そんな多士済々のライバルたちをいともたやすく切って捨てたジャスタウェイ、強く、そして速かった。
ジャスタウェイのドバイデューティーフリー勝利は衝撃を持って迎えられ、ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキングでは【130ポンド】の評価を得ました。結局、2014年の年間に130ポンドを超える馬、並ぶ馬は現れず、ジャスタウェイは日本生産調教馬として史上初の単独1位を獲得。2023年の今改めて見直してみても、当年の世界一に相応しい、ただただ素晴らしい勝ちっぷりでした。
シーザリオのアメリカンオークス招待S(米GI)も”Japanese superstar!!”と叫ばれる程の強さでしたし、ジャスタウェイのドバイデューティーフリーも目を剥くような強さ。思えば私の記憶の中で、海外においてセンセーショナルな走りを見せた日本生産調教馬の背に跨っていたのは、福永騎手でした。
*
「福永祐一騎手引退スペシャルサイト JRA」の「福永祐一騎手と名馬たち」に紹介されている馬を確認すれば、
そして本稿の主役、ジャスタウェイ。折々の勝負で福永騎手を背にした名馬たち。中でも、やはり「福永家の悲願」を果たしたワグネリアン(2015.2.10)が、最も強い印象を残しています。
福永騎手に「ダービージョッキー」の称号をプレゼントしたワグネリアン、空の上から福永調教師を見守っていてあげて欲しいと願います。
*
福永祐一さんは、人間としての器量がある方なんだと思います。天才の子という運命を受け入れ、自身のセンスを受け入れ、その上で不足は飽くなき学び、鍛錬で乗り越えられた。だから愛された。人にも、競馬の神様にも。そうして、
何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。
-角川oneテーマ21、羽生善治著「決断力」、P171~P172より引用-
競馬や馬そのものへの情熱を見るにつけ、やはり努力を続けられる才能があったのだろう、と。
調教師としての福永さんも、不断の努力できっと活躍を見せてくださるのでしょう。来年2024年の開業を心待ちにして、今は27年間の騎手生活、本当にお疲れ様でした。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
[ジャスタウェイ(2009.3.8)の主な競走成績]
- 天皇賞・秋(GI)、ドバイデューティフリー(UAE・GI)、安田記念(GI)、中山記念(GII)、アーリントンC(GIII)
- ジャパンカップ(GI)、毎日王冠(GII)2回、関屋記念(GIII)、エプソムC(GIII)、新潟2歳S(GIII)
- 中山金杯(GIII)
通算22戦6勝、2着6回、3着1回。