レガシーワールド せん 鹿毛 1989.4.23生~2021.8.18没 静内・へいはた牧場生産 馬主・(株)ホースタジマ 栗東・戸山為夫厩舎→森秀行厩舎
モガミ 青鹿毛 1976.5.18 種付け時活性値:1.00【12】 |
Lyphard 鹿毛 1969.5.10 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Goofed 栗毛 1960.3.29 |
Court Martial 1942.3.20 | ||
Barra 1950 | |||
ノーラツク 黒鹿毛 1968.4.25 |
Lucky Debonair 鹿毛 1962.5.2 |
Vertex 1954.4.16 | |
Fresh as Fresh 1957.5.14 | |||
No Teasing 黒鹿毛 1957.4.7 |
Palestinian 1946 | ||
No Fiddling 1945 | |||
ドンナリデイア 栗毛 1983.6.12 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
ジムフレンチ 鹿毛 1968.4.26 種付け時活性値:1.50【14】 |
Graustark 栗毛 1963.4.7 |
Ribot 1952.2.27 |
Flower Bowl 1952 | |||
Dinner Partner 鹿毛 1959.5.27 |
Tom Fool 1949.3.31 | ||
Bluehaze 1945 | |||
ダイゴハマイサミ 栗毛 1966.6.14 仔受胎時活性値:2.00【16】 |
チヤイナロツク 栃栗毛 1953 種付け時活性値:1.00【12】 |
Rockefella 1941 | |
May Wong 1934 | |||
ハマイサミ 栗毛 1957.4.14 仔受胎時活性値:2.00(0.00)【8】 |
ヴイーノーピユロー(ARG) 栗毛 1934.7.27 種付け時活性値:1.375【21.5】 |
||
ミスヒガシ 鹿毛 1943.4.11 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
モガミ (Lyphard系) |
ジムフレンチ (Ribot系) |
チヤイナロツク (Hyperion系) |
ヴイーノーピユロー (The Tetrarch系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ジムフレンチ |
6.50 or 4.50 (【5】+【16】+【8】+【13】) |
祖母が阪神障害Sの勝ち馬 (No. 4-d プロポンチス系) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | レガシーワールド | せん3 | 56 | 小島貞博 | 2:13.6 | 1-1-1-1 | 37.0 |
478 [-6] |
戸山為夫 | 4 | |
2 | 14 | ライスシャワー | 牡3 | 56 | 田中勝春 | 2:13.6 | アタマ | 6-6-2-2 | 36.9 |
442 [+12] |
飯塚好次 | 3 |
3 | 2 | スーパーソブリン | 牡3 | 56 | 田中剛 | 2:14.0 | 2.1/2 | 8-8-10-6 | 36.9 |
462 [-6] |
稗田研二 | 11 |
4 | 4 | ダイワジェームス | 牡3 | 56 | 大塚栄三 | 2:14.1 | クビ | 12-12-13-10 | 36.8 |
456 [-8] |
秋山史郎 | 9 |
5 | 8 | トレヴィット | 牡3 | 56 | 蛯名正義 | 2:14.2 | 1/2 | 3-3-2-2 | 37.5 |
470 [+6] |
佐藤全弘 | 1 |
1F毎の ラップ |
12.9 – 11.2 – 12.2 – 11.9 – 12.4 – 11.9 – 12.1 – 12.0 – 12.1 – 12.2 – 12.7 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.9 – 24.1 – 36.3 – 48.2 – 1:00.6 – 1:12.5 – 1:24.6 – 1:36.6 – 1:48.7 – 2:00.9 – 2:13.6 |
上り | 4F 49.0 – 3F 37.0 |
1992年の第46回セントライト記念。後の戦績を知る者が振り返れば、レガシーワールドが4番人気、ライスシャワー(1989.3.5)が3番人気というのも不思議なオッズ。ともあれ、レースは満3歳になってからオープンクラスのレースで連対を果たしていた2頭の一騎打ち。せん馬になってからのレガシーワールドには初めての騎乗となった小島貞博騎手、ライスシャワーには代打騎乗となった田中勝春騎手。馬と人の組み合わせからは、さながら春の東京優駿(GI)の代理闘争となったこのレース、勝ったのは、やはり逃げて先に行ったレガシーワールド。外から鋭く追い込んだライスシャワーにいったん交わされたかに見えましたが、その勝負根性により「アタマ」だけ差し返した結果が、セントライト記念史上初のせん馬による勝利でした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 騎手 |
走破 時計 |
着差 | 調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | レガシーワールド | せん4 | 河内 洋 | 2:24.4 | 森 秀行 | 6 | |
2 | 7 | コタシャーン | 牡5 | K.デザーモ | 2:24.6 | 1・1/4 | R.マンデラ | 1 |
3 | 2 | ウイニングチケット | 牡3 | 柴田 政人 | 2:24.6 | アタマ | 伊藤 雄二 | 4 |
4 | 4 | プラティニ | 牡4 | M.E.リマー | 2:24.7 | クビ | B.シュッツ | 14 |
5 | 3 | スターオブコジーン | 牡5 | J.A.サントス | 2:24.9 | 1・1/4 | M.A.ヘニグ | 3 |
1F毎の ラップ |
12.9 – 11.6 – 12.1 – 11.6 – 11.8 – 12.0 – 12.2 – 11.9 – 12.0 – 12.1 – 12.2 – 12.0 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.9 – 24.5 – 36.6 – 48.2 – 1:00.0 – 1:12.0 – 1:24.2 – 1:36.1 – 1:48.1 – 2:00.2 – 2:12.4 – 2:24.4 |
上り | 4F 48.3 – 3F 36.3 |
1993年の第13回ジャパンカップ。いま思えば「Urban Seaがよく日本で走ってくれたなぁ」と思います。当年の凱旋門賞(GI)を制していたUrban Sea(1989.2.18)、ジャパンカップでは10番人気8着でした。そんな彼女の真価は、Galileo(1998.3.30)、Sea The Stars(2006.4.6)、Black Sam Bellamy(1999.4.21)、My Typhoon(2002.5.7)と、英ダービー(GI)馬2頭を含む4頭のGI勝ち馬を産んだ繁殖牝馬として発揮されたのですが、それはまた、別の話。
レースは、その年の5月に鬼籍に入られた戸山為夫調教師の遺産が世界を制した、という結果でした。その名もまさにレガシーワールド、日本で調教された「せん馬」として、初めてJRAGIで勝利を収めました。終始先行2番手から積極的に押し進め、後続勢の追い込みを封じました。ただ、せっかくの優勝にちょっとケチが付いてしまったのは、2着のコタシャーン(1988.5.4)にラスト100mで「ゴール板誤認事件」があったこと。それでも、事件があってもなくても、レガシーワールドが凌いでいたのではないかと思います。満3歳秋から満4歳時のレガシーワールドからは、勝負に行って、鬼気迫るものが発せられていました。
勝ち戻るレガシーワールドに対して、フジテレビ系列の中継で解説をされていた故・大川慶次郎さんが、「勝ったから言う訳じゃあないんですけど、いま日本で一番強い馬です」と、おっしゃっていたのを覚えています。それだけ、能力を買われていたのですね。
自分から勝ちに行く競馬が出来たレガシーワールド、絶頂期には本当に強い馬でした。
*
引退後は故郷のへいはた牧場で余生を送っていたレガシーワールド。そんな彼が逝ってしまったのは32歳の夏、2021年8月18日。
0の理論的な見方をしていることもあり、馬の死亡時の年齢が気になるもので、生体の長期リズムがマッシモからミニモへと転調する32歳で旅立った馬で思い出すのは、John Henry(1975.3.9)、ミルジヨージ(1975.4.12)&イナリワン(1984.5.7)父仔、そしてレガシーワールド。いずれも大往生という年齢でした。
レガシーワールド。日本生産調教のせん馬として初めて国際GI馬となった鹿毛馬。青の帽子に「赤、緑袖、白鋸歯形」の勝負服を乗せて、1993年のエクリプス賞年度代表馬に選出された米国の芝最強馬を抑えた姿。その疾走、競馬者として忘れがたき思い出のひとつです。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
*
[レガシーワールド(1989.4.23)の主な競走成績]
- ジャパンカップ(GI)、セントライト記念(GII)
- 有馬記念(GI)、京都大賞典(GII)、AJCC(GII)
通算32戦7勝、2着5回、3着2回。
#2023年02月23日(木)記事改め。