カミノクレッセ 牡 鹿毛 1987.5.30生~2014.7.8没 浦河・昭和牧場 馬主・野上政次氏 栗東・工藤嘉見厩舎
アンバーシヤダイ 鹿毛 1977.3.10 種付け時活性値:0.25 |
ノーザンテースト 栗毛 1971.3.15 |
▲Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Lady Victoria 黒鹿毛 1962.2.20 |
Victoria Park 1957.5.10 | ||
Lady Angela 1944 ♀ | |||
クリアアンバー 黒鹿毛 1967.5.8 |
★Ambiopoise 鹿毛 1958.5.6 |
Ambiorix 1946 | |
Bull Poise 1948 | |||
One Clear Call 鹿毛 1960.5.21 |
Gallant Man 1954 | ||
Europa 1949 | |||
シヨウワロマン 鹿毛 1981.3.2 仔受胎時活性値:1.25 |
コインドシルバー 黒鹿毛 1974.4.19 種付け時活性値:1.50 |
Herbager 鹿毛 1956.4.19 |
Vandale 1943 |
Flagette 1951 | |||
Silver Coin 黒鹿毛 1965.3.10 |
Never Bend 1960.3.15 | ||
Silver Spoon 1956.3.6 | |||
ヒデシヤイン 栗毛 1967.3.1 仔受胎時活性値:1.25 |
ボウプリンス 栃栗毛 1952 種付け時活性値:1.50 |
★Prince Chevalier 1943 | |
Isabelle Brand 1943 | |||
ジヤンダーク 黒鹿毛 1956.5.25 仔受胎時活性値:0.50 |
シマタカ 鹿毛 1944.2.27 種付け時活性値:0.75 |
||
トートレル 黒鹿毛 1949 仔受胎時活性値:1.50 |
<5代血統表内のクロス:Lady Angela(♀)4×5(父方)、Bull Lea5×5(父方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
アンバーシヤダイ (Northern Dancer系) |
コインドシルバー (Herbager系) |
ボウプリンス (Prince Chevalier系) |
シマタカ (Blandford系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
コインドシルバー (Lalun) |
4.50 |
甥エアガッツ (No. 11-e トートレル系) |
3番仔 (3連産目) |
*
[カミノクレッセの主な競走成績]
- 日経新春杯(GII)、ブリーダーズゴールドカップ(現JpnIII)
- 天皇賞・春(GI)、宝塚記念(GI)、安田記念(GI)、阪神大賞典(GII)
- 天皇賞・秋(GI)、札幌記念(当時GIII、現GII)
通算31戦9勝、2着7回、3着4回。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | カミノクレッセ | 牡5 | 57 | 南井克巳 | 2:15.2 | 47.1 |
494 [+8] |
工藤嘉見 | 2 | |
2 | 1 | ホワイトアロー | 牡5 | 57 | 田原成貴 | 2:15.5 | 2 | 47.2 |
492 [0] |
小野幸治 | 1 |
3 | 4 | エリモパサー | 牡5 | 57 | 猿橋重利 | 2:15.7 | 1.1/4 | 47.8 |
514 [0] |
沖芳夫 | 8 |
4 | 12 | ダンディスピリット | 牡5 | 57 | 加用正 | 2:15.7 | ハナ | 47.6 |
456 [+16] |
北橋修二 | 12 |
5 | 7 | ナイスナイスナイス | 牡6 | 57 | 河内洋 | 2:15.8 | 1/2 | 47.6 |
490 [0] |
長浜博之 | 4 |
1992年の第39回日経新春杯。カミノクレッセ、満5歳の始動は伝統のGIIから。第104回天皇賞・秋(GI)4位入線3着から3カ月ぶりの実戦、先行策から押し切ってJRA重賞初制覇と共に芝の初勝利を遂げました。サスガの充実ぶりでした。けれど、まさか最後の勝利になってしまうとは……。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | メジロマックイーン | 牡5 | 59 | 武豊 | 3:13.5 | 48.9 |
492 [0] |
池江泰郎 | 1 | |
2 | 5 | カミノクレッセ | 牡5 | 58 | 南井克巳 | 3:14.3 | 5 | 49.5 |
496 [+2] |
工藤嘉見 | 2 |
3 | 6 | ポーカーフェイス | 牡6 | 57 | 岡潤一郎 | 3:15.7 | 9 | 50.7 |
484 [-6] |
安藤正敏 | 6 |
4 | 3 | エリモパサー | 牡5 | 57 | 猿橋重利 | 3:15.7 | ハナ | 51.2 |
516 [-2] |
沖芳夫 | 4 |
5 | 1 | ミスターアダムス | 牡7 | 57 | 本田優 | 3:16.1 | 2.1/2 | 51.3 |
474 [-2] |
星川薫 | 3 |
1992年の第40回阪神大賞典。少頭数6頭立ての戦いは、2頭の一騎打ちと見られていました。単勝1.3倍の1番人気馬メジロマックイーン(1987.4.3)と単勝2.6倍の2番人気馬カミノクレッセ。カミノクレッセ、必死に食らいついたものの、結果5馬身差の2着。連続銀メダル走の始まりは、ここからでした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | メジロマックイーン | 牡5 | 58 | 武豊 | 3:20.0 | 48.2 |
490 [-2] |
池江泰郎 | 2 | |
2 | 7 | カミノクレッセ | 牡5 | 58 | 田島信行 | 3:20.4 | 2.1/2 | 48.2 |
498 [+2] |
工藤嘉見 | 4 |
3 | 8 | イブキマイカグラ | 牡4 | 58 | 南井克巳 | 3:21.3 | 5 | 48.6 |
444 [-8] |
中尾正 | 3 |
4 | 3 | ホワイトアロー | 牡5 | 58 | 田原成貴 | 3:21.5 | 1 | 49.2 |
492 [-4] |
小野幸治 | 11 |
5 | 14 | トウカイテイオー | 牡4 | 58 | 岡部幸雄 | 3:21.7 | 1.1/4 | 49.7 |
480 [0] |
松元省一 | 1 |
1992年の第105回天皇賞・春。「世紀の対決」と目された一戦。無敗の7連勝のトウカイテイオー(1988.4.20)対防衛王者メジロマックイーン。そんなパーソロン(1960)の直系子孫どうしの対決は、両雄並び立たず、「どんなもんだい」とメジロマックイーンが快勝。後を追ったのは、メジロマックイーンと同じ最速の上がり4ハロン48秒2の脚を使って伸びた、カミノクレッセ。前走阪神大賞典の5馬身差を、半分の2と2分の1馬身に詰めたものの、2着に終わりました。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 3F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ヤマニンゼファー | 牡4 | 57 | 田中勝春 | 1:33.8 | 36.5 |
454 [+2] |
栗田博憲 | 11 | |
2 | 8 | カミノクレッセ | 牡5 | 57 | 南井克巳 | 1:33.9 | 3/4 | 35.8 |
504 [+6] |
工藤嘉見 | 5 |
3 | 2 | ムービースター | 牡6 | 57 | 武豊 | 1:34.0 | クビ | 35.8 |
426 [0] |
坪憲章 | 10 |
4 | 14 | マルマツエース | 牡4 | 57 | 的場均 | 1:34.0 | クビ | 35.7 |
526 [+4] |
仲住芳雄 | 12 |
5 | 17 | ダイナマイトダディ | 牡4 | 57 | 加藤和宏 | 1:34.1 | 1/2 | 36.1 |
458 [0] |
鈴木康弘 | 2 |
1992年の第42回安田記念。芝3200mの天皇賞・春から、半分の距離となった芝1600mの安田記念。チャレンジャーのローテーションで挑んだカミノクレッセ、上がり3ハロン35秒8というメンバー中2番目の鋭脚を繰り出して追い込んだものの、決勝点で0秒1差、先に抜け出して我慢し切った馬がいました。さながら紅顔の美少年、ヤマニンゼファー(1988.5.27)。この安田記念を含めてGI3勝を遂げた名馬でしたが、当時は重賞未勝利どころか芝未勝利という11番人気の伏兵でした。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破 時計 |
着差 |
上り 4F |
馬体重 [前走比] |
調教師 |
人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12 | メジロパーマー | 牡5 | 57 | 山田泰誠 | 2:18.6 | 52.2 |
470 [+2] |
大久保正陽 | 9 | |
2 | 6 | カミノクレッセ | 牡5 | 57 | 南井克巳 | 2:19.1 | 3 | 52.3 |
498 [-6] |
工藤嘉見 | 1 |
3 | 5 | ミスタースペイン | 牡4 | 56 | 石橋守 | 2:19.8 | 4 | 52.0 |
486 [+4] |
橋口弘次郎 | 3 |
4 | 2 | オースミロッチ | 牡5 | 57 | 松本達也 | 2:20.6 | 5 | 53.8 |
498 [+4] |
中尾正 | 12 |
5 | 3 | ダイタクヘリオス | 牡5 | 57 | 岸滋彦 | 2:20.6 | アタマ | 54.0 |
474 [+2] |
梅田康雄 | 2 |
1992年の第33回宝塚記念。阪神大賞典、天皇賞・春、安田記念と3走連続2着で臨んだ宝塚記念。「今度こそ」と、ファンはカミノクレッセを単勝2.0倍という1番人気に押しました。けれど、悲しいかな、またもや1頭、先んじた馬がいました。後になって語り継がれるメジロの1987年生まれ世代、3年連続メジロ勢の優勝となった2年目、阪神芝2200mを逃げ切ったのは、メジロパーマー(1987.3.21)。どうしても、どうしても、どうしても。カミノクレッセの前に、1頭だけ立ちはだかったのでした。
*
1992年の春の古馬GI3連戦。カミノクレッセにとっては、メジロマックイーン、ヤマニンゼファー、メジロパーマーと、後で振り返るといずれも複数GIを勝つ馬との勝負となったのは、「不運だった」としか言いようがありません。
けれどそれでも、砂ぼこりも舞った淀芝3200m、当時歴代2位タイの高速決着となった東京芝1600m、今となっては尋常ではない重さの洋芝だった仁川芝2200mと、まったく条件の違うコース、距離のGIレースで、よくぞ3走連続2着と好走を続けられたものです。それは、取りも直さず、カミノクレッセの能力の高さを示しています。
そしてまた、全9勝のうち実は8勝がダート戦であり、当時は牡牝混合だった札幌ダート2400mのブリーダーズゴールドカップを大圧勝しているように、現在のようなダート路線があれば、砂街道の主役だったかも知れません。まま、同期にナリタハヤブサ(1987.4.28)もいましたが^_^;
ともあれ、カミノクレッセ。あの3連続銀メダル走から四半世紀を過ぎた今を以てして、人々の記憶に残る、名脇役でした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。