ヴィルシーナ 牝 青毛 2009.3.5生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・佐々木 主浩氏 栗東・友道 康夫厩舎
ディープインパクト 鹿毛 2002.3.25 種付け時活性値:1.50【6】 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 1958.4.18 |
Cosmah 1953.4.4 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 1963.2.17 | ||
Mountain Flower 1964.3.23 | |||
ウインドインハーヘア 鹿毛 1991.2.20 |
Alzao 鹿毛 1980.2.28 |
Lyphard 1969.5.10 | |
Lady Rebecca 1971.2.28 | |||
Burghclere 鹿毛 1977.4.26 |
Busted 1963 | ||
Highclere 1971.4.9 | |||
ハルーワスウィート 栗毛 2001.3.12 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Machiavellian 黒鹿毛 1987.1.31 種付け時活性値:1.25【13】 |
★Mr. Prospector 鹿毛 1970.1.28 |
★Raise a Native 1961.4.18 |
Gold Digger 1962.5.28 | |||
Coup de Folie 鹿毛 1982.4.2 |
Halo 1969.2.7 | ||
Raise the Standard 1978.3.31 | |||
ハルーワソング 栗毛 1996.5.15 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
Nureyev 鹿毛 1977.5.2 種付け時活性値:0.50【18】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Special 1969.3.28 | |||
Morn of Song 鹿毛 1988.3.20 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Blushing Groom 栗毛 1974.4.8 種付け時活性値:1.25【13】 |
||
Glorious Song 鹿毛 1976.4.22 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
<5代血統表内のクロス:Halo3×4×5、Northern Dancer4×5、Natalma(♀)5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ディープインパクト (サンデーサイレンス系) |
Machiavellian (Mr. Prospector系) |
Nureyev (Northern Dancer系) |
Blushing Groom (Red God系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ディープインパクト | 5.25 (【7】+【4】+【7】+【11】) |
全妹ヴィブロス (No. 12-c) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | ヴィルシーナ | 牝4 | 55 | 内田 博幸 | 1:32.4 | 2-2 | 34.0 | 450 [-6] |
友道 康夫 | 1 | |
2 | 8 | ホエールキャプチャ | 牝5 | 55 | 蛯名 正義 | 1:32.4 | ハナ | 10-10 | 33.4 | 474 [+2] |
田中 清隆 | 12 |
3 | 1 | マイネイサベル | 牝5 | 55 | 柴田 大知 | 1:32.5 | 1/2 | 3-2 | 34.1 | 478 [-6] |
水野 貴広 | 5 |
4 | 3 | ジョワドヴィーヴル | 牝4 | 55 | 川田 将雅 | 1:32.6 | 1/2 | 14-13 | 33.3 | 430 [+2] |
松田 博資 | 4 |
5 | 6 | ドナウブルー | 牝5 | 55 | C.ウィリアムズ | 1:32.7 | 1/2 | 5-4 | 34.1 | 430 [0] |
石坂 正 | 7 |
1F毎の ラップ |
12.4 – 10.8 – 11.4 – 11.7 – 11.9 – 11.4 – 11.2 – 11.6 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.4 – 23.2 – 34.6 – 46.3 – 58.2 – 1:09.6 – 1:20.8 – 1:32.4 |
上り | 4F 46.1 – 3F 34.2 |
ヴィルシーナ、五度目の正直、成る。「頂上(ロシア語)」という馬名にふさわしいGI勝利の頂きを、ようやく蹄中に収めたのは4歳時の東京芝1600m。11回目の競走、馬番11番で掴んだ頂点は1番人気に応えた結果でした。直線のラスト1ハロンを切って脚色が怪しくなったかと思いきや、外から防衛王者のホエールキャプチャ(2008.2.24)が鋭脚を見せると、負けじと伸び返しました。ヴィルシーナ、見事な勝負根性でした。
3歳時の桜花賞(GI)、優駿牝馬(GI)、秋華賞(GI)の牝馬三冠ではジェンティルドンナ(2009.2.20)が貴婦人ではなく鬼神のように立ちはだかり、ヴィルシーナはJRAの3歳牝馬限定GI史上初の全2着…。
ジェンティルドンナ不在で必勝を期したエリザベス女王杯(GI)ではレインボーダリア(2007.4.27)の強襲に遭い、結局5走連続の2着……。秋華賞はタイム差なしのハナ差、エリザベス女王杯はタイム差なしのクビ差と、特に3歳秋は本当にすんでのところで届かなかったGI制覇。いつでも決勝点で勝ち馬のすぐ傍に姿があったヴィルシーナ、2013年のヴィクトリアマイル勝ちは、競馬の神様が彼女の頑張りを認めてくれた瞬間のようにも感じました。
そしてまたヴィルシーナのヴィクトリアマイル勝利は、馬主である「大魔神」佐々木主浩氏にとっても、嬉しいGI初優勝。ヴィルシーナの母ハルーワスウィートは「尻尾がない馬」として現役時代から知られていましたが、佐々木オーナーはハルーワスウィートをずっと応援されていて、仔を買い求め続けられました。そんなハルーワスウィートの仔によるGI勝ち、本当に嬉しかったことでしょう。
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 14 | ヴィルシーナ | 牝5 | 55 | 内田 博幸 | 1:32.3 | 1-1 | 34.3 | 456 [-4] |
友道 康夫 | 11 | |
2 | 4 | メイショウマンボ | 牝4 | 55 | 武 幸四郎 | 1:32.4 | 1/2 | 7-7 | 33.5 | 486 [+6] |
飯田 祐史 | 3 |
3 | 1 | ストレイトガール | 牝5 | 55 | 岩田 康誠 | 1:32.4 | アタマ | 9-11 | 33.2 | 456 [+2] |
藤原 英昭 | 6 |
4 | 9 | ホエールキャプチャ | 牝6 | 55 | 蛯名 正義 | 1:32.4 | クビ | 5-5 | 33.7 | 480 [-2] |
田中 清隆 | 2 |
5 | 10 | キャトルフィーユ | 牝5 | 55 | C.ウィリアムズ | 1:32.4 | ハナ | 3-4 | 34.0 | 464 [+2] |
角居 勝彦 | 13 |
1F毎の ラップ |
12.4 – 10.7 – 11.6 – 11.5 – 11.8 – 11.4 – 11.2 – 11.7 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.4 – 23.1 – 34.7 – 46.2 – 58.0 – 1:09.4 – 1:20.6 – 1:32.3 |
上り | 4F 46.1 – 3F 34.3 |
ヴィクトリアマイル史上初めての連覇、成る。前年2013年は1番人気に推された、ヴィルシーナ。1年経った2014年は11番人気と大幅に人気を下げていましたが、やはり馬は自分の得意なコースは嬉々として走るのでしょう。気が付けば、ヴィルシーナの制した3つの重賞は、すべて東京芝1600m。そしてまた連覇の内容を確認してみれば、
1F | 2F | 3F | 4F | 5F | 6F | 7F | 8F | 合計 | |
2013年 | 12.4 | 10.8 | 11.4 | 11.7 | 11.9 | 11.4 | 11.2 | 11.6 | 1:32.4 |
2014年 | 12.4 | 10.7 | 11.6 | 11.5 | 11.8 | 11.4 | 11.2 | 11.7 | 1:32.3 |
2013年-2014年 (ラップ差) |
0.0 | 0.1 | -0.2 | 0.2 | 0.1 | 0.0 | 0.0 | -0.1 | 0.1 |
最大でもコンマ2秒のラップ差という、なんという再現ぶり。抜群の発馬は2013年も2014年も同じで、2013年は先行2番手から、2014年は逃げて自らペースを作った結果。淀みない流れを前に行き、最後の我慢比べとなった時に生きる、その勝負根性。後続が迫ってから見せる粘り腰が本当に素晴らしい。ヴィルシーナ、2着から5着までのタイム差なしの勝負にコンマ1秒先んじての勝利は、1年ぶり2度目のGIの頂きとなったのでした。
*
ヴィルシーナは半弟シュヴァルグラン(2012.3.14)、全妹ヴィブロス(2013.4.9)と「3きょうだいGI勝ち馬」の一角であり、
繁殖牝馬としても既に初仔ブラヴァス(2016.1.22)が新潟記念(GIII)勝ちを収めて重賞勝ち馬になっているように、その血の素晴らしさは遺憾無く発揮されています。3番仔ディヴィーナ(2018.2.24)もオープンクラスで頑張ろうとしていますし、これからも産駒の活躍を期待したいもの。
願わくは、母ヴィルシーナが叶えられなかった「クラシック制覇」を遂げてくれる仔が現れることを祈って。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
[ヴィルシーナ(2009.3.5)の主な競走成績]
- ヴィクトリアマイル(GI)2回、クイーンC(GIII)
- 優駿牝馬(GI)、桜花賞(GI)、秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)、ローズS(GII)
- 宝塚記念(GI)
通算21戦5勝、2着5回、3着2回。
*
このサイトの管理人、ヴィルシーナのヴィクトリアマイル連覇を見直して、改めて「根性がある馬やなぁ」って、思ったって。
はい。ヴィルシーナ、2レース共に並ばれ加減になってからが、ものすごい粘り強さですものね。
ホンマに。この根性娘ヴィルシーナに秋華賞で7cm差で競り勝ったジェンティルドンナ、やっぱりとんでもない牝馬やったんやな。
ええ。話題の秋華賞と共に、2回のジャパンカップ(GI)と、都合3回、GIレースでタイム差なしの好勝負を勝ち切っていますから。
そんなジェンティルドンナに対して、そうは簡単に秋華賞を勝たせなかったヴィルシーナも、間違いなく名牝やな。