スズカコバン 牡 黒鹿毛 1980.3.16生~2005.11.21没 平取・稲原牧場生産 馬主・永井 永一氏 栗東・小林 稔厩舎
マルゼンスキー 鹿毛 1974.5.19 種付け時活性値:1.25【5】 |
Nijinsky 鹿毛 1967.2.21 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Flaming Page 鹿毛 1959.4.24 |
Bull Page 1947 | ||
Flaring Top 1947.3.27 | |||
シル 鹿毛 1970.4.22 |
Buckpasser 鹿毛 1963.4.28 |
Tom Fool 1949.3.31 | |
Busanda 1947 | |||
Quill 栗毛 1956.2.24 |
Princequillo 1940 | ||
Quick Touch 1946 | |||
サリユウコバン 鹿毛 1974.3.4 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
ネヴアービート 栃栗毛 1960 種付け時活性値:1.25【13】 |
★Never Say Die 栗毛 1951.3.26 |
Nasrullah 1940.3.2 |
Singing Grass 1944 | |||
Bride Elect 鹿毛 1952 |
Big Game 1939 | ||
Netherton Maid 1944 | |||
モンテホープ 鹿毛 1960.3.27 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
ライジングフレーム 黒鹿毛 1947 種付け時活性値:1.00【12】 |
The Phoenix 1940 | |
Admirable 1942 | |||
トサモアー 鹿毛 1953.4.14 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
トサミドリ 鹿毛 1946.5.20 種付け時活性値:1.50【6】 |
||
第三スターリングモア 鹿毛 1944.3.31 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
<5代血統表内のクロス:Nearco5×5×5×5、Menow5×5(父方)、War Admiral5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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マルゼンスキー (Nijinsky系) |
ネヴアービート (Never Say Die系) |
ライジングフレーム (Cyllene系) |
トサミドリ (Blandford系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
トサミドリ (サリユウコバン) |
6.00 (【5】+【13】+【6】+【8】) |
伯父リキエイカン (No. 3-l フロリースカツプ系) |
初仔 (産駒なし後) |
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着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 騎手 | 走破 時計 |
着差 | 調教師 | 人 気 |
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1 | 9 | スズカコバン | 牡5 | 村本 善之 | 2:15.9 | 小林 稔 | 2 | |
2 | 6 | サクラガイセン | 牡5 | 小島 太 | 2:15.9 | アタマ | 久保田 彦之 | 3 |
3 | 2 | ウインザーノット | 牡5 | 柴田 政人 | 2:16.1 | 1・1/4 | 高松 邦男 | 4 |
4 | 11 | ステートジャガー | 牡4 | 田原 成貴 | 2:16.1 | ハナ | 中村 好夫 | 1 |
5 | 4 | グローバルダイナ | 牝5 | 南井 克巳 | 2:16.3 | 1 | 宇田 明彦 | 7 |
「絶対皇帝」シンボリルドルフ(1981.3.13)が左肩跛行で出走取消となり、10頭立てとなった1985年の春のグランプリ。
一転して混戦模様を見せた一戦は、シンボリルドルフと同じ1981年生まれ世代のステートジヤガー(1981.4.27)が単勝2.5倍の1番人気。笠松競馬から転厩した中央初戦のマイラーズC(GII)でニホンピロウイナー(1980.4.27)と0秒1差の好勝負を見せると、サンケイ大阪杯(GII)ではミスターシービー(1980.4.7)をハナ差破る金星を挙げたステートジヤガー。時代の強者2頭に伍して戦った姿から1番人気に推されるのも道理でしたが、GIレースで立ちはだかったのはニホンピロウイナー、ミスターシービーと同じ1980年生まれ世代の馬たち。
スズカコバン、サクラガイセン(1980.4.14)、ウインザーノツト(1980.3.3)。逃げてレースを作ったウインザーノツトに対して、道中は後方2番手だったスズカコバン、最後方だったサクラガイセン。まだ平坦馬場だった頃の阪神競馬場の直線、差し脚合戦は馬場の外側を回った馬たち。緩い流れの逃げに持ち込んだウインザーノツト、外から迫ったステートジヤガー、内を伸びた牝馬グローバルダイナ(1980.3.4)。ウインザーノツトが内外のライバルを振り落としにかかった刹那、大外から鋭脚を見せたのが橙の帽子に「緑、白袖緑一本輪」の勝負服を乗せたスズカコバン。そしてステートジヤガーとスズカコバンの間を縫うようにして追い込んだのが緑の帽子に「桃、白一本輪、桃袖」の勝負服を乗せたサクラガイセン。ゴール前の脚勢はサクラガイセンが上回っていましたが、最後の最後、スズカコバンの村本善之騎手がムチを使わず押して押して身体の沈んだところが決勝点。そんな鞍上の激励に応えて「アタマ」だけ先んじたスズカコバン、前年カツラギエース(1980.4.24)の2着だった雪辱を果たしました。
スズカコバンが制した1985年の宝塚記念は出走10頭中4頭が1980年生まれ世代で、4頭すべて掲示板に載り、4頭の内3頭だった牡馬で馬券圏内を占めたのでした。また牝馬グローバルダイナは同年に小倉大賞典(GIII)、北九州記念(GIII)、阪神牝馬特別(GIII)と重賞3勝を挙げて優駿賞の最優秀古馬牝馬に選出された名牝。そうして、鬼のように強かったシンボリルドルフに先着したことがある日本馬2頭、カツラギエースとギャロップダイナ(1980.4.25)もやはり1980年生まれ世代。
「世代の層の厚さ」ということでは、いわゆるミスターシービー世代に軍配が上がるのではないでしょうか。そんなミスターシービー世代の中でカツラギエース、ニホンピロウイナーに続いて関西調教馬として古馬GI馬に登り詰めたスズカコバン。3歳時の神戸新聞杯、4歳時の京都大賞典(GII)、5歳時の宝塚記念、6歳時の京都大賞典と4年連続で重賞勝ちを収めた実力馬、その血が細々とではありますが、2023年の現在も直父系で現存しているところが泣かせます。
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スズカコバンの仔クラキングオー(1997.4.15)★は道営記念、北海優駿、王冠賞、ステイヤーズC2回とホッカイドウ競馬で重賞5勝。
道営の雄は予後不良級の故障を乗り越えて故郷の倉見牧場に戻ると3頭だけ仔を残したのですが、やはり北海優駿勝ち馬であるクラシャトル(1991.4.9)との間に生まれたたった1頭の初年度産駒クラキンコ(2007.4.11)が北海優駿の「父母仔制覇」を果たし、なおかつ北斗盃、王冠賞を制してホッカイドウ競馬三冠を達成した初めての牝馬となりました。そしてまたクラキングオーの最後の仔にしてクラキンコの全弟クラグオー(2010.5.5)はステイヤーズCを父仔制覇。そうしてクラグオーのたった1頭の2年度産駒クレモナ(2018.4.3)が園田競馬の重賞であるのじぎく賞を勝利。
詳細は↑で引いた競走馬のふるさと案内所の記事に譲りますが、クラグオーは請われて門別敏朗さんが経営されるT・H・Tステーブルにて種牡馬入りした模様。スズカコバンの血、引いてはマルゼンスキーの血が直父系から続くことを祈り願うばかりです。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
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[スズカコバン(1980.3.16)の主な競走成績]
- 宝塚記念(GI)、京都大賞典(GII)2回、神戸新聞杯
- 宝塚記念(GI)、阪神大賞典(GII)、高松宮杯(GII)、鳴尾記念(GII)
- 天皇賞・春(GI)、京都大賞典(GII)、サンケイ大阪杯(GII)2回、阪神大賞典
通算34戦7勝、2着5回、3着6回。
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スズカコバンさん。平取町の稲原牧場さんの生産馬で、冠名「スズカ」の永井家の持ち馬にして、宝塚記念の勝ち馬。
むぅ。なんかどこかで見たことがある組み合わせやな。
はい。サイレンススズカ(1994.5.1)、ですね。