アグネスフライト 牡 栗毛 1997.3.2生~2023.1.11没 千歳市・社台ファーム生産 馬主・渡辺 孝男氏 栗東・長浜 博之厩舎
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:0.50【10】 |
★ Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 |
Turn-to 1951 |
Nothirdchance 1948 | |||
Cosmah 鹿毛 1953.4.4 |
★Cosmic Bomb 1944 | ||
Almahmoud 1947.5.18 | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 栗毛 1963.2.17 |
★Promised Land 1954.3.31 | |
Pretty Ways 1953.3.21 | |||
Mountain Flower 鹿毛 1964.3.31 |
Montparnasse 1956 | ||
Edelweiss 1959.2.15 | |||
アグネスフローラ 鹿毛 1987.6.18 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
ロイヤルスキー 栗毛 1974.5.24 種付け時活性値:1.00【12】 |
Raja Baba 鹿毛 1968.4.5 |
Bold Ruler 1954.4.6 |
Missy Baba 1958.5.13 | |||
Coz O’Nijinsky 栗毛 1969.4.27 |
★Involvement 1960.4.12 | ||
Gleam 1952 | |||
アグネスレデイー 鹿毛 1976.3.25 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
リマンド 栗毛 1965.2.16 種付け時活性値:0.50【10】 |
▲Alcide 1955.6.6 | |
Admonish 1958 | |||
イコマエイカン 鹿毛 1967.5.18 仔受胎時活性値:2.00【8】 |
Sallymount 栗毛 1956 種付け時活性値:0.50【10】 |
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ヘザーランズ 鹿毛 1957 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
<5代血統表内のクロス:なし>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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サンデーサイレンス (Halo系) |
ロイヤルスキー (Bold Ruler系) |
リマンド (Blenheim系) |
Sallymount (Owen Tudor系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ロイヤルスキー | 3.00 (【9】+【10】+【8】+【9】) |
母も祖母も全弟もクラシック勝ち馬 (No. 1-l ヘザーランズ系) |
4番仔 (3連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
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1 | 4 | アグネスフライト | 牡3 | 57 | 河内 洋 | 2:26.2 | 17-17-17-13 | 35.4 | 452 [-4] |
長浜 博之 | 3 | |
2 | 2 | エアシャカール | 牡3 | 57 | 武 豊 | 2:26.2 | ハナ | 15-14-13-11 | 35.6 | 494 [+2] |
森 秀行 | 1 |
3 | 13 | アタラクシア | 牡3 | 57 | 四位 洋文 | 2:26.8 | 3 1/2 | 11-10-3-4 | 36.5 | 500 [+6] |
池江 泰郎 | 6 |
4 | 12 | トーホウシデン | 牡3 | 57 | 田中 勝春 | 2:27.0 | 1 1/2 | 8-8-6-6 | 36.5 | 420 [-2] |
田中 清隆 | 9 |
5 | 1 | リワードフォコン | 牡3 | 57 | 後藤 浩輝 | 2:27.1 | クビ | 13-13-13-6 | 36.6 | 462 [-6] |
田中 清隆 | 10 |
1F毎の ラップ |
12.5 – 10.6 – 11.9 – 11.9 – 12.3 – 12.5 – 13.1 – 13.0 – 12.3 – 12.0 – 11.7 – 12.4 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.5 – 23.1 – 35.0 – 46.9 – 59.2 – 1:11.7 – 1:24.8 – 1:37.8 – 1:50.1 – 2:02.1 – 2:13.8 – 2:26.2 |
上り | 4F 48.4 – 3F 36.1 |
「河内の夢か、豊の意地か」。タイム差なしのハナ差、その差僅かに7cmで果たされたのは「河内の夢」でした。「17度目の正直」となった名手・河内洋騎手の東京優駿制覇。それはまた、中央競馬史上初の「母仔3代クラシック制覇」の大偉業の達成でもありました。アグネスレデイーの優駿牝馬、アグネスフローラの桜花賞、そしてアグネスフライトの東京優駿。母仔3代のクラシック勝利の折、その背にはすべて河内騎手の姿がありました。アグネスレデイーの優駿牝馬の際はデビュー6年目24歳の若武者であった河内騎手、アグネスフローラの桜花賞ではデビュー17年目の35歳、その時点で勝利数は1000勝を優に超え、誰もが認める名手として君臨。武田作十郎厩舎の弟弟子であった武豊騎手にとっては良き手本となっていた河内騎手。この名手をして16回騎乗して未勝利であった東京優駿という高き壁。17回目の挑戦時、デビュー27年目で45歳のベテランとなっていた河内騎手。鞍下は自身ゆかりの血統馬であるアグネスフライト、叩き合いの相手は前人未到の東京優駿3勝目にして3連勝を狙った弟弟子が騎乗した皐月賞(GI)馬。これ以上無い舞台での勝負でもぎ取った勝利。諦めず、正しく努力をしていれば叶う。アグネスフライトは、河内洋という騎手の「夢」を具現化させた、東京優駿勝ち馬でした。
*
「タイム差なしの好勝負を辿る」シリーズは、一部例外はありますが「中央競馬のグレード制導入後でタイム差なし。かつ今まで『雪の家雑記帳』で書いたことが無い1番古い馬」という基本線を持ちながら活躍馬を紹介しているのです。実のところ。その結果、
エアシャカール(1997.2.26)、イーグルカフェ(1997.2.10)、シルクプリマドンナ(1997.4.22)、そして本稿の主役アグネスフライトという1997年生まれ世代の3歳限定GIを勝った馬たちの記事をお届けする運びとなりました。出て来た馬たちの名前から、テイエムオペラオー(1996.3.13)が制した2000年のジャパンカップ(GI)を思い起こしてしまう方もいらっしゃるやも知れませんが、それぞれが制したGIレースはしびれるような白熱の好勝負だったのです。
その中でもアグネスフライトとエアシャカールが演じた7cm差の勝負は、20世紀最後の東京優駿に相応しいものであったと、心底思います。
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「河内の夢」であった「ダービージョッキー」を贈ったアグネスフライト。今年2023年、天空に飛翔しました。
アグネスフライト、祖母や母や全弟、そしてまた東京優駿でしのぎを削った好敵手と共に、空の上から後輩たちの走りを見守っていてあげてください。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
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[アグネスフライト(1997.3.2)の主な競走成績]
- 東京優駿(GI)、京都新聞杯(GIII)
- 京都記念(GII)、神戸新聞杯(GII)
通算14戦4勝、2着2回。
*
アグネスフライトは河内騎手はもちろん、渡辺孝男オーナー、長浜博之調教師にも「ダービー初優勝」を贈ったんよな。
はい。併せてアグネスフライトの厩務員を務められた大川鉄雄さんは、アグネスレデイーさん、アグネスフローラさん、そしてまたアグネスタキオン(1998.4.13)も担当されていた腕利きです。
アグネスレデイーさんは長浜師のお父様である長浜彦三郎調教師の管理馬で、こちらは父仔2代のクラシック勝ち調教師になられた訳やね。
ええ。「『馬人共に凄い……』という感嘆しか出て来ない」とは、このサイトの管理人の言です。