レディパステル(1998.4.26)-ただ単に書きたい馬を辿る(No.11)-

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レディパステル 牝 黒鹿毛 1998.4.26生 門別町・シンコーファーム生産 馬主・(株)ロードホースクラブ 美浦・田中 清隆厩舎

レディパステル(1998.4.26)の4代血統表
トニービン
鹿毛 1983.4.7
種付け時活性値:1.50【14】
カンパラ
黒鹿毛 1976.2.19
Kalamoun
芦毛 1970.4.30
ゼダーン 1965
Khairunissa 1960.2.15
State Pension
鹿毛 1967
オンリーフオアライフ 1960
Lorelei 1950
Severn Bridge
栗毛 1965
Hornbeam
栗毛 1953
Hyperion 1930.4.18
Thicket 1947
Priddy Fair
鹿毛 1956
Preciptic 1942
Campanette 1948
ピンクタートル
栗毛 1988.3.2
仔受胎時活性値:0.25【9】
Blushing Groom
栗毛 1974.4.8
種付け時活性値:1.25【13】
Red God
栗毛 1954.2.15
Nasrullah 1940.3.2
Spring Run 1948
Runaway Bride
鹿毛 1962
Wild Risk 1940
Aimee 1957
Turtle Cove
黒鹿毛 1970.2.19
仔受胎時活性値:0.25【17】
Dr. Fager
鹿毛 1964.4.6
種付け時活性値:1.25【5】
Rough’n Tumble 1948
Aspidistra 1954.3.25
Sunny Cove
栗毛 1957
仔受胎時活性値:1.00【12】
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
種付け時活性値:1.25【21】
Sunny Gulf
鹿毛 1951
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:Nasrullah4×5、Nearco4×5(母方)>

レディパステル(1998.4.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
トニービン
(ゼダーン系)
Blushing Groom
(Red God系)
Dr. Fager
(Himyar系)
Nearco
(Phalaris系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
トニービン 2.75
(【9】+【17】+【12】+【5】)
マテンロウオリオン
(No. 1-l)
5番仔
(5連産目)

*

2001年の第62回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 13 レディパステル 牝3 55 K.デザーモ 2:26.3 17-15-12-10 34.4 448
[+4]
田中 清隆 5
2 1 ローズバド 牝3 55 横山 典弘 2:26.3 クビ 15-12-14-10 34.4 412
[+2]
橋口 弘次郎 4
3 12 テイエムオーシャン 牝3 55 本田 優 2:26.7 2 1/2 5-4-3-5 35.1 440
[-4]
西浦 勝一 1
4 6 サクセスストレイン 牝3 55 木幡 初広 2:26.7 クビ 7-7-9-6 35.0 454
[+12]
稲葉 隆一 7
5 11 オイワケヒカリ 牝3 55 小林 淳一 2:26.7 ハナ 7-7-7-6 35.0 478
[+10]
柴崎 勇 6
2001年の第62回優駿牝馬(GI。東京芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.2 – 11.3 – 11.7 – 12.3 – 12.9 – 12.9 – 13.1 – 12.7 – 12.1 – 12.3 – 11.2 – 11.6
ラップの
累計タイム
12.2 – 23.5 – 35.2 – 47.5 – 1:00.4 – 1:13.3 – 1:26.4 – 1:39.1 – 1:51.2 – 2:03.5 – 2:14.7 – 2:26.3
上り 4F 47.2 – 3F 35.1

2001年の優駿牝馬の予想を改めて振り返ってみれば、”「テイエムオーシャン、サクセスストレイン、レディパステル、ブライアンハニー」の4頭で勝負してみたいと思います。“と記していました。ローズバド(1998.4.29)を含めていないところに苦笑いするしか無いのですが、それでも1着、3着、4着の名前を挙げているのですから、狙いとしては悪くはなかった。まま、POGの指名馬であったサクセスストレイン(1998.4.9)にシルシを回したかった、というところではありました^^;

ともあれ、レディパステル。鞍上の「米国の達人」ケント・デザーモ騎手、前走フローラS(GII)2着時は気持ち早仕掛けであったように見えましたので、本番ではじっくり後方待機から徐々に進出。ただ23年経った今、改めて見直してみれば、4角から直線でローズバド、テイエムオーシャン(1998.4.9)が激しくやり合っていて、レディパステルも若干行き場所を失い加減。それでもラスト200mで完全に前が開いてから、前を捉えに掛かったレディパステル。デザーモ騎手の鼓舞に応えて我慢強い末脚を伸ばし続けた鹿毛の流星、決勝点で「クビ」だけローズバドを差し切っていました。レディパステル、「府中でこそのトニービン産駒」の本領発揮とばかりにベガ(1990.3.8)エアグルーヴ(1993.4.6)に続いて3頭目の優駿牝馬勝ちを収めると共に、デザーモ騎手に史上初となる外国人騎手によるJRAクラシック制覇を贈りました。

*

2003年の第21回ローレル競馬場賞中山牝馬S(GIII。中山芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 3 レディパステル 牝5 56 蛯名 正義 1:46.7 9-10-8-7 35.2 458
[0]
田中 清隆 3
2 5 テンエイウイング 牝4 50 大庭 和弥 1:46.8 1/2 12-13-11-10 35.0 468
[-4]
高橋 義博 14
3 2 ショコット 牝6 52 江田 照男 1:47.1 2 6-6-5-7 35.8 454
[+6]
大江原 哲 4
4 6 オースミコスモ 牝4 55.5 武 豊 1:47.3 1 1/4 6-6-5-3 36.0 418
[-4]
中尾 正 1
5 12 カネトシディザイア 牝4 52 吉田 豊 1:47.3 ハナ 9-10-13-12 35.2 446
[-6]
田中 章博 6
2003年の第21回ローレル競馬場賞中山牝馬S(GIII。中山芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.4 – 11.3 – 11.7 – 11.7 – 11.5 – 11.9 – 11.9 – 12.2 – 12.1
ラップの
累計タイム
12.4 – 23.7 – 35.4 – 47.1 – 58.6 – 1:10.5 – 1:22.4 – 1:34.6 – 1:46.7
上り 4F 48.1 – 3F 36.2

私の確認が誤っていなければ、レディパステルによる2003年の中山牝馬Sがトニービン牝駒最初にして最後の中山コースの重賞勝ちです。レディパステルは当時オープン特別であった中山芝1800mの紫苑Sの勝ち馬でもありました。また2着のテンエイウイング(1999.3.22)、0の理論的には父ビワハヤヒデ(1990.3.10)が8歳時のミニモの遺伝で送り込まれた仔であり、ビワハヤヒデ牝駒として唯一のJRA重賞連対を果たしたレースでした。

*

2003年の第51回府中牝馬S(GIII。東京芝1800m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 9 レディパステル 牝5 56 蛯名 正義 1:46.6 7-8-7 33.8 464
[+4]
田中 清隆 1
2 12 ローズバド 牝5 56 横山 典弘 1:46.8 1 10-11-12 33.7 436
[+4]
橋口 弘次郎 3
3 10 スマイルトゥモロー 牝4 55 柴田 善臣 1:46.9 1/2 1-1-1 38.4 446
[+2]
勢司 和浩 5
4 6 オースミコスモ 牝4 55 常石 勝義 1:47.0 1/2 4-4-4 34.4 428
[+4]
中尾 正 2
5 2 シルクサンライズ 牝6 55 勝浦 正樹 1:47.2 1 1/2 2-2-2 34.8 488
[+8]
石毛 善彦 11
2003年の第51回府中牝馬S(GIII。東京芝1800m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
11.7 – 10.9 – 10.6 – 11.3 – 11.8 – 12.2 – 12.4 – 12.7 – 13.0
ラップの
累計タイム
11.7 – 22.6 – 33.2 – 44.5 – 56.3 – 1:08.5 – 1:20.9 – 1:33.6 – 1:46.6
上り 4F 50.3 – 3F 38.1

2003年の府中牝馬Sは、レディパステルの1歳年下の優駿牝馬勝ち馬であるスマイルトゥモロー(1999.4.20)のシャカリキ逃げが印象に残るレースですね。スマイルトゥモローと柴田善臣騎手が刻んだラップは入りの3ハロン33秒2、1000m通過が56秒3という、かのサイレンススズカ(1994.5.1)の毎日王冠(GII)における57秒7を優に凌ぐ速さでの逃げでした。伊達や酔狂でオークス馬になっていないという走力を見せたスマイルトゥモローはゴール寸前まで粘りましたが、最後はレディパステルが年長のオークス馬の意地を見せ、綺麗に差し切り勝ちを収めたのでした。しっかし、上がり3ハロンの時計が4秒以上違う馬どうしが馬券圏内というレースは、なかなかお目に掛かれません^^;

*

レディパステル。生涯21戦で掲示板を外さず、いつでも頑張ってゴール前の接戦に加わっていた印象も強い、21世紀最初の優駿牝馬勝ち馬です。↑で確認した通り、トニービン産駒らしさを見せた東京重賞2勝ではありましたが、その競馬場別成績を振り返ってみれば、

レディパステルの競馬場別成績
競馬場 1着 2着 3着 着外
東京 3 4 0 1
中山 3 2 3 0
京都 0 0 2 2
札幌 0 0 0 1
合計 6 6 5 4

中山コースでも[3-2-3-0]と好成績でありトニービン産駒の中では異彩を放つ存在でもありました。

ただ。

これほどの名牝でも、その行方が杳と知れずというところに、経済動物と言われるサラブレッドの切なさ、儚さ、難しさを思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[レディパステル(1998.4.26)の主な競走成績]

  1. 優駿牝馬(GI)、府中牝馬S(GIII)、中山牝馬S(GIII)
  2. 目黒記念(GII)、フローラS(GII)
  3. 秋華賞(GI)、エリザベス女王杯(GI)、府中牝馬S(GIII)、中山牝馬S(GIII)

通算21戦6勝、2着6回、3着5回。

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