Moira(2019.4.11)-第163回クイーンズプレートの勝ち馬-

Result

Moira(モイラ) 牝 鹿毛 2019.4.11生 加国・Adena Springs生産 馬主・X-Men Racing LLC, Madaket Stables LLC & SF Racing LLC 加国・Kevin Attard厩舎

Moira(2019.4.11)の4代血統表
Ghostzapper
鹿毛 2000.4.6
種付け時活性値:0.50【18】
Awesome Again
鹿毛 1994.3.29
Deputy Minister
黒鹿毛 1979.5.17
Vice Regent 1967.4.29
Mint Copy 1970.2.24
Primal Force
鹿毛 1987.4.27
Blushing Groom 1974.4.8
Prime Prospect 1978.3.20
Baby Zip
鹿毛 1991.3.24
Relaunch
芦毛 1976.3.16
In Reality 1964.3.1
Foggy Note 1965.3.20
Thirty Zip
黒鹿毛 1983.4.23
Tri Jet 1969.4.3
Sailaway 1976.4.12
Devine Aida
芦毛 2012.5.4
仔受胎時活性値:1.50【6】
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
種付け時活性値:0.50【18】
Unbridled
鹿毛 1987.3.5
Fappiano 1977.5.19
Gana Facil 1981.2.9
Trolley Song
芦毛 1983.4.13
Caro 1967.4.11
Lucky Spell 1971.1.28
Passion
黒鹿毛 2005.2.23
仔受胎時活性値:1.50【6】
ケイムホーム
黒鹿毛 1999.3.29
種付け時活性値:1.25【5】
Gone West 1984.3.10
Nice Assay 1988.3.25
Rajmata
鹿毛 1993.3.11
仔受胎時活性値:0.75【11】
Known Fact
黒鹿毛 1977.3.15
種付け時活性値:1.75【15】
Begum
栗毛 1981.4.4
仔受胎時活性値:0.75【11】

<5代血統表内のクロス:In Reality4×5、Mr. Prospector5×5×5>

Moira(2019.4.11)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Ghostzapper
(Deputy Minister系)
Unbridled’s Song
(Mr. Prospector系)
ケイムホーム
(Mr. Prospector系)
Known Fact
(Intent系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Known Fact
(Tamerett)
4.50 祖母が米GIII勝ち馬
(No. 1-l)
3番仔
(3連産目)

*

2022年の第163回クイーンズプレート(ウッドバイン・オールウェザー10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 8 Moira 牝3 54.9 Rafael Manuel Hernandez 2:01.48 Kevin Attard 2
2 1 Hall of Dreams せん3 57.2 Patrick Husbands 7 Mark Casse 7
3 10 Sir For Sure せん3 57.2 Declan Carroll 2 Mark Casse 8
4 3 Ironstone 牡3 57.2 木村 和士 1 1/2 W V Armata 3
5 7 Dancin In Da’nile 牡3 57.2 Shaun Bridgmohan クビ Gail Cox 9
「カナダ版ダービー」クイーンズプレートで木村和士騎手は4着、同日G2で重賞11勝目 | JRA-VAN Ver.World
 21日、カナダのウッドバイン競馬場でクイーンズプレート(オールウエザー2000メートル、11頭立て)が行われた。現地で活躍する日本人の木村和士騎手(22)が騎乗したアイロンストーン(牡3、父ミスター

2022年の第163回クイーンズプレート。サラブレッド競走における北米最古のパターンレースとして知られる加国産馬限定のクラシック。2年前の2020年の第161回は日本人騎手の福元大輔騎手がMighty Heart(2017.4.5)で制して大いに話題となりました。有り難いことに、この辺境ブログでも比較的多く閲覧していただいている記事です。

Mighty Heart(2017.4.5)-第161回クイーンズプレートの勝ち馬。あるいは福元大輔騎手-
Mighty Heart(マイティーハート) 牡 鹿毛 2017.4.5生 加国・Larry Cordes生産 馬主・Lawrence Cordes 加国・Josie Carroll厩舎

そんなクイーンズプレートの第163回を制したのは、出走11頭のうち紅一点だったMoira。8番枠からスタートすると、道中は中団後方に構え、4分の3マイルを超えたあたりから外目を捲くるように進出。脚色良く最終コーナーを回ると、16分の3マイルの直線を、鹿毛に白いブリンカーと後脚に白いバンテージ、薄緑の帽子に「薄緑、桃一文字」風の勝負服が、鮮やかに抜け出しました。Moira、どんどん脚を伸ばすと後続勢はまったく付いて行けず。鞍上のラファエル・マニュエル・ヘルナンデス騎手、ゴールに入る5秒くらい前から、右手でガッツポーズをされていました。メートルで言うとラスト80mくらいは楽走という感じですが、Moiraがウッドバイン・オールウェザー10ハロンで刻んだ2分1秒48はトラックレコード。2着のHall of Dreams(2019.5.10)には7馬身差を着けての圧勝でした。

*

Moiraの戦績を確認すれば、デビュー戦が2021年10月のプリンセスエリザベスS。このレースは英語版Wikipediaの記事によりますとthe richest race of the year for Canadian-foaled two-year-old filliesということで、メイドンではなく、いきなり加国産2歳牝馬の最高賞金レースにぶつけたあたり、オーナー及び厩舎陣営の期待の高さが伺えます。果たせるかなMoira、ウッドバイン・オールウェザー8.5ハロンの賞金総額25万加ドルの一戦を4と4分の1馬身差の快勝を以てデビューを飾ったのでした。初戦で只者ではないというところを見せたMoira、2戦目の2021年11月のウッドバイン・オールウェザー8.5ハロンのマザリンS(加GIII)では単勝2.15倍の1番人気に推されたものの、3ポンドのアローワンスがあった米国産馬Mrs. Barbara(2019.2.5)から1馬身差の2着に敗れました。

2歳戦を2戦で切り上げたMoira、3歳初戦は2022年6月のウッドバイン・オールウェザー7ハロンのフューリーS。7ヶ月ぶりとなったこの一戦からヘルナンデス騎手が騎乗されています。お得意のマクリ一発で抜け出しましたが、最後は2着のPioneer’s Edge(2019.4.4)にクビまで迫られたところがゴール。ただ、このフューリーSが良い叩き台になったのでしょう。その後の2走が目を瞠る内容となりました。3歳2戦目となった7月のウッドバイン・オールウェザー9ハロンのウッドバインオークス。10頭立てを単勝2倍の1番人気に推されたMoira、その走りを見れば、

やはり3角から4角のマクリ一発。2着のSister Seagull(2019.3.19)には10と4分の3馬身差という大圧勝。なお、3着のSahlabiya(2019.4.27)には福元騎手が騎乗されていました。

Moira、そうして3歳3戦目となったのが8月の第163回クイーンズプレート。ウッドバイン・オールウェザー10ハロンにおいて出色の走りで見せた7馬身差。2分1秒48のトラックレコード勝ちは、10ハロンで行われたクイーンズプレートにおいても最速タイムとなりました。

*

https://www.bloodhorse.com/horse-racing/articles/262472/moira-romps-in-plate-fastest-winner-in-163-years

BloodHorseの記事によるところですが、Moiraはクイーンズプレート史上38頭目の牝馬の勝ち馬、そしてまたクイーンズプレートとウッドバインオークス(=加オークス)の両レースを制したのは8頭目ということ。プレート&オークスのダブルを達成した8頭を紹介しておきますと、

  1. Flaming Page(1959.4.24)
    →ご存知「偉大なる」Nijinsky(1967.2.21)の母にして、「吟遊詩人」The Minstrel(1974.3.11)の祖母
  2. La Lorgnette(1982.4.13)
    →Flaming Page同様E. P. Taylorの生産馬。英愛でGI3勝を挙げたHawk Wing(1999.3.15)の母
  3. Dance Smartly(1988.4.5)
    →1991年に加国三冠も達成し、同年のブリーダーズカップ・ディスタフ(米GI)も制した加国が誇る名牝。仔スキャターザゴールド(1997.2.26)もクイーンズプレート&プリンスオブウェールズSの加国二冠馬。そして、
  4. Dancethruthedawn(1998.3.6)
    →上述のDance Smartlyの娘。4歳時にゴーフォーワンドS(米GI)も制しました。実のところClassy ‘n Smart(1981.5.20)、Dance Smartly、Dancethruthedawnと「母仔三代加オークス勝ち馬」です。加国屈指の名牝系
  5. Inglorious(2008.5.10)
    →輸入種牡馬ヘネシー(1993.4.25)の娘。2013年11月のファッシグティプトンセールにて豪州のキアオラスタッドが135万ドルで購入。2020年産の父Justify(2015.3.28)の牡駒金ピカの栗毛で良い馬に見えました
  6. レキシールー(2011.2.26)
    →3歳最終戦のハリウッドダービー(米GI)ではカリフォルニアクローム(2011.2.18)の2着に善戦。ケイアイファームが繁殖牝馬として導入し2番仔にダノンスコーピオン(2019.2.22)を輩出
  7. Holy Helena(2014.5.4)
    →Moira同様、アデナスプリングスが生産したGhostzapperの娘。米国が誇る名繁殖牝馬Missy Baba(1958.5.13)が高祖母
  8. Moira(2019.4.11)
    →本稿の主役

総じて「名競走馬にして名繁殖牝馬」が揃っています。サスガに伊達や酔狂ではプレート&オークスのダブルを勝てないということですね^^;

↑のリストでHoly Helena、Moiraの名を連ねましたが、両馬の父Ghostzapperはクイーンズプレートの勝ち馬をもう1頭送り込んでいます。そのもう1頭Shaman Ghost(2012.5.5)、クイーンズプレートの他にサンタアニタH(米GI)、ウッドワードS(米GI)勝ちがあり、フィリーサイアー色が強いGhostzapperにとっては、Mystic Guide(2017.2.26)と並んで牡馬の代表産駒といえる存在です。Ghostzapper、Shaman Ghost、Holy Helena、そしてMoiraと、結局アデナスプリングスの生産馬たちです。

400 Bad Request

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↑でも引いたBloodHorseの記事における、Moiraを管理されるケビン・アッタード調教師のコメントによりますと、

“Being a local trainer, I would love to put my name beside a Triple Crown horse if I could, right?” Attard said.

地元の調教師として、できることなら三冠馬の横に自分の名前を置きたいよね。ならばMoiraの進む道は、フォートエリー・ダート9.5ハロンのプリンスオブウェールズS、ウッドバイン芝12ハロンのブリーダーズSになるのでしょう。異なるサーフェイス、異なる距離に挑むことになる過酷な加国三冠、Moiraの進路にどうぞ幸多からんことを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。