Rekindling 牡 鹿毛 2014.3.23生 英国・The Pocock Family生産 馬主・N C Williams, Mr & Mrs L J Williams Et Al 愛国・Joseph Patrick O’Brien 厩舎
High Chaparral 鹿毛 1999.3.1 種付け時活性値:1.50 |
Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Fairy Bridge 鹿毛 1975.5.4 |
Bold Reason 1968.4.8 | ||
Special 1969.3.28 | |||
Kasora 鹿毛 1993.4.17 |
Darshaan 黒鹿毛 1981.4.18 |
Shirley Heights 1975.3.1 | |
Delsy 1972.3.20 | |||
Kozana 黒鹿毛 1982.2.27 |
Kris 1976.3.23 | ||
Koblenza 1966.2.9 | |||
Sitara 栗毛 1998.5.11 仔受胎時活性値:1.75 |
Salse 鹿毛 1985.2.24 種付け時活性値:1.00 |
Topsider 鹿毛 1974.3.15 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Drumtop 1966.5.4 | |||
Carnival Princess 栗毛 1974.5.31 |
Prince John 1953.4.6 | ||
Carnival Queen 1962.4.4 | |||
Souk 鹿毛 1988.4.27 仔受胎時活性値:0.25 |
Ahonoora 栗毛 1975.4.12 種付け時活性値:1.00 |
Lorenzaccio 1965.2.23 | |
Helen Nichols 1966 | |||
Soumana 鹿毛 1979.4.13 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
Pharly 栗毛 1974.4.22 種付け時活性値:1.00 |
||
Faizebad 黒鹿毛 1962.2.24 仔受胎時活性値:2.00(0.00) |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer3×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
High Chaparral (Sadler’s Wells系) |
Salse (Northern Dancer系) |
Ahonoora (Clarion系) |
Pharly (Lyphard系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
High Chaparral (Kasora) |
6.00 or 4.00 or 2.00 |
従姉Alexandrova (No. 21-a) |
8番仔? |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 4 | Rekindling | 牡3 | 51.5 | Corey Brown | 3:21.19 | Joseph Patrick O’Brien | 6 |
2 | 3 | Johannes Vermeer | 牡4 | 54.5 | Ben Melham | 1/2 | A P O’Brien | 5 |
3 | 2 | Max Dynamite | せん7 | 54 | Zac Purton | 2 1/2 | W P Mullins | 8 |
4 | 5 | Big Duke | せん5 | 53.5 | Brenton Avdulla | 2 3/4 | Darren Weir | 9 |
5 | 19 | Nakeeta | せん6 | 53 | Glyn Schofield | 3/4 | Iain Jardine | 17 |
2017年の第157回メルボルンカップ。「国が停止する日」メルボルンカップ・デー、毎年11月第1週の火曜日に行われる世界最大のハンデキャップ競走が、豪州の国民的行事であるメルボルンカップ。その第157回を制したのは、出走23頭中唯一の3歳馬-ただし北半球における年齢表記-、英国産の愛国調教馬であるRekindling。1着Rekindling、2着Johannes Vermeer(2013.4.20)、3着Max Dynamite(2010.4.23)と、上位3頭はいずれも愛国調教馬でした。なお、Max Dynamiteは2015年の第155回の2着馬であり、その父はシンザン記念(GIII)、ダービー卿CT(GIII)の勝ち馬グレイトジャーニー(2001.5.10)です。
1着Rekindling、2着Johannes Vermeerと見てみれば、ジョセフ・パトリック・オブライエン調教師とエイダン・パトリック・オブライエン調教師という、子と父によるワンツーフィニッシュ。ジョセフ師は昨年2016年の春に22歳の若さで騎手を退いた後、調教師に転身。GIレース勝利は、2016年のモイグレアスタッドS(愛GI)を制したIntricately(2014.3.10)に続いて2勝目となりました。開業半年でGIを勝ち、その翌年には南半球最大のレースを制したのですから、調教師としてもサスガというところを見せています。そう言えば、ジョセフ師の2度目にして最後の英ダービー(GI)制覇のパートナーは、その名もズバリAustralia(2011.4.8)でしたね^^;
さて、Rekindlingの最優性先祖である父High Chaparralは、現役時代に10勝を挙げ、その主な勝ち鞍に第223回英ダービー、第137回愛ダービー(GI)、ブリーダーズカップ・ターフ(米GI)2回-第19回と第20回-、第28回愛チャンピオンS(GI)、第41回レーシングポストT(英GI)、ロイヤルウィップS(愛GII)、愛ダービートライアルS(GIII)と、GI6勝を含むGレース8勝の名馬。High Chaparralは、「活躍馬は早期引退」という印象も強い欧州馬としては珍しく、古馬になっても競走を続け、その強さと安定感を発揮し続けた超一流馬でした。
High ChaparralとJohar(1999.2.28)が1着同着を分け合った第20回ブリーダーズカップ・ターフ。決勝点、内のファルブラヴ(1998.2.28)、真ん中のHigh Chaparral、外のJoharという3頭の鍔迫り合い。これは名勝負。
そんなHigh Chaparral、種牡馬としてもその能力の高さを産駒に伝えました。以下、代表産駒と共に示すGレースのレース名および格付けは、いずれも施行当時のものです。
-
So You Think(2006.11.10)
→コックスプレート(豪GI)2回、マッキノンS(豪GI)、ヤルンバS(豪GI)、アンダーウッドS(豪GI)、愛チャンピオンS(愛GI)、プリンスオブウェールズS(英GI)、エクリプスS(英GI)、タタソールズゴールドC(愛GI)2回ほか - Shoot Out(2006.8.12)
→オーストラリアンダービー(GI)、ランドウィックギニー(豪GI)、チッピングノートンS(豪GI)2回、ジョージメインS(豪GI)ほか - Descarado(2006.10.14)
→コーフィールドC(豪GI)、コーフィールドS(豪GI)ほか - Monaco Consul(2006.10.6)
→ヴィクトリアダービー(豪GI)、スプリングチャンピオンS(豪GI) - Redwood(2006.1.29)
→ノーザンダンサーターフS(加GI)ほか - Wigmore Hall(2007.2.15)
→ノーザンダンサーターフS2回ほか - High Jinx(2008.2.4)
→カドラン賞(仏GI) - Dundeel(2009.11.18)
→オーストラリアンダービー、ランドウィックギニー、ローズヒルギニー(豪GI)、クイーンエリザベスS(豪GI)、アンダーウッドS、スプリングチャンピオンSほか。豪州では「It’s a Dundeel」として知られています - Wrote(2009.3.18)
→BCジュヴェナイルターフ(米GI) - Toronado(2010.2.20)
→サセックスS(英GI)、クイーンアンS(英GI)ほか - Contributer(2010.2.20)
→ランヴェットS(豪GI)、チッピングノートンSほか - Pondarosa Miss(2010.10.13)
→イースターH(新GI) - Free Eagle(2011.5.4)
→プリンスオブウェールズSほか - Lucky Lion(2011.2.27)
→ダルマイヤー大賞(独GI)ほか - Fenway(2011.10.10)
→ヴァイナリースタッドS(豪GI)ほか - Ace High(2014.8.31)
→ヴィクトリアダービー、スプリングチャンピオンSほか - Rekindling(2014.3.23)
→本稿の主役。メルボルンカップ、カラC(愛GII)、バリーサックスS(愛GIII)ほか
南北両半球でGI馬を多く送り込んでいますが、GI10勝の名中距離馬So You Think、シドニー秋期三冠を含むGI6勝のDundeel、GI5勝のShoot Outと、傑出馬は南半球産馬に見られます。「豪州の馬場が合う」ということでは、Rekindlingのメルボルンカップ遠征も、エイダンならぬジョセフの英断だったのでしょう。
1941年の第81回を制したSkipton(1938)以来、76年ぶりに3歳馬としてメルボルンカップを制した、Rekindling。近年は長距離レースもその価値の見直しが図られている感もあり、欧州では今年2017年から英国伝来のグッドウッドCがGIIからGIに、ロイヤルアスコット開催のクイーンズヴァーズが16Fのリステッドから14FのGIIとして再編されています。Rekindlingとは「再燃させる」という意味ですけれど、この欧州の若きステイヤーが、見る側の人間を楽しませてくれる長距離レースの持つ面白さを、正に再燃させてくれることを期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。