Orchestral(オーケストラル) 牝 鹿毛 2020.10.26生 新国・Barneswood Farm Ltd生産 馬主・C R & H J Litt 新国・Roger James & Robert Wellwood厩舎
Savabeel(AUS) 黒鹿毛 2001.9.23 種付け時活性値:0.50【18】 |
Zabeel 鹿毛 1986.10.25 |
Sir Tristram 鹿毛 1971.4.7 |
Sir Ivor 1965.5.5 |
Isolt 1961.4.24 | |||
Lady Giselle 鹿毛 1982.3.28 |
Nureyev 1977.5.2 | ||
Valderna 1972.3.31 | |||
Savannah Success 黒鹿毛 1995.9.24 |
Success Express 鹿毛 1985.2.25 |
Hold Your Peace 1969.1.24 | |
Au Printemps 1979.4.21 | |||
Alma Mater 黒鹿毛 1988.9.14 |
Semipalatinsk 1978.2.6 | ||
Sweetie 1981.9.7 | |||
Symphonic(NZ) 黒鹿毛 2012.9.20 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
O’Reilly(NZ) 黒鹿毛 1993.8.24 種付け時活性値:0.50【18】 |
ラストタイクーン 黒鹿毛 1983.5.9 |
トライマイベスト 1975.4.28 |
Mill Princess 1977.5.21 | |||
Courtza 鹿毛 1986.10.25 |
▲Pompeii Court 1977.3.19 | ||
Hunza 1970.9.24 | |||
Chorus(NZ) 鹿毛 2005.11.30 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Danasinga(AUS) 鹿毛 1991.11.3 種付け時活性値:1.25【13】 |
デインヒル 1986.3.26 | |
Princess Tracy 1981.3.2 | |||
Head of the River(GB) 鹿毛 1985.2.27 仔受胎時活性値:0.875【19.5】 |
Shirley Heights(GB) 鹿毛 1975.3.1 種付け時活性値:0.25【9】 |
||
Boathouse(GB) 鹿毛 1978.5.14 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5、Mill Reef5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Savabeel (Sir Tristram系) |
O’Reilly (トライマイベスト系) |
Danasinga (デインヒル系) |
Shirley Heights (Mill Reef系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Danasinga | 5.625 (【7】+【6】+【19.5】+【6】) |
(No. 11-d) | 2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 17 | Orchestral | 牝3 | 55 | Craig Grylls | 2:26.79 | Roger James & Robert Wellwood | 1 |
2 | 7 | Antrim Coast | せん3 | 57 | Per-Anders Graberg | 3 3/4 | Stephen Marsh | 15 |
3 | 2 | Ascend The Throne | せん3 | 57 | Opie Bosson | 短クビ | Mark Walker & Sam Bergerson | 2 |
4 | 1 | Just As Sharp | せん3 | 57 | Ryan Elliot | 2 3/4 | Team Rogerson | 3 |
5 | 3 | Interlinked | 牡3 | 57 | Sam Weatherley | 3 1/2 | Trent Busuttin & Natalie Young | 4 |
昨年2023年の第148回は馬場改修のためテラパ競馬場で行われたニュージーランドダービー。2年ぶりにエラズリー競馬場に戻って来た2024年の第149回を制したのは紅一点、出走17頭中唯1頭の牝馬だったOrchestral。道中後方4、5番手の外側に位置するとじっと待機し、残り1000mあたりからじわっと徐々に進出。エラズリー芝の直線382mでは大外ぶん回しでも「力が違う」とばかりに鋭進。鞍上のクレイグ・グリルス騎手の激励に応えると、メンバー中最速の上がり600m35秒61の末脚で最後は2着のAntrim Coast(2020.8.25)-ロックドゥカンブ(2004.9.29)の仔-に3と4分の3馬身差を着けたところがゴールポスト。Orchestral、「完勝」という内容で牡馬、せん馬相手のニュージーランドダービーを見事に制しました。
Orchestralは2024年1月のプケコヘパーク芝1600mのバーフット&トンプソン1600、同月のエラズリー芝1600mのカラカミリオン3歳クラシック(新L)、2月のエラズリー芝2100mのアヴォンデールギニー(新GII)、そして3月のエラズリー芝2400mのニュージーランドダービーと今年に入ってから4連勝。それぞれ2馬身半差、3馬身半差、4馬身差、3と4分の3馬身差と2着以降を突き放しての勝利であり強いところを見せ続けています。
さて、1973年の新国におけるクラシックレースの再編成後に、ニュージーランドダービーを制した牝馬を確認してみますと、
- Our Flight(1979.10.25)
- Tidal Light(1983.10.27)
- Popsy(1990.10.7)
- Silent Achiever(2008.9.18)
- Habibi(2009.9.4)
- Orchestral(2020.10.26)
Orchestralは6頭目の達成馬となりました。やはりそうそう容易に果たせるものではありません。馬場状態などの違いはありますが、Orchestralがエラズリー芝2400mで刻んだ2分26秒79は6頭の中では最速の勝ち時計でした。なお、21世紀に入ってからのニュージーランドダービーでは2020年の第145回を制したSherwood Forest(2016.9.1)の2分26秒77が最速の勝ち時計であり、Orchestralの2分26秒79は2番目に速い勝ち時計でした。また、21世紀に入ってから最初に牝馬制覇を果たしたSilent AchieverはOrchestralの母父であるO’Reillyの仔であり、Silent Achieverに続いて2年連続の牝馬勝利を飾ったHabibiはステイゴールド(1994.3.24)が2001年の香港ヴァーズ(GI)を制した際に2着だったEkraar(1997.2.13)の仔です。
#上のリストで挙げたニュージーランドダービーを制した牝馬6頭のうちTidal Light、Silent Achiever、そしてOrchestralと3頭が共同名義も含めてロジャー・ジェームス調教師の管理馬です。ジェームス師は他にもRoysyn(1992.10.24)、Zonda(1994.12.5)、Hades(1996.11.7)でも勝利を収められており、1973年以降の現行のニュージーランドダービーでは最多となる調教師として6勝を挙げられています。
新国のクラシックディスタンス強者の名牝と言いましたら、日本人はどうしてもHorlicks(1983.10.7)を思い浮かべる訳です。Orchestral、新国の競馬殿堂入りしている先達に負けない活躍を見せて、21世紀の名牝として名を馳せて欲しいものです。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。