年度代表馬の同期生を辿る(其の拾参)-ヒシアマゾン(1991.3.26)-

Series

ヒシアマゾン 牝 黒鹿毛 1991.3.26生~2019.4.15没 米国・Masaichiro Abe生産 馬主・阿部雅一郎氏 美浦・中野隆良厩舎

ヒシアマゾン(1991.3.26)の4代血統表

Theatrical
鹿毛 1982.3.13
種付け時活性値:0.00【8】
Nureyev
鹿毛 1977.5.2
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Special
鹿毛 1969.3.28
Forli 1963.8.10
Thong 1964.4.23
ツリーオブノレッジ
鹿毛 1977.3.2
Sassafras
鹿毛 1967.2.19
Sheshoon 1956
Ruta 1960
Sensibility
鹿毛 1971
Hail to Reason 1958.4.18
Pange 1955
Katies
黒鹿毛 1981.4.22
仔受胎時活性値:0.25【9】
ノノアルコ
鹿毛 1971.4.6
種付け時活性値:0.25【9】
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco 1935.1.24
Lady Angela 1944
Seximee
栗毛 1966.5.27
Hasty Road 1951
Jambo 1959.3.15
Mortefontaine
鹿毛 1969.4.21
仔受胎時活性値:0.25【9】
ポリツク
黒鹿毛 1953.2.14
種付け時活性値:1.75【15】
Relic 1945
Polaire 1947
Brabantia
黒鹿毛 1953
仔受胎時活性値:1.75【15】
Honeyway
黒鹿毛 1941
種付け時活性値:0.75【11】
Porthaven
鹿毛 1943
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:Nearctic4×3>

ヒシアマゾン(1991.3.26)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
★Theatrical
(Nureyev系)
ノノアルコ
(Nearctic系)
ポリツク
(Relic系)
Honeyway
(Fairway系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ポリツク
(Mafubah)
3.00
(【9】+【11】+【15】+【9】)
母が愛1000ギニー馬
(No. 7-f)
5番仔
(5連産目)

*

1993年の第45回阪神3歳牝馬S(GI。阪神芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 3 ヒシアマゾン 牝2 中舘 英二 1:35.9 レコード 中野 隆良 2
2 8 ローブモンタント 牝2 M.キネーン 1:36.7 5 飯田 明弘 9
3 4 ケイアイメロディー 牝2 熊沢 重文 1:36.7 ハナ 田中 章博 4
4 5 ツルマルガール 牝2 藤田 伸二 1:36.8 クビ 橋口 弘次郎 6
5 11 エイシンバーモント 牝2 南井 克巳 1:36.9 3/4 坂口 正則 5
1993年の第45回阪神3歳牝馬S(GI。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 10.8 – 11.3 – 12.6 – 12.1 – 12.2 – 12.1 – 12.2
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.4 – 34.7 – 47.3 – 59.4 – 1:11.6 – 1:23.7 – 1:35.9
上り 4F 48.6 – 3F 36.5

1993年の第45回阪神3歳牝馬S。ヒシアマゾン、この阪神3歳牝馬Sは先行策から早めに抜け出し5馬身差圧勝。勝ち時計の1分35秒9はレコードタイム。鞍上の中館英二騎手はGIレース初制覇でした。

*

1994年の第29回デイリー杯クイーンC(GIII。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 ヒシアマゾン 牝3 55 中舘英二 1:35.3 3-4 35.9 474
[+4]
中野隆良 1
2 5 エイシンバーモント 牝3 53 南井克巳 1:35.4 クビ 9-6 35.6 430
[0]
坂口正則 3
3 7 タックスヘイブン 牝3 53 小島貞博 1:35.5 1/2 3-4 36.0 442
[0]
鶴留明雄 2
4 3 プリオルガール 牝3 53 横山典弘 1:36.0 3 12-11 35.9 454
[+4]
小林常泰 10
5 4 オンワードノーブル 牝3 53 杉浦宏昭 1:36.1 1/2 6-6 36.5 450
[-2]
二本柳俊夫 4
1994年の第29回デイリー杯クイーンC(GIII。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.1 – 11.3 – 11.8 – 12.5 – 12.2 – 11.9 – 11.9
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.7 – 35.0 – 46.8 – 59.3 – 1:11.5 – 1:23.4 – 1:35.3
上り 4F 48.5 – 3F 36.0

*

1994年の第8回クリスタルC(GIII。中山芝1200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 6 ヒシアマゾン 牝3 53 中舘英二 1:08.5 8-7 34.7 474
[0]
中野隆良 1
2 8 タイキウルフ 牡3 55 岡部幸雄 1:08.7 1 1-1 35.4 518
[+2]
藤沢和雄 4
3 7 フィールドボンバー 牡3 55 柴田善臣 1:09.1 2.1/2 11-11 34.9 448
[0]
山内研二 2
4 9 ファイヴナカヤマ 牡3 55 吉永護 1:09.5 2.1/2 2-2 36.0 498
[0]
吉永正人 7
5 3 バンブーユージン 牡3 55 植野貴也 1:09.5 クビ 7-3 35.8 480
[0]
梅内忍 8
1994年の第8回クリスタルC(GIII。中山芝1200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.0 – 10.4 – 10.9 – 11.4 – 12.0 – 11.8
ラップの
累計タイム
12.0 – 22.4 – 33.3 – 44.7 – 56.7 – 1:08.5
上り 4F 46.1 – 3F 35.2

このクリスタルCは、いつ見ても驚きのレースですね。普通ならば逃げたタイキウルフ(1991.3.6)、勝っていましたよ。ゴール前で尋常ならざる末脚を見せた馬が1頭。決勝点ではあっという間に1馬身差を着けていたヒシアマゾン、正に鬼脚(!!)

*

1994年の第12回NZT4歳S(GII。東京芝1600m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 4 ヒシアマゾン 牝3 54 中舘英二 1:35.8 5-2 34.3 464
[-10]
中野隆良 1
2 6 マチカネアレグロ 牡3 56 岡部幸雄 1:35.9 1/2 3-2 34.4 456
[0]
浅見秀一 5
3 8 ビコーペガサス 牡3 56 上村洋行 1:35.9 クビ 5-5 34.2 426
[+4]
柳田次男 2
4 7 トラストカンカン 牡3 56 江田照男 1:36.5 3.1/2 8-5 34.8 458
[0]
河野通文 6
5 2 ファイヴナカヤマ 牡3 56 小野次郎 1:36.9 2.1/2 3-2 35.4 500
[-4]
吉永正人 7
1994年の第12回NZT4歳S(GII。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.0 – 11.5 – 12.1 – 12.3 – 12.5 – 11.9 – 11.0 – 11.5
ラップの
累計タイム
13.0 – 24.5 – 36.6 – 48.9 – 1:01.4 – 1:13.3 – 1:24.3 – 1:35.8
上り 4F 46.9 – 3F 34.4

*

1994年の第42回クイーンS(GIII。中山芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 7 ヒシアマゾン 牝3 54 中舘英二 2:02.9 10-9-3-2 35.8 478
[+14]
中野隆良 1
2 3 ジョウノバタフライ 牝3 54 蛯名正義 2:03.1 1.1/2 2-3-3-4 36.0 430
[+4]
森秀行 6
3 4 マイネマジック 牝3 54 加藤和宏 2:03.2 1/2 4-5-6-6 35.8 476
[-8]
小西一男 2
4 2 リキサンフラッシュ 牝3 54 横山典弘 2:03.4 1.1/2 8-8-10-9 35.8 440
[0]
畠山重則 5
5 10 ケイアイユリカゴ 牝3 54 A.ムンロ 2:03.5 1/2 4-4-5-5 36.2 452
[-4]
久恒久夫 4
1994年の第42回クイーンS(GIII。中山芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.7 – 11.9 – 13.1 – 12.6 – 12.3 – 12.2 – 12.1 – 11.9 – 12.1 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.7 – 24.6 – 37.7 – 50.3 – 1:02.6 – 1:14.8 – 1:26.9 – 1:38.8 – 1:50.9 – 2:02.9
上り 4F 48.1 – 3F 36.0

*

1994年の第12回関西テレビ放送賞ローズS(GII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ヒシアマゾン 牝3 55 中舘英二 2:00.0 12-9-4-2 35.3 480
[+2]
中野隆良 1
2 2 アグネスパレード 牝3 55 河内洋 2:00.2 1 3-4-4-2 35.5 476
[-6]
長浜博之 6
3 3 ゴールデンジャック 牝3 55 四位洋文 2:00.7 3 5-6-8-6 35.9 452
[-2]
北橋修二 2
4 14 テンザンユタカ 牝3 55 松永昌博 2:01.0 1.3/4 1-1-1-1 36.6 446
[+6]
松永善晴 5
5 7 ヤマニンリコール 牝3 55 山田和広 2:01.0 アタマ 15-15-8-6 36.1 432
[-4]
坪正直 12
1994年の第12回関西テレビ放送賞ローズS(GII。阪神芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 10.7 – 12.4 – 12.2 – 12.2 – 12.6 – 11.7 – 11.7 – 11.8 – 12.1
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.3 – 35.7 – 47.9 – 1:00.1 – 1:12.7 – 1:24.4 – 1:36.1 – 1:47.9 – 1:60.0
上り 4F 47.3 – 3F 35.6

*

1994年の第19回エリザベス女王杯(GI。京都芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 6 ヒシアマゾン 牝3 中舘 英二 2:24.3 中野 隆良 1
2 17 チョウカイキャロル 牝3 小島 貞博 2:24.3 ハナ 鶴留 明雄 2
3 16 アグネスパレード 牝3 河内 洋 2:24.4 クビ 長浜 博之 4
4 10 メモリージャスパー 牝3 角田 晃一 2:24.7 2 渡辺 栄 7
5 8 ゴールデンジャック 牝3 四位 洋文 2:25.3 3・1/2 北橋 修二 3
1994年の第19回エリザベス女王杯(GI。京都芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.7 – 10.8 – 11.2 – 11.8 – 11.6 – 11.8 – 12.2 – 12.6 – 12.5 – 12.6 – 12.2 – 12.3
ラップの
累計タイム
12.7 – 23.5 – 34.7 – 46.5 – 58.1 – 1:09.9 – 1:22.1 – 1:34.7 – 1:47.2 – 1:59.8 – 2:12.0 – 2:24.3
上り 4F 49.6 – 3F 37.1

1994年の第19回エリザベス女王杯。ヒシアマゾンとチョウカイキャロル(1991.3.26)。おなじ1991年3月26日生まれの2頭の名牝に、第55回優駿牝馬(GI)3着のアグネスパレード(1991.5.9)を加えた3頭による、直線火の出るような叩き合い。

「ハナ」「クビ」差の大接戦を制したのは、黒鹿毛の外国産馬ヒシアマゾンでした。勝ち時計2分24秒3は前年のホクトベガ(1990.3.26)の記録を破るレース・レコードタイムでした。

*

1995年の第41回産経賞オールカマー(GII。中山芝2200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 2 ヒシアマゾン 牝4 57 中舘英二 2:16.3 8-8-2-2 34.9 480
[0]
中野隆良 1
2 9 アイリッシュダンス 牝5 55 橋本広喜 2:16.4 クビ 8-8-7-4 34.7 480
[-4]
栗田博憲 2
3 4 カミノマジック 牡4 57 菊沢隆仁 2:17.0 3.1/2 10-10-10-10 35.0 440
[0]
工藤嘉見 7
4 7 インターマイウェイ 牡5 58 藤田伸二 2:17.0 アタマ 4-4-4-4 35.4 462
[-4]
中村均 6
5 8 テンジンショウグン 牡5 57 江田照男 2:17.0 クビ 5-4-2-2 35.5 484
[-6]
矢野照正 10
1995年の第41回産経賞オールカマー(GII。中山芝2200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.0 – 12.0 – 13.5 – 13.5 – 13.2 – 12.5 – 11.8 – 11.8 – 11.8 – 11.8 – 11.4
ラップの
累計タイム
13.0 – 25.0 – 38.5 – 52.0 – 1:05.2 – 1:17.7 – 1:29.5 – 1:41.3 – 1:53.1 – 2:04.9 – 2:16.3
上り 4F 46.8 – 3F 35.0

出走10頭中2頭だけだった牝馬によるワンツーフィニッシュ。ヒシアマゾンに「クビ」差まで迫ったのは、後にハーツクライ(2001.4.15)の母となるアイリッシュダンス(1990.3.26)。……自動書記的にアイリッシュダンスの誕生日を記載したのですが、振り返ればこのオールカマーも3月26日生まれどうしの1着2着。

*

1995年の第30回京都大賞典(GII。京都芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ヒシアマゾン 牝4 57 中舘英二 2:25.3 13-13-11-11 34.6 484
[+4]
中野隆良 1
2 13 タマモハイウェイ 牡5 57 四位洋文 2:25.7 2.1/2 8-8-7-1 35.4 462
[0]
吉永忍 10
3 4 カミノマジック 牡4 57 菊沢隆仁 2:25.7 ハナ 5-5-4-6 35.2 440
[0]
工藤嘉見 7
4 3 ダイゴウソウル 牡5 57 大崎昭一 2:25.8 クビ 3-3-4-6 35.2 498
[-6]
佐藤林次郎 11
5 6 ゴーゴーゼット 牡4 58 村本善之 2:25.8 クビ 10-10-12-12 34.7 420
[-2]
新井仁 9
1995年の第30回京都大賞典(GII。京都芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8 – 11.3 – 11.4 – 12.1 – 12.1 – 12.3 – 12.9 – 12.6 – 12.6 – 12.6 – 11.2 – 11.4
ラップの
累計タイム
12.8 – 24.1 – 35.5 – 47.6 – 59.7 – 1:12.0 – 1:24.9 – 1:37.5 – 1:50.1 – 2:02.7 – 2:13.9 – 2:25.3
上り 4F 47.8 – 3F 35.2

*

ヒシアマゾンは現年齢表記3歳のエリザベス女王杯の次のレースに年末の大一番、第39回有馬記念(GI)を選びました。単勝6番人気でしたがナリタブライアン(1991.5.3)の2着に頑張り、デビュー以来の12戦連続連対で3歳を終えたヒシアマゾンは、最優秀3歳牝馬に選ばれました。

JRA賞年度代表馬を辿る(其の捌)-ナリタブライアン(1991.5.3)-
ナリタブライアン 牡 黒鹿毛 1991.5.3生~1998.9.27没 新冠・早田牧場新冠支場生産 馬主・山路秀則氏 栗東・大久保正陽厩舎

現年齢表記4歳時の1995年。陣営は、4歳春の目標をヒシアマゾンの生まれ故郷である米国のGI戦、サンタアナH(米GI)に定めました。が、「左前脚球節の捻挫」により、残念ながら出走がなりませんでした。失意のままに帰国した影響があったのでしょうか、4歳緒戦となった7月の高松宮杯(GII)では、初めて連対を外す5着に敗れてしまいました。しかし、ヒシアマゾンは立ち直り、続くオールカマー、京都大賞典とGIIを連勝。そして、ナリタブライアンが右股関節炎で苦しんでいる中、日本の「エース」として第15回ジャパンカップ(GI)に出走。結果はランド(1990.1.23)の2着でしたが、十二分な激走であったと思います。次走の第40回有馬記念は1番人気でマヤノトップガン(1992.3.24)の5着に敗れましたが、ヒシアマゾンは最優秀4歳以上牝馬に選出され、3年連続でJRA賞を受賞しました。

JRA賞年度代表馬を辿る(其の玖)-マヤノトップガン(1992.3.24)-
マヤノトップガン 牡 栗毛 1992.3.24生~2019.11.3没 新冠・川上悦夫氏生産 馬主・田所祐氏 栗東・坂口正大厩舎

現年齢表記5歳時の1996年。馬体調整後、5ヶ月ぶりのぶっつけで挑んだ第46回安田記念(GI)で、ヒシアマゾンは生涯唯一の2ケタ着順である10着に敗れてしまいました。その後、ツメの不安で再び休養。「もう、ヒシアマゾンの強いところは見られないのでは」と思っていたところ、古馬に開放された初回となる第21回エリザベス女王杯で、ヒシアマゾンは往時の末脚を見せてくれました。同厩舎のもう1頭の名牝、生まれ日が同じ3月26日であるホクトベガとの初めての揃い踏みが嬉しかったのでしょうか、レース発走時ゲートの下にもぐり込み、外枠発走となったヒシアマゾン。それでも、ダンスパートナー(1992.5.25)の2着に「入線」しました-他馬への進路妨害で7着降着になりましたが-。次走、3年連続で出走となった第41回有馬記念でサクラローレル(1991.5.8)の5着となり、グランプリ3年連続掲示板確保を残して、ヒシアマゾンはターフを去って行きました。

JRA賞年度代表馬を辿る(其の拾)-サクラローレル(1991.5.8)-
サクラローレル 牡 栃栗毛 1991.5.8生 静内・谷岡牧場生産 馬主・(株)さくらコマース 美浦・境勝太郎厩舎→美浦・小島太厩舎

真っ黒で迫力あるその馬体、舶来、名前、レースっぷりから男勝りなイメージを持たれがちなヒシアマゾンですが、私には高貴で女性的なイメージが残ります。何故だか、そうなのです。出自が「母が愛1000ギニー馬」という良家のお嬢様だからでしょうか。見れば、愛らしい顔立ち、黒鹿毛は気品にあふれていました。

ヒシアマゾン、1990年代を代表する、本当の名牝の1頭でした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[ヒシアマゾン(1991.3.26)の主な競走成績]

  1. エリザベス女王杯(GI)、阪神3歳牝馬S(GI)、京都大賞典(GII)、オールカマー(GII)、ローズS(GII)、ニュージーランドT4歳S(GII)、クイーンS(GIII)、クリスタルC(GIII)、クイーンC(GIII)
  2. ジャパンカップ(GI)、有馬記念(GI)、京成杯3歳S(GII)、京成杯(GIII)

通算20戦10勝、2着5回。

#2017年03月15日(水)初出、2023年02月23日(木)記事改め。2023年12月09日(土)記事再改め。

 

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