山内研二調教師と四位洋文騎手の引退に寄せて-イシノサンデー(1993.5.29)-

Pedigree

イシノサンデー 牡 栗毛 1993.5.29生~2024.8.18没 静内・服部和則氏生産 馬主・(株)イシノ→(株)イシジマ 栗東・山内研二厩舎

イシノサンデー(1993.5.29)の4代血統表
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.50

Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Cosmah
鹿毛 1953.4.4
★Cosmic Bomb 1944
Almahmoud 1947.5.18
Wishing Well
鹿毛 1975.4.12
Understanding
栗毛 1963.2.17
★Promised Land 1954.3.31
Pretty Ways 1953.3.21
Mountain Flower
鹿毛 1964.3.23
Montparnasse 1956
Edelweiss 1959.2.15
ジェフォリー
栗毛 1987.4.30
仔受胎時活性値:1.25
Alydar
栗毛 1975.3.23
種付け時活性値:0.75
Raise a Native
栗毛 1961.4.18
Native Dancer 1950.3.27
Raise You 1946
Sweet Tooth
鹿毛 1965.4.17
★On-and-On 1956.4.24
Plum Cake 1958.4.11
Jeffo
栗毛 1971.4.5
仔受胎時活性値:1.75
Ridan
鹿毛 1959.2.21
種付け時活性値:0.75
Nantallah 1953.3.5
Rough Shod 1944
Silver Service
栗毛 1960.4.15
仔受胎時活性値:0.50
Prince John
栗毛 1953.4.6
種付け時活性値:1.50
En Casserole
栗毛 1952
仔受胎時活性値:1.75

<5代血統表内のクロス:Nasrullah5×5(母方)>

イシノサンデー(1993.5.29)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サンデーサイレンス
(Halo系)
Alydar
(Raise a Native系)
Ridan
(Nasrullah系)
Prince John
(Princequillo系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サンデーサイレンス 5.25 Alyshebaと同牝系
(No.20)
2番仔
(2連産目)

*

1996年の第56回皐月賞(GI。中山芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 5 イシノサンデー 牡3 四位 洋文 2:00.7 山内 研二 4
2 6 ロイヤルタッチ 牡3 南井 克巳 2:00.8 3/4 伊藤 雄二 1
3 8 メイショウジェニエ 牡3 河内 洋 2:01.1 2 高橋 直 9
4 16 ミナモトマリノス 牡3 田中 勝春 2:01.3 1・1/2 浅野 洋一郎 3
5 3 ダンディコマンド 牡3 村本 善之 2:01.6 1・3/4 福島 信晴 6
1996年の第56回皐月賞(GI。中山芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.2 – 11.0 – 11.2 – 12.3 – 12.5 – 12.6 – 12.8 – 12.2 – 11.9 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.2 – 23.2 – 34.4 – 46.7 – 59.2 – 1:11.8 – 1:24.6 – 1:36.8 – 1:48.7 – 2:00.7
上り 4F 48.9 – 3F 36.1

弥生賞(GII)を勝った大器ダンスインザダーク(1993.6.5)、スプリングS(GII)を制した2歳王者バブルガムフェロー(1993.4.11)と、2頭の主役候補が居なくなっても、結局は、サンデーサイレンスの仔どうしのワンツーフィニッシュ。「サンデーサイレンス四天王」の2頭が居ずとも、残った2頭がキッチリと役目を果たしました。

そしてまた、勝利を収めたイシノサンデーが栗毛でビックリ。この皐月賞までは、サンデーサイレンスの仔は、鹿毛系の、どちらかと言うとサンデーサイレンス自身に似た黒っぽい馬がよくよく走っていた印象だったのです。

ところがどっこい、毛色に関わりなく走ることを改めて知らしめた、サンデーサイレンスが真に革命的な種牡馬として認知されたレースが、第56回皐月賞だったように思います。

なお、この皐月賞が、当時デビュー6年目の若武者、四位洋文騎手のGI初勝利でした。彼はね、自厩舎、古川平厩舎の所属だったグレートリーフ(1989.5.6)が岸滋彦騎手(現調教助手)の騎乗で勝利を収めた時、ウィナーズサークルにてその馬装を正した上で、「よくやったね」と、クビ筋を撫でて褒め称えるような、優しい馬乗りなんですよ。月刊『優駿』の1993年7月号か9月号の「ゆうしゅんひろば」に、そんな彼の姿を捉えたファンの記事が載っています。……むぅ、なんという、懐かしい記憶(^^ゞ

あとですね、古川厩舎のマンボツイスト(1995.1.24)で2001年の平安S(GIII)を勝った折のこと。勝ち戻った際、「やったぁ」と本当に嬉しそうだった、四位騎手。師に恩返しが出来た時の弟子の姿は、良いものです。

*

第11回 ダービーグランプリ◆H08(1996/11/23)
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1996年の第11回ダービーグランプリの結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 馬体重
[前走比]
調教師
1 4 イシノサンデー 牡3 56 石崎隆之 2:06.9 471
[+9]
山内研二 2
2 8 ユーコーマイケル 牡3 56 水野貴広 2:07.2 1.1/2 444
[+10]
古賀一隆 4
3 1 シンコウウインディ 牡3 56 田中勝春 2:07.9 4 495
[-6]
田中清隆 1
4 7 ウエストサンボーイ 牡3 56 菅原勲 2:07.9 クビ 470
[-4]
千葉博 6
5 9 チアズサイレンス 牡3 56 小林俊彦 2:08.1 1 477
[+7]
山内研二 3

大井のスーパーダートダービー3着から挑んだ盛岡のダービーグランプリ。前走の二の轍は踏まないとばかりに、鮮やかに勝利を収めました。この満3歳秋の砂の2戦で鞍上を務めたのは、南関東の名手、石崎隆之。中央のクラシックホースに地方の雄が跨るという、その組み合わせもさることながら、皐月賞馬が結果として菊花賞(GI)や天皇賞・秋(GI)に向かわなかったところに、新時代の幕開けのひとつを感じたものです。

*

1997年の第35回京都金杯(GIII)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 上り
3F
馬体重
[前走比]
調教師
1 1 イシノサンデー 牡4 57.5 四位洋文 2:02.3 35.8 480
[+9]
山内研二 3
2 3 ユウトウセイ 牡7 57 塩村克己 2:02.6 2 36.4 462
[+6]
田中章博 1
3 11 シロキタクロス 牡4 55 角田晃一 2:02.8 1.1/2 36.2 504
[+6]
加藤敬二 7
4 2 セイントリファール 牡4 55 武豊 2:02.8 ハナ 36.1 450
[+6]
大久保正陽 5
5 13 メジロスズマル せん6 54 福永祐一 2:02.8 ハナ 36.7 462
[+2]
大久保正陽 4

雨中の薄曇りの一戦、トップハンデ57.5kgものかは、「実は冠名『ユウ』+闘星」のユウトウセイ(1990.5.31)を2馬身離しての勝利で、皐月賞馬の貫禄を見せたイシノサンデー。サスガの一言でした。

*

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このお二方の引退となると、やはり、イシノサンデーを思い起こします。

栗毛の四白流星、山内家の「丸三葉柏紋」の家紋をあしらったピンクのメンコ、そして「水色、黄一本輪、赤袖」の勝負服。

その馬人のいでたちから、ターフにも、ダートにも映えた、イシノサンデー。

その特異な戦績と、自身の持つアメリカンな血がなせる技でしょうか、フロンティアスピリットを感じさせてくれた馬でした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[イシノサンデー(1993.5.29)の主な競走成績]

  1. 皐月賞(GI)、京都金杯(GIII)、ダービーグランプリ
  2. 京都記念(GII)、ラジオたんぱ杯3歳S(GIII)
  3. 産経大阪杯(GII)、弥生賞(GII)、スーパーダートダービー

通算22戦6勝、2着2回、3着4回。

#2020年03月02日(月)初出、2024年08月20日(火)記事改め。

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