The Minstrel(1974.3.11)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.5)-

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The Minstrel(ザミンストレル) 牡 栗毛 1974.3.11生~1990.9.3没 加国・E. P. Taylor生産 馬主・Robert Sangster 愛国・Vincent O’Brien厩舎

The Minstrel(1974.3.11)の4代血統表
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
種付け時活性値:1.00【12】
Nearctic
黒鹿毛 1954.2.11
Nearco
黒鹿毛 1935.1.24
Pharos 1920.4.4
Nogara 1928
Lady Angela
栗毛 1944
Hyperion 1930.4.18
Sister Sarah 1930
Natalma
鹿毛 1957.3.26
Native Dancer
芦毛 1950.3.27
Polynesian 1942.3.8
Geisha 1943
Almahmoud
栗毛 1947.5.18
Mahmoud 1933
Arbitrator 1937
Fleur
鹿毛 1964.4.1
仔受胎時活性値:0.25【9】
Victoria Park
鹿毛 1957.5.10
種付け時活性値:1.50【6】
★Chop Chop
黒鹿毛 1940
Flares 1933
Sceptical 1922
Victoriana
鹿毛 1952
★Windfields 1943
Iribelle 1942
Flaming Page
鹿毛 1959.4.24
仔受胎時活性値:1.00【4】
Bull Page
黒鹿毛 1947
種付け時活性値:0.75【11】
Bull Lea 1935.3.11
Our Page 1940
Flaring Top
栗毛 1947
仔受胎時活性値:0.75【11】
Menow
黒鹿毛 1935.5.19
種付け時活性値:0.75【11】
Flaming Top
栗毛 1941
仔受胎時活性値:1.25【5】

<5代血統表内のクロス:なし>

The Minstrel(1974.3.11)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Northern Dancer
(Nearctic系)
Victoria Park
(Teddy系)
Bull Page
(Teddy系)
Menow
(Pharamond系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Victoria Park 3.25 叔父Nijinsky
(No. 8-f)
5番仔?
(4連産目?)

*

1977年の第198回英ダービー(GI。エプソムダウンズ芝12F)の結果(上位5頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 The Minstrel 牡3 57.2 Lester Piggott 2:36.44 Vincent O’Brien 2
2 Hot Grove 牡3 57.2 William Carson クビ R. F. Johnson Houghton 5
3 Blushing Groom 牡3 57.2 Henri Samani 5 Francois Mathet 1
4 Monseigneur 牡3 57.2 Philip Paquet 3 Francois Boutin 6
5 Nebbiolo 牡3 57.2 G Curran  K. Prendergast 3

*

1977年の第112回愛ダービー(GI。カラ芝12F)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 The Minstrel 牡3 57.2 L. Piggott 2:32.00 Vincent O’Brien 1
2 ラッキーソブリン 牡3 57.2 F. Durr 1 1/2 H. Wragg 
3 Classic Example 牡3 57.2 P. Eddery  P. T. Walwyn 

*

1977年の第27回”キング・ジョージ”(英GI。アスコット芝12F)の結果(上位3頭)

馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 The Minstrel 牡3 54.4 L. Piggott 2:30.48 Vincent O’Brien 1
2 Orange Bay 牡5 60.3 P. Eddery 短アタマ P. T. Walwyn 
3 Exceller 牡4 60.3 Freddy Head  Francois Mathet 

*

The Minstrel。吟遊詩人が奏で歌うは高らかな勝鬨だったのでしょうか。某競走馬育成シミュレーションゲームではザミンストレルのインブリード効果は「底力ダウン」となっていますが、The Minstrel自身が勝利を収めた大レースでは「目にも見よ」と言わんがばかりに勝負強さを見せて栄冠を勝ち得ています。栗毛の流星に炎の闘志を宿したThe Minstrel、サスガはNijinsky(1967.2.21)の甥。またThe Minstrelは「父Northern Dancer×母父Victoria Park」という組み合わせより、我が国の名種牡馬となったノーザンテースト(1971.3.15)とも類似の配合。

Nijinsky(1967.2.21)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.2)-
Nijinsky(ニジンスキー) 牡 鹿毛 1967.2.21生~1992.4.15没 加国・Edward P.Taylor生産 馬主・Charles W. Engelhard Jr. 愛国・Vincent O'Brien厩舎
ノーザンテースト(1971.3.15)-北の踊り子とその子孫を辿る(No.4)-
ノーザンテースト(Northern Taste) 牡 栗毛 1971.3.15生~2004.12.11没 加国・E. P. Taylor生産 馬主・吉田善哉氏 仏国・John Cunnington, Jr.厩舎

叔父の種牡馬としての成功から、The Minstrelにも当然種牡馬として期待が掛かりました。そんなThe Minstrelの代表産駒を確認しておきますと、

  1. L’Emigrant(1980.4.26)
    →仏2000ギニー(GI)、リュパン賞(仏GI)ほか。道新杯(OP)勝ち馬ケイワン(1988.3.10)の父。ケイワンはその馬名から出光ケイさんがいつも気にされていたように思います
  2. パレスミュージック(1981.4.12)
    →英チャンピオンS(GI)、ジョンヘンリーH(米GI)ほか。Cigar(1980.4.18)★、Naturalism(1988.10.19)等の父
  3. Treizieme(1981.3.10)
    →仏グランクリテリウム(GI)ほか。牝馬
  4. Bakharoff(1983.2.12)★
    →英フューチュリティS(GI)ほか。新ダービー(GI)馬Roysyn(1992.10.24)▲の父
  5. シルヴアーヴオイス(1983.3.8)★
    →マンハッタンH(米GI)ほか。クラスターC(統一GIII)勝ち馬トシヴォイス(1991.4.29)の父
  6. Minstrella(1984.3.22)
    →チェヴァリーパークS(英GI)、フィーニクスS(愛GI)、モイグレアスタッドS(愛GI)ほか。牝馬。仔に米Gレース勝ち馬2頭
  7. Melodist(1985.3.5)
    →愛オークス(GI)、伊オークス(GI)ほか。牝馬
  8. Silver Fling(1985.4.16)
    →アベイドロンシャン賞(仏GI)ほか。牝馬
  9. Minstrel’s Lassie(1985.2.19)
    →セリマS(米GI)。牝馬
  10. Musical Bliss(1986.2.25)
    →英1000ギニー(GI)ほか。牝馬
  11. Opening Verse(1986.5.2)
    →ブリーダーズカップ・マイル(米GI)、オークローンH(米GI)ほか。フラワーボウル招待H(米GI)の勝ち馬Colstar(1996.4.3)の父

11頭のGI勝ち産駒の内訳を見れば牡馬5頭、牝馬6頭と僅かではありますが牝馬優勢の仔出し。産駒で最も多くGIを制したのは、2歳GIを3勝のMinstrella。彼女の活躍が大きく寄与した結果、The Minstrelは1986年の英愛2歳首位種牡馬に輝きました。

さて、上述の代表産駒の系譜からThe Minstrelの名前を最も意識したのは、やはりNaturalismとCigarのパレスミュージック産駒2頭。前者は第12回ジャパンカップ(GI)でのトウカイテイオー(1988.4.20)との叩き合い、後者は1990年代中期を飾る米国のスーパーホースですね。

SS以降のエクリプス賞年度代表馬を辿る(其の漆)-Cigar(1990.4.18)-
Cigar(シガー) 牡 鹿毛 1990.4.18生~2014.10.7没 米国・Allen E. Paulson生産 馬主・Allen E. Paulson 米国・Alex Hassinger, Jr.厩舎→William I. Mott厩舎

Cigarに生殖能力があれば、、、はタラレバですね^^;

ニシノエトランゼ(1979.3.20)の半弟としても知られるパレスミュージックが日本で種牡馬繋養された1996年、1997年の2年間で輩出した産駒の中にシルキードルチェ(1998.3.6)という牝馬がいました。個人的な思い出となりますが、シルキードルチェはWEBで知遇を得た方が一口馬主で所有されるということで0の理論的な考察を行った馬でした。シルキードルチェは3歳8月に小倉芝2000mの未勝利戦を勝ち上がると、連闘で挑んだ小倉芝1800mの西海賞も制して、10月には秋華賞(GI)にも出走しました。馬体重400kg前後の小さな馬でしたが、左後一白の栗毛の流星、その馬相が良かったことを今でも思い出します。秋華賞ではペーパーオーナーゲームで指名していたサクセスストレイン(1998.4.9)との馬券を購入したのも懐かしい^^;

近年The Minstrelを意識したのは、主に短距離の活躍馬を輩出する種牡馬として鳴らしたプルラリズム(1980.4.9)の血を持つ馬の活躍によるもの。ゴールドシップ(2009.3.6)。彼の祖母父がプルラリズムであり、プルラリズムの父がThe Minstrelですね。名馬の血を母方から支えるのも重要な役目です。母方から支えるということでは、The Minstrelのブルードメアサイアーとしての代表産駒にはShirocco(2001.4.10)がいます。Shiroccoはブリーダーズカップ・ターフ(米GI)、コロネーションC(英GI)、独ダービー(GI)、ジョッキークラブ大賞(伊GI)とGI4勝の名馬。0の理論的には、The MinstrelはShiroccoの母So Sedulous(1991.4.17)に16歳時交配のミニモの遺伝を与えています。また国内で走った馬では、ジャンプ重賞3勝でダート中距離の平地戦でも「勝つ時は圧勝」を見せたロードプリヴェイル(1998.4.21)の母父がThe Minstrelでした。ロードプリヴェイルは、馬場改修前の中京競馬場におけるダート1700mのコースレコード1分42秒9を保持していました。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[The Minstrel(1974.3.11)の主な競走成績]

  1. 英ダービー(GI)、愛ダービー(GI)、”キング・ジョージ”(英GI)、デューハーストS(英GI)、アスコット2000ギニートライアル(英GIII)、ラークスパーS(愛GIII)
  2. 愛2000ギニー(GI)
  3. 英2000ギニー(GI)

通算9戦7勝、2着1回、3着1回。

#余談。The Minstrelの2度の敗戦は英2000ギニーがNebbiolo(1974.2.2)、愛2000ギニーがPampapaul(1974.3.24)が勝ち馬ですが、2頭は共に父にイエローゴッド(1967.3.21)を持っています。イエローゴッドと言えば、The Minstrelの叔父であるNijinskyが英2000ギニーを制した折の2着馬。2000ギニー戦でイエローゴッド父仔に相対した叔父Nijinsky、甥The Minstrelという構図でした。そしてまたRed God(1954.2.15)系馬との戦いということでは、The Minstrelが英ダービーで1番人気を譲った相手がBlushing Groom(1974.4.8)。Blushing Groomは仏2000ギニーの勝ち馬でした。