シルヴァーソニック(Silver Sonic) 牡 芦毛 2016.3.22生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・(有)社台レースホース 栗東・池江 泰寿厩舎
オルフェーヴル 栗毛 2008.5.14 種付け時活性値:1.75【7】 |
ステイゴールド 黒鹿毛 1994.3.24 |
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 |
★Halo 1969.2.7 |
Wishing Well 1975.4.12 | |||
ゴールデンサッシュ 栗毛 1988.4.23 |
デイクタス 1967.4.11 | ||
ダイナサツシユ 1979.3.16 | |||
オリエンタルアート 栗毛 1997.5.12 |
メジロマックイーン 芦毛 1987.4.3 |
★メジロテイターン 1978.3.22 | |
メジロオーロラ 1978.3.8 | |||
エレクトロアート 栗毛 1986.3.29 |
ノーザンテースト 1971.3.15 | ||
グランマステイーヴンス 1977.2.9 | |||
エアトゥーレ 芦毛 1997.3.10 仔受胎時活性値:0.50【18】 |
トニービン 鹿毛 1983.4.7 種付け時活性値:1.25【13】 |
カンパラ 黒鹿毛 1976.2.19 |
Kalamoun 1970.4.30 |
State Pension 1967 | |||
Severn Bridge 栗毛 1965 |
Hornbeam 1953 | ||
Priddy Fair 1956 | |||
スキーパラダイス 芦毛 1990.5.12 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
Lyphard 鹿毛 1969.5.10 種付け時活性値:1.00【20】 |
Northern Dancer 1961.5.27 | |
Goofed 1960.3.29 | |||
Ski Goggle 芦毛 1980.5.25 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
ロイヤルスキー 栗毛 1974.5.24 種付け時活性値:1.25【5】 |
||
Mississippi Siren 芦毛 1973.4.10 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:ノーザンテースト4×5(父方)、Northern Dancer4×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
オルフェーヴル (サンデーサイレンス系) |
トニービン (ゼダーン系) |
Lyphard (Northern Dancer系) |
ロイヤルスキー (Bold Ruler系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
オルフェーヴル (オリエンタルアート) |
3.75 (【18】+【6】+【9】+【6】) |
半兄キャプテントゥーレ (No. 3-l) |
10番仔 (不受胎後) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 7 | シルヴァーソニック | 牡7 | 56.5 | Damian Lane | 3:06.456 | 池江 泰寿 | 2 |
2 | 3 | Enemy | せん6 | 58 | Richard Kingscote | 2 1/2 | Ian Williams | 5 |
3 | 6 | Get Shirty | せん7 | 56.5 | Daniel Tudhope | 3/4 | David O’Meara | 6 |
4 | 5 | Big Call | せん6 | 56.5 | Maxime Guyon | ハナ | C Ferland | 10 |
5 | 10 | Nate The Great | せん7 | 56 | Oisin Murphy | クビ | Andrew Balding | 9 |
父系はもちろん、母系も海外競馬に強い。その血を体現したシルヴァーソニック、前走ステイヤーズS(GII)に続くGレース連勝の舞台は、沙国のキングアブドゥルアジーズ芝3000m。ダミアン・レーン騎手の手綱で、好発から道中終始3番手の内ラチ沿いをキープしたシルヴァーソニック。トップハンデ62kgを背負った英ゴールドC(GI)&ロワイヤルオーク賞(仏GI)勝ち馬Subjectivist(2017.3.30)、ハンデ2番手の58.5kgを背負ったTrawlerman(2018.2.16)を見る形で進めると、2周目のホームストレッチで鋭く抜け出しました。すっかり日が落ちたリヤドの夜空、ナイトレースの光線、緑のターフに芦毛の馬体が映えて、シルヴァーソニック。「音速の銀」を名前に戴く駿馬、最後は2着のEnemy(2017.4.24)に2と2分の1馬身差を着けての快勝でした。
シルヴァーソニックは祖父ステイゴールド、父オルフェーヴルに続く父仔3代の海外Gレース制覇。池江泰寿調教師もレース後のインタビューにおいて、やはり池江師が管理されたオルフェーヴルの仔で勝つことが出来たのをとても喜ばれていました。ステイゴールドも父の池江泰郎調教師の管理馬でしたし、泰寿師も調教助手として携わられていた訳ですから、まさに池江家の縁の血の勝利でした。
「母系も海外競馬に強い」と上段で書きましたが、シルヴァーソニックの母エアトゥーレは2001年に日本で阪神牝馬S(GII)を制した後、2002年にクリスフライヤースプリント(星GIII)3着、モーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)2着と、海外Gレース制覇に後一歩まで迫ったのでした。そしてまた、祖母スキーパラダイス。
仏国のアンドレ・ファーブル厩舎の所属馬であったスキーパラダイス、1994年の京王杯スプリングC(GII)で来日して、持ったまま勝利を収めた際、「世界にはとんでもない牝馬がいる^^;」と思ったもの。スキーパラダイスは同1994年のムーラン・ド・ロンシャン賞(仏GI)では武豊騎手に海外GI初制覇をプレゼントした馬としても知られていますね。
#しっかし、シルヴァーソニックの長距離適性はサスガは父オルフェーヴルと思わされます。母方は快速を活かした活躍馬が多い印象もありますので。まま、半兄キャプテントゥーレ(2005.4.5)が皐月賞(JpnI)を勝ち、朝日チャレンジカップ(GIII)連覇と2000m重賞3勝を遂げたように、距離延長に対する素地はあったのでしょう。思えばキャプテントゥーレの制した2008年の皐月賞が、今をときめく川田将雅騎手のGI級競走初勝利。あれから間もなく15年を迎えると思うと、時は流れたものです。森秀行厩舎とのコンビということでは今回のレッドシーターフHにおいてエヒト(2017.5.9)で7着でしたが、そう、シルヴァーソニックの母系は実は森厩舎の縁の血でもあったのでした。
*
今回のサウジカップデーは日本生産調教馬が3勝を収めました。サウジカップ(沙GI)のパンサラッサ(2017.3.1)、1351ターフスプリント(沙GIII)のバスラットレオン(2018.3.25)、そして本稿の主役であるレッドシーターフHのシルヴァーソニック。
この3頭の共通点は、社台スタリオンステーションに繋養されている種牡馬の仔たちであると共に、母が前年産駒なし後の仔たちです。パンサラッサは母ミスペンバリー(2002.3.18)が空胎後の7番仔、バスラットレオンは母バスラットアマル(2010.3.30)の初仔、そしてシルヴァーソニックは母エアトゥーレが不受胎後の10番仔。「空胎後に名馬あり」は、いつの世も不変の真理です。
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シルヴァーソニック、3000m以上のGレース連勝を以て次に向かう舞台は何処になりますでしょうか。同じ(有)社台レースホースの持ち馬であった昨年のステイフーリッシュ(2015.2.22)に倣い、ドバイゴールドC(UAE・GII)になるのか、あるいは昨年の雪辱を果たすべく天皇賞・春(GI)になるのか。
芦毛の長距離砲シルヴァーソニック、その蹄跡にさらなる勝利が積み重なることを期待しています。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。