Adayar(アダイヤー) 牡 鹿毛 2018.3.31生 愛国・Godolphin生産 馬主・Godolphin 英国・Charlie Appleby厩舎
Frankel 鹿毛 2008.2.11 種付け時活性値:0.25【9】 |
▲ Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
Allegretta 1978.3.10 | |||
Kind 鹿毛 2001.4.21 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 | |
Razyana 1981.4.18 | |||
Rainbow Lake 鹿毛 1990.4.10 |
★Rainbow Quest 1981.5.15 | ||
Rockfest 1979.3.12 | |||
Anna Salai 鹿毛 2007.4.24 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Dubawi 鹿毛 2002.2.7 種付け時活性値:1.00【4】 |
Dubai Millennium 鹿毛 1996.3.20 |
Seeking the Gold 1985.4.7 |
Colorado Dancer 1986.2.13 | |||
Zomaradah 鹿毛 1995.2.21 |
Deploy 1987.5.15 | ||
Jawaher 1989.5.13 | |||
アンナパラリーヴァ 栗毛 1995.5.18 仔受胎時活性値:0.75【11】 |
Caerleon 鹿毛 1980.3.27 種付け時活性値:1.50【14】 |
Nijinsky 1967.2.21 | |
Foreseer 1969.4.12 | |||
Anna of Saxony 栗毛 1989.4.6 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Ela-Mana-Mou 鹿毛 1976.2.28 種付け時活性値:1.00【12】 |
||
Anna Matrushka 栗毛 1984.4.18 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer4×5×5、Mr. Prospector5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Frankel (Galileo系) |
Dubawi (Mr. Prospector系) |
Caerleon (Nijinsky系) |
Ela-Mana-Mou (Fair Trial系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Caerleon (Round Table) |
3.50 |
母、祖母、曾祖母がGIII勝ち馬 (No. 7-f) |
3番仔? (3連産目?) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 1 | Adayar | 牡3 | 57.2 | Adam Kirby | 2:36.85 | Charlie Appleby | 7 |
2 | 8 | Mojo Star | 牡3 | 57.2 | David Egan | 4 1/2 | Richard Hannon | 10 |
3 | 4 | Hurricane Lane | 牡3 | 57.2 | William Buick | 3 1/4 | Charlie Appleby | 2 |
4 | 6 | Mac Swiney | 牡3 | 57.2 | Kevin Manning | 3 1/4 | J S Bolger | 3 |
5 | 11 | Third Realm | 牡3 | 57.2 | Andrea Atzeni | クビ | Roger Varian | 6 |
2021年の第242回英ダービー。「1番人気はオブライエン厩舎のボリショイバレエかぁ」「スノーフェアリーの仔が走るんかぁ」「愛2000ギニー馬マックスウィニーのガリレオ2×3が気になるなぁ」というくらいの認識で見ていたレース映像。タッテナムコーナーを回る際に良い感じに見えた馬が1頭。内ラチ沿いの先行4番手に位置していたゴドルフィンのロイヤルブルーの勝負服、赤帽子でしたので陣営としては番手評価だったAdayarとアダム・カービー騎手。ラスト2ハロンを切って満を持してムチを振るい、追い出しに掛かると脚色の良さが他馬とは一段違いました。エプソムダウンズ芝12ハロン6ヤードのゴール地点では2着のMojo Star(2018.4.8)に4と2分の1馬身差を着けたAdayar、自身初のグループレース勝利が栄光の英ダービーとなり、その父Frankelにとっても産駒初の英ダービー制覇となりました。
大仕事を遂げられたAdayar鞍上のカービー騎手も英国クラシック初制覇。今回の騎乗経緯について↑で紹介したJRA-VAN Ver.Worldの記事から引用しておきますと、
殊勲のA.カービー騎手はジョンリーパーの騎乗を予定していたもののL.デットーリ騎手に変更となり、直前でアップルビー陣営から指名を受けての勝利。
マサーに続き2度目のダービー制覇となったアップルビー師は、O.マーフィー騎手にアダイヤーを依頼したもののカービー騎手に変更していた。「彼は私が調教師になってからレースや調教でたくさんの貢献を果たしてくれた」「アダム(カービー騎手)が乗れるとなったら依頼するようにしている。オイシン(マーフィー騎手)も“あなたの言うことは分っていたし理解しています”と言ってくれたから、彼のスポーツマンらしさに大いに感謝している」と、カービー騎手との関係性に言及している。
Snow Fairy(2007.2.12)の仔John Leeper(2018.4.28)に騎乗予定だったカービー騎手、手を差し伸べてくれたチャーリー・アップルビー調教師の思いに応えて、オイシン・マーフィー騎手の分もとばかりに、渾身の騎乗を見せてくださいました。
*
では、以下にAdayarの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Anna of Saxony 1989.4.6 4勝 パークヒルS(英GIII)ほか
|アンナパラリーヴァ 1995.5.18 2勝 オマール賞(仏GIII)
||Anemometer 2003.2.12 0勝
|||Harmattan 2014.9.25 3勝 MVRCアレグザンドラS(豪GIII)2着
||Iguazu Falls 2005.3.10 7勝 サマーヴィルタタソールS(英GIII)2着ほか
|||National Defense 2014.1.16 2勝 ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI)ほか
||Anna Salai 2007.4.24 1勝 グロット賞(仏GIII)
|||Adayar 2018.3.31 (本馬) 英ダービー(GI)
||Seniority 2014.3.15 現役 アブダビチャンピオンシップ(UAE・GIII)2着
|Anna Amalia 2000.3.6 1勝
||アーヴェイ 2006.2.14 5勝 フラワーボウル招待S(米GI)ほか
Adayarの牝系は欧州で継承されている7号族f分枝系。筋が通った母系であり曾祖母Anna of Saxony、祖母アンナパラリーヴァ、母Anna Salaiと3代続けてGIII勝ち馬であり、4代目のAdayarが英ダービー馬と相成りました。また馬名の頭文字について確認すると、英国産の牝馬Andromeda(1900)を起点として、Adayarまで13代続けて馬名の頭文字が「A」で始まっています。主に独国や伊国で見られ、アガ・カーン4世もそれに倣う形を取られている、ボトムラインからの馬名の頭文字の継承。実のところ、Adayarの牝系のイニシャルAと「Anna」から始まる母名の累代で連想した同牝系馬がいます。アヌスミラビリス(1992.3.15)。1996年の毎日王冠(GII)で見せたトーヨーリファール(1990.5.10)との「直父系がIn Reality系馬のワンツーフィニッシュ」も既に四半世紀前のこと。アヌスミラビリスはAdayarの5代母であるディアナ賞(独GII)馬Anna Paola(1978.5.14)の孫です。
*
Adayar、アッと言わせた11頭立て7番人気馬のアップセットでしたが、伊達や酔狂で英ダービーを勝てるものではありません。今後もその実力の確かさを見せてくれることを、東洋の空の下から祈っておきます。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。