マーベラスクラウン(Marvelous Crown) せん 栗毛 1990.3.19生~2007.6.2没 新冠・早田牧場新冠支場生産 馬主・笹原貞生氏 栗東・大沢真厩舎→船橋・新井康夫厩舎
Miswaki 栗毛 1978.2.22 種付け時活性値:0.75【11】 |
Mr. Prospector 鹿毛 1970.1.28 |
★Raise a Native 栗毛 1961.4.18 |
Native Dancer 1950.3.27 |
Raise You 1946 | |||
Gold Digger 鹿毛 1962.5.28 |
Nashua 1952.4.14 | ||
Sequence 1946 | |||
Hopespringseternal 栗毛 1971.5.27 |
Buckpasser 鹿毛 1963.4.28 |
Tom Fool 1949.3.31 | |
Busanda 1947 | |||
Rose Bower 栗毛 1958.3.24 |
Princequillo 1940 | ||
Lea Lane 1952 | |||
モリタ(NZ) 栗毛 1978.10.30 仔受胎時活性値:0.625【10.5】 |
▲ Harbor Prince(USA) 栗毛 1969.5.2 種付け時活性値:0.125【8.5】 |
Prince John 栗毛 1953.4.6 |
Princequillo 1940 |
Not Afraid 1948 | |||
Hornpipe 栗毛 1965 |
Hornbeam 1953 | ||
Sugar Bun 1946 | |||
Cathmoi(NZ) 栗毛 1972 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Alvaro(GB) 鹿毛 1965 種付け時活性値:1.625【6.5】 |
Rockefella 1941 | |
Aldegonde 1955 | |||
Untried(NZ) 栗毛 1964 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
The Summit(NZ) 青鹿毛 1951 種付け時活性値:1.00【12】 |
||
Cordial(NZ) 鹿毛 1957 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:Princequillo4×4、Count Fleet5×5、Nasrullah5×5(父方)、Hyperion5×5(母方)>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Miswaki (Mr. Prospector系) |
▲Harbor Prince (Princequillo系) |
Alvaro (Rockefella系) |
The Shummit (Son-in-Law系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Alvaro (Rockefella) |
5.125 (【10.5】+【5】+【7】+【6】) |
母が新オークス馬 (No. 13-a) |
5番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
推定 上り |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | マーベラスクラウン | せん4 | 57 | 南井 克巳 | 2:23.6 | 3-3-2-3 | 36.2 | 486 [+6] |
大沢 真 | 6 | |
2 | 3 | パラダイスクリーク | 牡5 | 57 | P.デイ | 2:23.6 | ハナ | 7-6-5-6 | 35.9 | 542 | W.モット | 2 |
3 | 15 | ロイスアンドロイス | 牡4 | 57 | 横山 典弘 | 2:23.8 | 1 1/4 | 4-5-5-6 | 36.1 | 500 [0] |
松山 康久 | 8 |
4 | 12 | エルナンド | 牡4 | 57 | C.アスムッセン | 2:24.0 | 1 1/4 | 8-8-9-10 | 36.0 | 436 | F.ブータン | 4 |
5 | 10 | サンドピット | 牡5 | 57 | C.S.ナカタニ | 2:24.0 | クビ | 2-1-1-1 | 36.8 | 544 | R.マンデラ | 1 |
1F毎の ラップ |
12.8 – 11.7 – 11.6 – 11.3 – 11.7 – 12.0 – 12.2 – 12.0 – 11.9 – 12.2 – 11.8 – 12.4 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.8 – 24.5 – 36.1 – 47.4 – 59.1 – 1:11.1 – 1:23.3 – 1:35.3 – 1:47.2 – 1:59.4 – 2:11.2 – 2:23.6 |
上り | 4F 48.3 – 3F 36.4 |
1994年の第14回ジャパンカップ。この年は密かに2組の兄弟対決がなされていたのです。まず1組目はリュパン賞(仏GI)の勝ち馬Johann Quatz(ヨハンクアッツ。1989.2.22)とジョッケクルブ賞(仏GI)の勝ち馬Hernando(エルナンド。1990.2.8)というGI兄弟。結果は兄が12着、弟が4着。そして2組目がハリウッドターフH(米GI)の勝ち馬Grand Flotilla(グランドフロティラ。1987.2.25)と、京都大賞典(GII)勝ちから挑んで来た「せん馬」マーベラスクラウン。結果は兄が8着同着、弟が1着。2組の兄弟対決は、共に弟に軍配が上がるという結果でした。
けれど競馬ファンは、叶うのであれば「日本の最強兄弟」の対決を見たかったのかも知れません。ビワハヤヒデ(1990.3.10)とナリタブライアン(1991.5.3)。ただ、両馬がいなくとも、ジャパンカップを制したのが「早田牧場生産の13号族馬」だったということは、当時の勢いを思うところです。そんな「我が世の春」を桜花、もとい、謳歌した牧場が思わぬ転落を見せたのはもっと後のことでした。
閑話休題。マーベラスクラウン、前年の第13回を制したレガシーワールドと同様「ジャパンカップを6番人気で挑み北米芝王者をわずかに抑えてGI初勝利を収めたせん馬」ということになりますでしょうか。悲しいかな、両馬共に「ジャパンカップが競走生活最後の勝利」になってしまったところも共通しています。

とはいえ、マーベラスクラウンがパラダイスクリーク(1989.2.4)を「ハナ」だけ凌いで、2分23秒6という当時の史上3番目の好タイムで制した記憶が、私の中で薄れることはありません。この年は戦前までGI勝ち馬が1頭もおらず、例年にも増して「小粒」と評価された日本勢でしたが、なんのなんの。栗毛の暴れん坊、赤メンコも鮮やかに、マーベラスクラウン。赤い帽子に「桃、紫袖」の勝負服をまとった南井克巳騎手を背にしたその姿は、まるで炎のよう。果たせるかなマーベラスクラウン、決勝点で勝利の女神は彼に微笑んでいたのです。そうして、ジャパンカップ史上初の、日本馬によるジャパンカップ3年連続勝利が成されたのでした。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。
*
[マーベラスクラウン(1990.3.19)の主な競走成績]
- ジャパンカップ(GI)、京都大賞典(GII)、金鯱賞(GIII)
- マイラーズC(GII)、鳴尾記念(GII)、新潟大賞典(GIII)、金杯(GIII)
- 高松宮杯(GII)
通算22戦7勝、2着5回、3着2回。
#2021年05月26日(水)初出、2025年08月15日(金)記事改め。