ディスペランツァ(2021.3.2)&アドマイヤベル(2021.3.1)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.35)-

Pedigree

ディスペランツァ 牡 鹿毛 2021.3.2生 浦河町・谷川牧場生産 馬主・(有)ターフ・スポート 栗東・吉岡 辰弥厩舎

ディスペランツァ(2021.3.2)の4代血統表
ルーラーシップ
鹿毛 2007.5.15
種付け時活性値:1.25【13】
キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector 1970.1.28
Miesque 1984.3.14
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン 1983.5.9
Pilot Bird 1983.2.9
エアグルーヴ
鹿毛 1993.4.6
トニービン
鹿毛 1983.4.7
カンパラ 1976.2.19
Severn Bridge 1965
ダイナカール
鹿毛 1980.5.10
ノーザンテースト 1971.3.15
シヤダイフエザー 1973.2.20
ルパンII
鹿毛 2014.4.13
仔受胎時活性値:1.50【6】
Medaglia d’Oro
黒鹿毛 1999.4.11
種付け時活性値:1.50【14】
El Prado
芦毛 1989.2.3
Sadler’s Wells 1981.4.11
Lady Capulet 1974.4.3
Cappucino Bay
鹿毛 1989.2.12
Bailjumper 1974.3.28
Dubbed In 1973.5.31
Promising Lead
鹿毛 2004.3.6
仔受胎時活性値:0.25【9】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
種付け時活性値:0.25【17】
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Arrive
鹿毛 1998.1.21
仔受胎時活性値:1.25【5】
Kahyasi
鹿毛 1985.4.2
種付け時活性値:1.00【12】
Kerali
栗毛 1984.3.4 ♀
仔受胎時活性値:1.25【13】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5×5>

ディスペランツァ(2021.3.2)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ルーラーシップ
(Mr. Prospector系)
Medaglia d’Oro
(Sadler’s Wells系)
デインヒル
(Danzig系)
Kahyasi
(Nijinsky系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Medaglia d’Oro
(ルパンII)
4.25
(【6】+【9】+【5】+【13】)
半兄ファントムシーフ
(No. 11)
3番仔
(3連産目)

*

2024年の第33回アーリントンC(GIII。阪神芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 3 ディスペランツァ 牡3 57 J.モレイラ 1:34.1 8-8 32.4 514
[-6]
吉岡 辰弥 1
2 2 アレンジャー 牡3 57 横山 典弘 1:34.1 1/2 2-3 32.9 460
[-2]
昆 貢 15
3 7 チャンネルトンネル 牡3 57 坂井 瑠星 1:34.1 ハナ 7-5 32.5 476
[-4]
福永 祐一 4
4 9 ワールズエンド 牡3 57 B.ムルザバエフ 1:34.2 1/2 12-13 32.1 462
[-2]
池添 学 6
5 1 ポッドテオ 牡3 57 北村 宏司 1:34.4 1 1/4 1-1 33.5 464
[-6]
畠山 吉宏 7
2024年の第33回アーリントンC(GIII。阪神芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.0 – 12.2 – 13.0 – 12.1 – 11.1 – 10.7 – 11.4
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.6 – 35.8 – 48.8 – 1:00.9 – 1:12.0 – 1:22.7 – 1:34.1
上り 4F 45.3 – 3F 33.2

阪神芝1600m、晴の良馬場、16頭立て。

○ アーリントンカップ(GⅢ)(NHKマイルカップトライアル)
本競走は、1987 年に『ペガサスステークス』の名称で創設された重賞競走。1992 年に阪神競馬場とアーリントンパーク競馬場が姉妹競馬場として提携したことに伴い、『アーリントンカップ』に改称された。2017 年までは 2 月下旬から 3 月上旬に実施されていたが、2018 年より 4 月に移設され、『NHK マイルカップ』のトライアルレースとなった。
なお、第 3 着までの馬には『NHK マイルカップ』への優先出走権が与えられる。

2024年度第2回阪神競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬を見るとダンツフレーム(1998.4.19)タニノギムレット(1999.5.4)ウインクリューガー(2000.2.13)ジャスタウェイ(2009.3.8)コパノリチャード(2010.4.15)ミッキーアイル(2011.3.12)レインボーライン(2013.4.1)ペルシアンナイト(2014.3.11)タワーオブロンドン(2015.2.9)ダノンスコーピオン(2019.2.22)等が後のGI勝ち馬となっており、その他にも智国で名種牡馬となったシーキングザダイヤ(2001.3.1)、昨年豪州でゴールデンイーグルを制したオオバンブルマイ(2020.2.26)等の姿が見えます。活躍馬たちの列挙となったところから、阪神の芝マイル戦は紛れ無しの舞台ということが改めて見て取れますね。

そんなアーリントンCの2024年の一戦を制したのは戦前1番人気だったディスペランツァ。前走3月の阪神芝1600mの1勝クラスからの連勝で芝1600mでは2戦2勝となったディスペランツァの強さ、速さもさるものながら、やはり鞍上のジョアン・モレイラ騎手。この4月からのJRA短期免許による騎乗においてマスクトディーヴァ(2020.5.12)の阪神牝馬S(GII)、ステレンボッシュ(2021.2.12)の桜花賞(GI)、そしてディスペランツァのアーリントンCと阪神の芝マイル重賞を3連勝。「雷神」「マジックマン」の恐ろしさを見せ付けられています。今回のレースは2枠3番の発進から道中は内側の8番手あたりをキープ。入りの600m35秒8、半マイル通過48秒8、1000m通過1分0秒9という穏やかな流れで迎えた、阪神芝Bコース外回りの直線476.3m。前を行ったポッドテオ(2021.2.28)、アレンジャー(2021.5.23)等が残る展開の中、外に回ったディスペランツァは前のチャンネルトンネル(2021.3.15)、さらに外のオフトレイル(2021.5.14)と一緒に伸びようとしますが、ラスト1ハロンを切った辺りでもまだ中団。アレンジャーが抜け出し、チャンネルトンネルの鋭脚で迫ったところが決勝点2秒前でしたけれど、それを一気に飲み込んだディスペランツァ。最後は「半馬身」「ハナ」と捉え切っていました。

ディスペランツァのごく簡単な近親牝系図を示しておきますと、

Promising Lead 2004.3.6 4勝 プリティポリーS(愛GI) ミドルトンS(英GIII)ほか
|ルパンⅡ 2014.4.13 0勝 
||ファントムシーフ 2020.2.22 現役 共同通信杯(GIII)ほか
||ディスペランツァ 2021.3.2 (本馬) 3勝 アーリントンC(GIII)

半兄ファントムシーフは昨年2023年の共同通信杯の勝ち馬で皐月賞(GI)3着のほか三冠皆勤、

ファントムシーフ(2020.2.22)&タッチウッド(2020.1.11)-2023年のクラシック候補生を確認する(No.15)-
ファントムシーフ 牡 鹿毛 2020.2.22生 浦河町・谷川牧場生産 馬主・(有)ターフ・スポート 栗東・西村 真幸厩舎タッチウッド 牡 鹿毛 2020.1.11生 新冠町・村田牧場生産 馬主・吉田 和美氏 栗東・武 幸四郎厩舎

祖母Promising LeadはプリティポリーS(愛GI)勝ち馬と活躍馬の姿が見えます。母ルパンIIは立て続けに重賞勝ち馬を2頭送り出したのですから、浦河の名門・谷川牧場の新たなカマド馬として今後も産駒に期待が掛かりますね。そんなルパンIIの仔ディスペランツァ、その馬名意味は「希望の光(伊)。勝ち続け、クラブの希望の光となってほしい」ということです。

ターファイトクラブ

*

アドマイヤベル 牝 栗毛 2021.3.1生 安平町・ノーザンファーム生産 馬主・近藤 旬子氏 美浦・加藤 征弘厩舎

アドマイヤベル(2021.3.1)の4代血統表
スワーヴリチャード
栗毛 2014.3.10
種付け時活性値:1.50【6】
ハーツクライ
鹿毛 2001.4.15
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
★Halo 1969.2.7
Wishing Well 1975.4.12
アイリッシュダンス
鹿毛 1990.3.26
トニービン 1983.4.7
ビユーパーダンス 1983.2.26
ピラミマ
黒鹿毛 2005.5.1
Unbridled’s Song
芦毛 1993.2.18
Unbridled 1987.3.5
Trolley Song 1983.4.13
キャリアコレクション
鹿毛 1995.1.30
General Meeting 1988.4.3
River of Stars 1983.5.6
ベルアリュールII
栗毛 2005.2.2
仔受胎時活性値:1.75【15】
Numerous
鹿毛 1991.3.14
種付け時活性値:1.25【13】
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Number
鹿毛 1979.5.5
Nijinsky 1967.2.21
Special 1969.3.28
Mare Aux Fees
芦毛 1988.3.21
仔受胎時活性値:2.00【16】
Kenmare
芦毛 1975.5.5
種付け時活性値:1.00【12】
Kalamoun 1970.4.30
Belle of Ireland 1964
Feerie Boreale
芦毛 1981.6.2
仔受胎時活性値:1.50【6】
Irish River
栗毛 1976.4.2
種付け時活性値:1.00【4】
Skelda
芦毛 1968.2.23
仔受胎時活性値:1.00【12】

<5代血統表内のクロス:Riverman5×5>

アドマイヤベル(2021.3.1)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
スワーヴリチャード
(サンデーサイレンス系)
Numerous
(Mr. Prospector系)
Kenmare
(ゼダーン系)
Irish River
(Riverman系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
スワーヴリチャード 6.25
(【15】+【16】+【6】+【12】)
半姉アドマイヤリード
(No. 22-a)
8番仔
(4連産目)

*

2024年の第59回サンケイスポーツ賞フローラS(GII。東京芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 アドマイヤベル 牝3 55 横山 武史 1:59.0 5-6-6 34.2 484
[0]
加藤 征弘 2
2 3 ラヴァンダ 牝3 55 岩田 望来 1:59.1 1 3-4-4 34.6 466
[-10]
中村 直也 6
3 13 カニキュル 牝3 55 北村 宏司 1:59.3 1 1/4 12-13-11 34.0 494
[-6]
菊沢 隆徳 4
4 14 クリスマスパレード 牝3 55 石川 裕紀人 1:59.3 ハナ 3-2-3 35.1 454
[-10]
加藤 士津八 3
5 6 トロピカルティー 牝3 55 戸崎 圭太 1:59.3 クビ 7-7-8 34.3 428
[-2]
林 徹 5
2024年の第59回サンケイスポーツ賞フローラS(GII。東京芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 11.1 – 11.9 – 12.0 – 12.1 – 12.3 – 12.0 – 11.6 – 11.6 – 11.8
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.7 – 35.6 – 47.6 – 59.7 – 1:12.0 – 1:24.0 – 1:35.6 – 1:47.2 – 1:59.0
上り 4F 47.0 – 3F 35.0

東京芝2000m、曇の良馬場、14頭立て。

○ サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)(オークストライアル)
本競走は、1966 年に『優駿牝馬(オークス)』のトライアル競走として創設された重賞競走。当初は距離 2400m の『優駿牝馬(オークス)』に対し、600m 短い 1800m で実施されていたが、1987 年にオークストライアルとしての性格をより明確にするため、2000m に延伸された。なお、第 2 着までの馬には『優駿牝馬(オークス)』への優先出走権が与えられる。
フローラ(Flora)は、ローマ神話に登場する、花と春と豊穣を司る女神の名。また、ある特定の地域もしくは時代に生育する各種植物の全種類の意。
サンケイスポーツは、産業経済新聞社から発行されているスポーツ紙。本競走は、同社より寄贈賞を受けて実施されている。

2024年度第2回東京競馬特別レース名解説

21世紀に入ってからの勝ち馬を見るとサンテミリオン(2007.1.30)モズカッチャン(2014.2.27)ウインマリリン(2017.5.23)の姿が見えます。2001年以降フローラSと優駿牝馬(GI)を連勝したのはサンテミリオン1頭だけですが、フローラS経由ということでは2001年2着のレディパステル(1998.4.26)、2021年3着のユーバーレーベン(2018.1.27)が本番で見事に勝利を収めています。

という訳で2024年のフローラSを制したのは戦前2番人気だったアドマイヤベル。私、最近のJRAのレースについてはJRAレース動画のネットライブ配信でしか見ていないのですが、東京芝2000mのスタートを正面から捉える絵面は、発馬の良し悪しが分かりにくいので若干苦手です^^;。後から民放の動画を確認しましたら、案の定、出が今ひとつ悪かった内枠の人気馬がいて「ツムラ、頼むわ」と思いました。おっと、それはともかくとしてアドマイヤベル。入りの600m35秒6、1000m通過59秒7としっかり流れた道中を馬群真ん中で虎視眈々と機を見ていたように感じました。そうして迎えた東京芝Aコースの直線525.9m。通常のレース映像では、正直、内の3頭のやり取りが危ないように見えました。ユキワリザクラ(2021.4.6)が早め先頭、その外からクリスマスパレード(2021.3.29)、最内を鞍上がお父さんばりの騎乗で突いたラヴァンダ(2021.3.10)。後から全周パトロールを見たら、素人目にはクリスマスパレードの鞍上が右ムチしか使わず内側へ寄り掛かっているようにも見えて「オブストラクションと違うんか」と思いましたが、審議の青ランプは付かず。ともあれ、アオリを受けたであろうユキワリザクラは鞍上が立ち上がるようにして失脚。勝負ですから致し方ないですが「うーん」と唸ってしまいました。おっと、それはともかくとしてアドマイヤベル。馬場中央を我慢しながら前進すると、鞍上の横山武史騎手がラスト200mで右ムチを揮って激励した後はきっちりかっちり脚を伸ばし、最後は内ラチ側からすり抜けてきたラヴァンダに1馬身差を着けたところが決勝点。2023年8月の新潟芝1800mの新馬戦1着の後、11月の東京芝2000mの百日草特別3着、明けて今年2月の東京芝2000mのフリージア賞2着と来て、フローラS1着。2戦目以降、東京芝2000mにこだわった陣営にも応えたアドマイヤベル、別路線からの挑戦者として3週間後の優駿牝馬に向かいます。

アドマイヤベルの本当にごく簡単な近親牝系図を示しておきますと、

ベルアリュールII 2005.2.2 4勝 アシーニアS(米GIII) ヴァントー賞(仏GIII)ほか
|アドマイヤリード 2013.3.18 6勝 ヴィクトリアマイル(GI)ほか
||キャプテンシー 2021.3.9 現役 ジュニアC(L)
|ベルクレスタ 2019.2.6 現役 アルテミスS(GIII)2着 クイーンC(GIII)3着
|アドマイヤベル 2021.3.1 (本馬) フローラS(GII)

母ベルアリュールIIが米仏でGIII勝ち、半姉アドマイヤリードが2017年のヴィクトリアマイルの勝ち馬、同い年の甥であるキャプテンシーがジュニアCの勝ち馬と、シンプルに「良血」と思わされる血統馬です。

第12回ヴィクトリアマイル(GI)の勝ち馬
アドマイヤリード 牝 青鹿毛 2013.3.18生 安平・ノーザンファーム生産 馬主・近藤利一氏 栗東・須貝尚介厩舎 アドマイヤリード(2013.3.18)の4代血統表 ステイゴールド 黒鹿毛 1994.3.24 種付け時活性値:0.50 ...
クリスアーサー(2021.4.3)&キャプテンシー(2021.3.9)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.18)-
クリスアーサー(2021.4.3)&キャプテンシー(2021.3.9)-2024年のクラシック候補生を確認する(No.18)-

上図以外ではアドマイヤベルの叔父Jukebox Jury(2006.2.15)は愛セントレジャー(GI)、オイロパ賞(独GI)、ケルゴルレイ賞(仏GII)、英ジョッキークラブS(GII)、ドーヴィル大賞(仏GII)、ロイヤルロッジS(英GII)、ローズオブランカスターS(英GIII)と欧州グループレース7勝の活躍馬で、愛セントレジャーがカラ芝14ハロン、オイロパ賞がケルン芝2400mと中長距離でGI2勝を挙げています。なお、Jukebox Juryの愛セントレジャーはDuncan(2005.1.30)と1着同着でした。

近いところに長距離砲もいて牝系の潜在的なスタミナは感じられるアドマイヤベル、本番の東京芝2400mでどんな走りを見せてくれるでしょうか。アドマイヤベル、その馬名意味は「冠名+母名の一部、美しい(仏)」とのこと。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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