Economics(エコノミクス) 牡 栗毛 2021.3.1生 英国・Copgrove Hall Stud生産 馬主・Isa Salman Al Khalifa 英国・William Haggas厩舎
Night of Thunder 栗毛 2011.3.12 種付け時活性値:0.25【9】 |
★ Dubawi 鹿毛 2002.2.7 |
Dubai Millennium 鹿毛 1996.3.20 |
Seeking the Gold 1985.4.7 |
Colorado Dancer 1986.2.13 | |||
Zomaradah 鹿毛 1995.2.21 |
Deploy 1987.5.15 | ||
Jawaher 1989.5.13 | |||
Forest Storm 栗毛 2006.2.28 |
Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 1981.4.11 | |
Urban Sea 1989.2.18 | |||
Quiet Storm 鹿毛 2000.3.10 |
Desert Prince 1995.3.14 | ||
Hertford Castle 1991.3.8 | |||
La Pomme d’Amour 栗毛 2008.5.2 仔受胎時活性値:1.00【12】 |
パントレセレブル 栗毛 1994.3.17 種付け時活性値:1.25【13】 |
★Nureyev 鹿毛 1977.5.2 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Special 1969.3.28 | |||
Peinture Bleue 栗毛 1987.4.7 |
Alydar 1975.3.23 | ||
Petroleuse 1978.5.13 | |||
Winnebago 鹿毛 1993.6.8 仔受胎時活性値:1.50【14】 |
★Kris 栗毛 1976.3.23 種付け時活性値:0.00【16】 |
Sharpen Up 1969.3.17 | |
Doubly Sure 1971.5.3 | |||
Siouan 黒鹿毛 1975 仔受胎時活性値:0.25【17】 |
ソーブレスド 青鹿毛 1965 種付け時活性値:0.25【9】 |
||
Ardneasken 黒鹿毛 1964 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×4>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
Night of Thunder (Mr. Prospector系) |
パントレセレブル (Nureyev系) |
★Kris (エタン系) |
ソーブレスド (Princely Gift系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
パントレセレブル (Petroleuse) |
3.25 (【12】+【14】+【17】+【10】) |
母が仏GII2勝馬 (No. 21-a) |
4番仔? |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | Economics | 牡3 | 58.5 | Tom Marquand | 2:03.20 | William Haggas | 1 |
2 | 1 | Auguste Rodin | 牡4 | 61.2 | Ryan Moore | クビ | A P O’Brien | 2 |
3 | 8 | シンエンペラー | 牡3 | 58.5 | 坂井 瑠星 | 3/4 | 矢作 芳人 | 6 |
4 | 7 | Los Angeles | 牡3 | 58.5 | Dylan Browne McMonagle | アタマ | A P O’Brien | 4 |
5 | 6 | Ghostwriter | 牡3 | 58.5 | Richard Kingscote | 3/4 | Clive Cox | 3 |
愛チャンピオンSまでの今年2024年の英愛の10ハロン路線のGIレースの勝ち馬を確認してみますと、
- タタソールズ金杯(愛GI)。カラ芝10ハロン110ヤード
→White Birch(2020.4.8) - プリンスオブウェールズS(英GI)。アスコット芝9ハロン212ヤード
→Auguste Rodin(2020.1.26) - エクリプスS(英GI)。サンダウン芝9ハロン209ヤード
→City of Troy(2021.3.7) - 英インターナショナルS(GI)。ヨーク芝10ハロン56ヤード
→City of Troy(2021.3.7) - 愛チャンピオンS(GI)。レパーズタウン芝10ハロン
→Ecconomics(2021.3.1)。本稿の主役
3歳馬と古馬が対戦可能となるエクリプスS以降は3歳馬が勝利を収めています。後は10月にアスコット芝9ハロン212ヤードの英チャンピオンS(GI)がある訳ですが、この英愛の5月から10月までの6ヶ月間の「月に1回はGIがある」という10ハロン路線の体系は分かりやすくて好きです(^^)
という訳で2024年の愛チャンピオンSを制したEcconomics。↑のリストで示したタタソールズ金杯では2着、プリンスオブウェールズSでは1着と実は10ハロン路線では堅実に走っているAuguste Rodinが愛チャンピオンS連覇を果たすべく駆けました。けれど、それに待ったをかけたのが戦前1番人気だった3歳牡馬Ecconomics。昨年2023年のデビュー戦こそ4着に敗れたものの、今年2024年に復帰してからは4月のメイドン、5月のダンテS(英GII)、8月のギヨームドルナーノ賞(仏GII)と3連勝で臨んだのが9月の愛チャンピオンS。8頭立てを終始馬群の外側を通り、内のシンエンペラー(2021.4.30)、後ろのAuguste Rodinを見やるようにして過ごすと、レパーズタウン芝の直線およそ437ヤードでは馬場中央を抜け出し。外から襲い掛かったAuguste Rodinが一瞬前に出たかのようにも見えましたが、内の栗毛の大作がトム・マーカンド騎手に追われると「ググぃ」ともうひと伸び。鎬を削る勝負はゴールポストまで続き、最後は「クビ」だけ先んじてEcconomics。4連勝でGI初挑戦初勝利と相成りました。
では、以下にEconomicsの簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
Siouan 1975 1勝 |Winnebago 1993.6.8 1勝 ||La Pomme d'Amour 2008.5.2 5勝 ポモーヌ賞(仏GII)2回ほか |||Economics 2021.3.1 (本馬) 愛チャンピオンS(GI) ダンテS(英GII) ギヨームドルナーノ賞(仏GII)
Economicsの牝系は21号族a分枝系。母La Pomme d’Amourはドーヴィル芝2500mの牝馬限定GIIであるポモーヌ賞を4歳時と5歳時に連覇しました。ポモーヌ賞は1920年創設で100年以上の歴史を持つレースですが、連覇を果たしたのはZalataia(1979.2.10)、Bright Moon(1990.5.9)、そしてLa Pomme d’Amourの3頭のみ。Zalataiaは自身オークトゥリー招待S(米GI)を制している、種牡馬デイクタス(1967.4.11)の海外繋養時の代表産駒であり、1994年のジャパンカップ(GI)にも出走してくれたブリーダーズカップ・ターフ(米GI)勝ち馬フレイズ(1988.4.13)の母。またBright Moonはディアヌ賞(仏GI)とオペラ賞(仏GI)を制したBright Sky(1999.5.8)の母。今回La Pomme d’Amourの仔Economicsが愛チャンピオンSを制したことにより、ポモーヌ賞で連覇を果たした3頭は、いずれもGI馬の母になるという「走ってよし、産んでよし」の見本のような成績を残しています。
この日、英国のテレビ番組「ラックオンサンデー」にハガス師は電話出演。司会者から凱旋門賞参戦の可能性があるのか問われると、「彼は昨日とてもタフなレースをしましたし、2400メートルの距離になるので」と参戦する可能性がないことをあらためて説明。「彼が順調なら、来年は凱旋門賞に行く可能性があります」と語った。
愛チャンピオンS快勝のエコノミクスは凱旋門賞参戦の可能性を否定「来年は…」とハガス師 | JRA-VAN World – 海外競馬情報サイト
Economicsについては管理されるウィリアム・ハガス調教師が「本当に良くなるのは来年になってから」とおっしゃっているようで、今後のさらなる成長が楽しみな英国調教の3歳馬です。
そしてまた、本邦期待のシンエンペラーは直線で行き場を失い加減に見えながらも、進路を切り換えてからの伸び脚は目に見張るものがあり、先着した2頭から「クビ」「4分の3馬身」差という小差の3着。愛ダービー(GI)馬Los Angeles(2021.2.22)には競り勝っており、改めて「サスガは凱旋門賞馬ソットサスの全弟」というところを見せたシンエンペラーについては欧州メディアの評価も上がっており、
The other to do so, perhaps most eyecatchingly, was Shin Emperor, who ran on to be third in the Irish Champion behind Economics and Auguste Rodin. Japan’s runners are well respected on their global outings, picking up plenty of prizes in recent years, but the Arc is the one they all want.
Based on Saturday’s run and in an Arc with no massive standout, Shin Emperor looks to have as good a chance of ending Japan’s duck as any in recent years.
Could it be Japan’s turn?
という小タイトルも付けられていますが、凱旋門賞(仏GI)兄弟制覇と共に、日本調教馬による初めての凱旋門賞勝利を見せてくれるのは、シンエンペラーなのかもしれません。決戦は2024年10月6日の日曜日、パリロンシャ芝2400mで行われる第103回凱旋門賞。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。