ダイワメジャー(2001.4.8)-タイム差なしの好勝負を辿る(No.18)-

2007年 マイルチャンピオンシップ(GⅠ) | ダイワメジャー | JRA公式 https://youtu.be/Kwve8cBPOR4 Series
2007年 マイルチャンピオンシップ(GⅠ) | ダイワメジャー | JRA公式 https://youtu.be/Kwve8cBPOR4

ダイワメジャー 牡 栗毛 2001.4.8生 千歳市・社台ファーム生産 馬主・大城 敬三氏 美浦・上原 博之厩舎

ダイワメジャー(2001.4.8)の4代血統表
サンデーサイレンス
青鹿毛 1986.3.25
種付け時活性値:1.50【14】

Halo
黒鹿毛 1969.2.7
Hail to Reason
黒鹿毛 1958.4.18
Turn-to 1951
Nothirdchance 1948
Cosmah
鹿毛 1953.4.4
★Cosmic Bomb 1944
Almahmoud 1947.5.18 ♀
Wishing Well
鹿毛 1975
Understanding
栗毛 1963.2.17
★Promised Land 1954.3.31
Pretty Ways 1953.3.21
Mountain Flower
鹿毛 1964.3.23
Montparnasse 1956
Edelweiss 1959.2.15
スカーレットブーケ
栗毛 1988.4.11
仔受胎時活性値:1.00【12】

ノーザンテースト
栗毛 1971.3.15
種付け時活性値:0.00【16】
Northern Dancer
鹿毛 1961.5.27
Nearctic 1954.2.11
Natalma 1957.3.26
Lady Victoria
黒鹿毛 1962.2.20
Victoria Park 1957.5.10
Lady Angela 1944 ♀
スカーレツトインク
栗毛 1971.5.5
仔受胎時活性値:2.00【16】
Crimson Satan
栗毛 1959.5.4
種付け時活性値:0.75【11】
Spy Song 1943
Papila 1943
Consentida
鹿毛 1962.4.6
仔受胎時活性値:2.00【8】
Beau Max
鹿毛 1947
種付け時活性値:1.50【14】
La Menina
栗毛 1958.4.26
仔受胎時活性値:0.75【3】

<5代血統表内のクロス:Almahmoud(♀)4×5、Lady Angela(♀)4×5(母方)、Royal Charger5×5>

ダイワメジャー(2001.4.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
サンデーサイレンス
(Halo系)
ノーザンテースト
(Northern Dancer系)
Crimson Satan
(Black Toney系)
Beau Max
(Teddy系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
サンデーサイレンス 5.75
(【12】+【16】+【8】+【3】)
半妹ダイワスカーレット
(No. 4-d)
7番仔
(空胎後)

*

2004年の第64回皐月賞(GI。中山芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 14 ダイワメジャー 牡3 57 M.デムーロ 1:58.6 2-2-2-2 33.9 528
[-4]
上原 博之 10
2 18 コスモバルク 牡3 57 五十嵐 冬樹 1:58.8 1 1/4 6-7-4-5 33.8 478
[-2]
田部 和則 1
3 8 メイショウボーラー 牡3 57 福永 祐一 1:59.1 2 1-1-1-1 34.9 476
[-10]
白井 寿昭 6
4 3 コスモサンビーム 牡3 57 D.バルジュー 1:59.3 1 1/4 5-5-6-5 34.1 478
[-2]
佐々木 晶三 3
5 9 ミスティックエイジ 牡3 57 池添 謙一 1:59.4 3/4 8-8-7-8 34.0 468
[-8]
飯田 雄三 8
2004年の第64回皐月賞(GI。中山芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.1 – 10.9 – 12.3 – 12.2 – 12.2 – 12.5 – 12.0 – 11.6 – 11.3 – 11.5
ラップの
累計タイム
12.1 – 23.0 – 35.3 – 47.5 – 59.7 – 1:12.2 – 1:24.2 – 1:35.8 – 1:47.1 – 1:58.6
上り 4F 46.4 – 3F 34.4

*

2006年の第134回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 14 ダイワメジャー 牡5 58 安藤 勝己 1:58.8 2-2-2 35.2 528
[+2]
上原 博之 4
2 10 スウィフトカレント 牡5 58 横山 典弘 1:58.9 1/2 9-7-6 34.7 484
[+10]
森 秀行 7
3 15 アドマイヤムーン 牡3 56 武 豊 1:59.0 3/4 10-10-10 34.2 464
[-6]
松田 博資 2
4 8 コスモバルク 牡5 58 五十嵐 冬樹 1:59.1 3/4 6-6-6 34.9 500
[+2]
田部 和則 3
5 7 スイープトウショウ 牝5 56 池添 謙一 1:59.2 3/4 8-9-9 34.6 458
[-12]
鶴留 明雄 1
2006年の第134回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8 – 11.3 – 11.3 – 11.4 – 12.0 – 12.1 – 12.3 – 11.9 – 11.2 – 12.5
ラップの
累計タイム
12.8 – 24.1 – 35.4 – 46.8 – 58.8 – 1:10.9 – 1:23.2 – 1:35.1 – 1:46.3 – 1:58.8
上り 4F 47.9 – 3F 35.6

*

2006年の第23回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 10 ダイワメジャー 牡5 57 安藤 勝己 1:32.7 2-2 35.1 526
[-2]
上原 博之 1
2 7 ダンスインザムード 牝5 55 武 豊 1:32.8 クビ 10-8 34.5 482
[0]
藤沢 和雄 3
3 16 シンボリグラン 牡4 57 柴山 雄一 1:33.0 1 1/4 7-5 35.0 522
[+2]
畠山 吉宏 8
4 11 マイネルスケルツィ 牡3 56 柴田 善臣 1:33.2 1 1/4 3-3 35.5 510
[-2]
稲葉 隆一 16
5 14 キンシャサノキセキ 牡3 55 秋山 真一郎 1:33.2 クビ 5-5 35.3 472
[+2]
堀 宣行 5
2006年の第23回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 10.6 – 11.1 – 12.0 – 11.5 – 11.6 – 11.2 – 12.4
ラップの
累計タイム
12.3 – 22.9 – 34.0 – 46.0 – 57.5 – 1:09.1 – 1:20.3 – 1:32.7
上り 4F 46.7 – 3F 35.2

*

2007年の第57回安田記念(GI。東京芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 2 ダイワメジャー 牡6 58 安藤 勝己 1:32.3 4-4 34.4 532
[前計不]
上原 博之 2
2 5 コンゴウリキシオー 牡5 58 藤田 伸二 1:32.3 クビ 1-1 34.8 496
[-6]
山内 研二 3
3 18 ジョリーダンス 牝6 56 秋山 真一郎 1:32.7 2 1/2 5-5 34.7 476
[-2]
堀 宣行 9
4 3 アドマイヤキッス 牝4 56 川田 将雅 1:32.7 クビ 10-8 34.4 442
[-8]
松田 博資 15
5 8 スズカフェニックス 牡5 58 武 豊 1:32.8 クビ 13-12 34.3 468
[+4]
橋田 満 1
2007年の第57回安田記念(GI。東京芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 10.7 – 11.1 – 11.8 – 11.6 – 11.3 – 11.5 – 12.0
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.0 – 34.1 – 45.9 – 57.5 – 1:08.8 – 1:20.3 – 1:32.3
上り 4F 46.4 – 3F 34.8

*

2007年の第24回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 8 ダイワメジャー 牡6 57 安藤 勝己 1:32.7 3-2 34.5 528
[-2]
上原 博之 1
2 7 スーパーホーネット 牡4 57 藤岡 佑介 1:32.7 クビ 8-7 34.1 474
[+4]
矢作 芳人 4
3 11 スズカフェニックス 牡5 57 武 豊 1:32.8 1/2 14-13 33.8 468
[+8]
橋田 満 5
4 12 アグネスアーク 牡4 57 藤田 伸二 1:32.8 クビ 12-10 34.0 434
[+4]
河内 洋 2
5 9 カンパニー 牡6 57 福永 祐一 1:33.0 1 1/4 15-15 33.7 466
[+6]
音無 秀孝 3
2007年の第24回マイルチャンピオンシップ(GI。京都芝1600m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.6 – 10.6 – 11.2 – 12.0 – 11.6 – 11.5 – 11.3 – 11.9
ラップの
累計タイム
12.6 – 23.2 – 34.4 – 46.4 – 58.0 – 1:09.5 – 1:20.8 – 1:32.7
上り 4F 46.3 – 3F 34.7

*

私、数多いるサンデーサイレンス産駒の中で最も好きだった栗毛馬はスリリングサンデー(1996.4.10)だったのです。スリリングサンデーが現年齢表記3歳初戦の福寿草特別でトゥザヴィクトリー(1996.2.22)ナリタトップロード(1996.4.4)を抑えて逃げ切った時は「これはクラシック候補の一角」と思い、8代血統表を手書きしたのも懐かしい思い出です。続く若駒S(OP)でニシノフラワー(1989.4.19)の息子ニシノセイリュウ(1996.3.12)の2着に敗れ、あまつさえ骨折の憂き目に。ターフに戻って来たのは2年以上経過した2001年の5歳春の京都芝2000m。松永幹夫騎手を背にしたスリリングサンデー、超久々もなんのその、サスガに500万下では力が違うとばかりの逃げ切り勝ち。「おお、サスガ」と思ったのですが、その後の夏の北海道シリーズでは芝2600mの1000万下特別を3戦連続で2着…。どうしても勝てなかったところで、手が河内洋騎手に代わった9月の阪神芝2500mの兵庫特別で勝利を収めると、10月の京都芝2400mの鳴滝特別も2分24秒0で連勝。競馬は時計はすべてではありませんが、鳴滝特別の勝ち時計は翌日同期のテイエムオペラオー(1996.3.13)が制した京都大賞典(GII)よりも速い勝ち時計。ただ、その速い時計での鳴滝特別勝ちが、結果的にスリリングサンデーの最後の勝利となりました。

という訳で、スリリングサンデーの全弟となるダイワメジャー。私にとっては血統的背景から気になる馬であったのは当然で、そしてまた新馬戦のパドックで腹這いになるなど、挙動からも注目を集めた栗毛の流星。その持って生まれた素質が「超大器」であったのは↑で示したGI5勝で大いに示されたのでした。そしてまた、3歳秋に重症化した喘鳴症の手術を受けた後にGI4勝を挙げたのは「お見事」の一言に尽きます。ノド鳴りは兄スリリングサンデーも抱えていて、またダイワメジャーと同い年のハーツクライ(2001.4.15)も症状に苦しめられたことでも知られたように、サンデーサイレンスの仔に顕著に見られた疾病ですが、ダイワメジャーの復帰後の活躍は本当に素晴らしかった。ダイワメジャー自身、厩舎関係者、社台ホースクリニックを含む牧場関係者、オーナーサイド、そしてレースで手綱を取った騎手。馬人が一体となった「頑張り」がもたらした、天皇賞・秋以降のGI勝ちの積み重ねであったと思います。

そうしてダイワメジャーは京都の池の周りを走るマイルGIであるマイルチャンピオンシップでは3年連続出走で2着、1着、1着。すんでのところで勝利を逃した1回目、4歳時の2005年は勝った同い年のハットトリック(2001.4.26)からタイム差なしの「ハナ」差の2着。2回目、5歳時の2006年はやはり同い年の桜花賞(GI)馬ダンスインザムード(2001.4.10)を「クビ」差抑えて天皇賞・秋からのGI連勝。天皇賞・秋とマイルチャンピオンシップの連勝は、1987年のニッポーテイオー(1983.4.21)以来19年ぶりのことでした。3回目、最後の勝利となった6歳時の2007年は差し迫ったスーパーホーネット(2003.3.20)とのタイム差なしの勝負を「ハナ」だけ凌いでマイルGI3連勝。1回目の2005年のマイルチャンピオンシップ2着時に、関西テレビ放送の解説者であった大坪元雄さんが「ダイワメジャーはノドが鳴る馬だけに池の周りを走る京都は良い」というようなことをおっしゃっていた記憶があるのですが、たしかに、京都を走るダイワメジャーは、その強さを存分に発揮していてくれたようにも思います。

ともあれ、中央4場すべてで重賞勝ちを収めていて、うち3場でGI勝ちと、どこの競馬場で走っても強かったダイワメジャー。特に相手に詰め寄られた時の「負けるかい!!」という気概が超一級品で、古馬になってからのGI4勝はいずれもコンマ1秒差以内を勝ち切ってのもの。タイム差なしの好勝負を演じ、勝ち続けてくれたダイワメジャー。21世紀最初のディケイドを飾るスーパーホースの1頭は、私にとっても思い出深い、忘れがたき名マイラーです。

 

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[ダイワメジャー(2001.4.8)の主な競走成績]

  1. 天皇賞・秋(GI)、皐月賞(GI)、安田記念(GI)、マイルチャンピオンシップ(GI)2回、毎日王冠(GII)、マイラーズC(GII)、ダービー卿チャレンジT(GIII)
  2. マイルチャンピオンシップ(GI)、中山記念(GII)、関屋記念(GIII)
  3. 有馬記念(GI)2回、ドバイデューティフリー(UAE・GI)、毎日王冠(GII)、スプリングS(GII)

通算28戦9勝、2着4回、3着5回。

*

マイシンザン
マイシンザン

このサイトの管理人、ダイワメジャーが勝った天皇賞・秋の前日から、珍しく馬券の調子が良かったらしい。

ワイルドブラスター
ワイルドブラスター

プリサイスマシーン(1999.3.13)が14番人気を跳ね返して制したスワンS(GII)の単勝を買っていて、そのまま天皇賞の軍資金になったそうです。

マイシンザン
マイシンザン

で、ダイワメジャーとスウィフトカレント(2001.4.9)で決まった天皇賞の馬連を買っていて「よっしゃあ!!」となったって。

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