SS以降のエクリプス賞年度代表馬を辿る(其の弐拾参)-カリフォルニアクローム(2011.2.18)-

Horse of the Year

カリフォルニアクローム(California Chrome) 牡 栗毛 2011.2.18生生産・米国・Perry Martin and Steve Coburn 馬主・Perry Martin and Steve Coburn→California Chrome LLC 米国・Art Sherman厩舎

カリフォルニアクローム(2011.2.18)の4代血統表
Lucky Pulpit
栗毛 2001.2.10
種付け時活性値:0.25
Pulpit
鹿毛 1994.2.15
A.P. Indy
黒鹿毛 1989.3.31
Seattle Slew 1974.2.15
Weekend Surprise 1980.4.8
Preach
鹿毛 1989.3.26
Mr. Prospector 1970.1.28
Narrate 1980.4.6
Lucky Soph
鹿毛 1992.3.24
Cozzene
芦毛 1980.5.8
Caro 1967.4.11
Ride the Trails 1971.5.28
Lucky Spell
鹿毛 1971.1.28
★Lucky Mel 1954.3.7
Incantation 1965
Love the Chase
栗毛 2006.3.25
仔受胎時活性値:1.00
Not for Love
鹿毛 1990.5.30
種付け時活性値:1.75
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Dance Number
鹿毛 1979.3.28
Northern Dancer 1961.5.27
Numbered Account 1969.4.8 ♀
Chase It Down
栗毛 1997.5.3
仔受胎時活性値:2.00
Polish Numbers
鹿毛 1987.3.25
種付け時活性値:0.25
Danzig 1977.2.12
Numbered Account 1969.4.8 ♀
Chase the Dream
鹿毛 1984.3.11
仔受胎時活性値:1.00
Sir Ivor
鹿毛 1965.5.5
種付け時活性値:0.50
La Belle Fleur
鹿毛 1977.5.30
仔受胎時活性値:1.50

<5代血統表内のクロス:Mr. Prospector4×3、Numbered Account(♀)4×4(母方)、Northern Dancer4×5(母方)>

カリフォルニアクローム(2011.2.18)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Lucky Pulpit
(Seattle Slew系)
Not for Love
(Mr. Prospector系)
Polish Numbers
(Danzig系)
Sir Ivor
(Sir Gaylord系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Not for Love
(Tom Fool)
5.50
(No. A4)
初仔

*

2014年の第140回ケンタッキーダービー(米GI。チャーチルダウンズ・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 カリフォルニアクローム 牡3 57.2 Victor Espinoza 2:03.66 Art Sherman 1
2 17 Commanding Curve 牡3 57.2 Shaun Bridgmohan 1 3/4 Dallas Stewart 17
3 4 Danza 牡3 57.2 Joe Bravo 1 1/4 Todd Pletcher 3
4 20 Wicked Strong 牡3 57.2 Rajiv Maragh 2 3/4 James Jerkens 2
5 6 Samraat 牡3 57.2 Jose L Ortiz ハナ Richard Violette Jr 7

*

2014年の第139回プリークネスS(米GI。ピムリコ・ダート9.5F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 カリフォルニアクローム 牡3 57.2 Victor Espinoza 1:54.84 Art Sherman 1
2 10 Ride On Curlin 牡3 57.2 Joel Rosario 1 1/2 William G Gowan 3
3 8 Social Inclusion 牡3 57.2 Luis Contreras 6 1/2 Manuel J Azpurua 2
4 2 General A Rod 牡3 57.2 Javier Castellano アタマ Michael J Maker 7
5 4 Ring Weekend せん3 57.2 Alan Garcia 4 1/4 H Graham Motion 9

*

2014年のハリウッドダービー(米GI。デルマー芝9F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 カリフォルニアクローム 牡3 55.3 Victor Espinoza 1:47.88 Art Sherman 1
2 2 レキシールー 牝3 54.4 Corey S Nakatani 2 Mark Casse 2
3 1 Talco 牡3 55.3 Drayden Van Dyke 1 John W Sadler 5
4 4 Sawyer’s Hill 牡3 55.3 Rafael Bejarano 1 3/4 Kristin Mulhall 3
5 6 Cabral せん3 55.3 Kent J Desormeaux 3 1/4 Leonard Powell 6

*

2016年の第21回ドバイワールドカップ(UAE・GI。メイダン・ダート2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 11 カリフォルニアクローム 牡5 57 Victor Espinoza 2:01.83 Art Sherman 1
2 4 Mubtaahij 牡4 57 Christophe Soumillon 3 3/4 M F De Kock 6
3 10 Hoppertunity 牡5 57 Flavien Prat クビ Bob Baffert 7
4 5 Special Fighter 牡5 57 Fernando Jara 1 1/4 M Al Mheiri 4
5 9 Frosted 牡4 57 William Buick クビ Kiaran McLaughlin 1

*

2016年の第26回パシフィッククラシックS(米GI。デルマー・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 1 カリフォルニアクローム 牡5 56.2 Victor Espinoza 2:00.13 Art Sherman 1
2 7 Beholder 牝6 54 Gary Stevens 5 Richard E Mandella 3
3 8 Dortmund 牡4 56.2 Rafael Bejarano 2 1/4 Bob Baffert 2
4 2 Hoppertunity 牡5 56.2 Flavien Prat 1 Bob Baffert 4
5 9 Dalmore せん3 53.5 Kent J Desormeaux 8 1/2 J Keith Desormeaux 5

*

2014年と2016年のエクリプス賞年度代表馬、カリフォルニアクローム。まさか彼の名前をカタカナ表記できるとは思いもよりませんでした^^;

G1・7勝のカリフォルニアクロームが日本で種牡馬入り 株式会社ジェイエス発表 | 競馬ニュース - netkeiba
株式会社ジェイエスは20日、米国で2014・16年の2度、年度代表馬に選出されたカリフォルニアクロームを来年度からアロースタッドで供用すると発表した。 カリフォルニアクロームは父Lucky Pulp… No.1競馬情報サイト「netkeib...

サンデーサイレンス(1986.3.25)の血を導入しようと奮闘された日高地区の生産者の皆さんの心意気、産駒に伝わることをただただ祈るのみです。

そんなカリフォルニアクローム。Decidedly(1959.3.3)以来、実に52年ぶりの「カリフォルニア産馬による『ラン・フォー・ザ・ローゼス』制覇」を果たしました。第140代ケンタッキーダービー馬の称号を勝ち得たその勝利は、管理されたアート・シャーマン調教師に、77歳にして調教師として初出走となったケンタッキーダービーで、見事に「ダービートレーナー」の称号をプレゼントすることとなりました。

話題性にも事欠かないケンタッキーダービー有力候補、カリフォルニアクローム - 合田直弘 | 競馬コラム - netkeiba
◆2歳秋までのカリフォルニアクロームは、その辺にゴロゴロいる「その他大勢」の1頭に過ぎない馬だった 4月5日(土曜日)に西海岸サンタアニタで行われたG1サンタアニタダービー(d9F)は、カリフォルニア… No.1競馬情報サイト「netkei...

シャーマン師は、カリフォルニア産馬として初めてケンタッキーダービーを制したSwaps(1952.3.1)の攻め馬手をなされていたとか。むぅ、人に歴史あり、ですね。

そしてまた、カリフォルニアクロームは正に「チャンスブレッド」という血統馬と言えるでしょう。父Lucky Pulpitは北米3勝でサンタカタリーナS(米GII)2着、ジェネラスS(米GIII)3着1回という、マイナーな成績。母父Not for Loveは北米6勝でステークス3着、さらに祖母父Polish Numbersも北米4勝でステークス2着という、輪を掛けてのマイナーな成績。ボトムラインを見ても、Gレース勝ち馬は5代母Princess Ribot(1964.4.23)の仔Cascapedia(1973.4.20)がヴァニティH(米GI)、ミレイディH(米GII)、ハニムーンH(米GIII)を制して米最優秀古馬牝馬を獲得、というところまで遡らなければなりません。けれど、走るものは、走る。

併せて、

「今年こそ」3冠馬誕生なるか?カリフォルニアクローム - 合田直弘 | 競馬コラム - netkeiba
◆母の購買金額と父の種付け料を合計しても100万円に満たない元手で生産した馬がカリフォルニアクローム 3日(土曜日)、第140回ケンタッキーダービーが、舞台となったチャーチルダウンズ競馬場に16万49… No.1競馬情報サイト「netkei...

によりますと、

カリフォルニアクロームは、ネヴァダ州のカリフォルニアとの州境にあるトパーズレイクに住むスティーヴとキャロラインのコバーンズ夫妻と、カリフォルニア州北部のユバシティに住むペリーとデニスのマーティン夫妻という、二組のカップルによる自家生産馬

2組のカップルの自家生産馬はそのまま2組のカップルの持ち馬でしたが、「2組のカップルの持ち馬でチャンスブレッド。さらに母の初仔」というと、California Chromeの直父系4代父であるSeattle Slewを思い起こさせます。

  

カリフォルニアクロームが真に偉大と思うのは、2014年の3歳時にケンタッキーダービー、プリークネスSの2冠を果たし、ベルモントS(米GI)4着と敗れたものの、年末の最終戦に地元カリフォルニア州のハリウッドダービー(米GI)で芝GIも勝ったところ。そして2015年以降も現役を続行し、2015年の4歳時こそ故障等があり勝利を収められなかったものの、2016年の5歳時に見事な復活を見せて再び年度代表馬に輝いたところ。特に2016年はブリーダーズカップ・クラシック(米GI)こそArrogate(2013.4.11)に2分の1馬身で惜敗でしたけれど、年度成績は[7-1-0-0]。4歳時の故障を乗り越えて、5歳になってから真価を見せたのが素晴らしい。

アメリカンドリームの体現馬だったカリフォルニアクローム。「2組のカップルの持ち馬でチャンスブレッド。さらに母の初仔」だった直父系4代父Seattle Slew同様、競走馬としてだけではなく、種牡馬としても大活躍してほしいもの。1ファンとして、切に願っています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[カリフォルニアクロームの主な競走成績]

  1. ケンタッキーダービー(米GI)、プリークネスS(米GI)、ドバイワールドカップ(UAE・GI)、サンタアニタダービー(米GI)、ハリウッドダービー(米GI)、パシフィッククラシックS(米GI)、オーサムアゲインS(米GI)、サンディエゴH(米GII)、サンパスカルS(米GII)、サンフェリペS(米GII)
  2. ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)、ドバイワールドカップ(米GI)、サンアントニオ招待S(米GII)
  3. ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)

通算27戦16勝、2着4回、3着1回。

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