The Platinum Queen(2020.2.7)-第66回アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI)の勝ち馬-

Result

The Platinum Queen(ザプラチナムクイーン) 牝 鹿毛 2020.2.7生 愛国・Tally-Ho Stud生産 馬主・Middleham Park Racing XV 英国・Richard Fahey厩舎

The Platinum Queen(2020.2.7)の4代血統表
Cotai Glory
栗毛 2012.1.28
種付け時活性値:1.75【7】
Exceed And Excel
鹿毛 2000.9.5
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Patrona
栗毛 1994.3.24
Lomond 1980.2.3
Gladiolus 1974.4.16
Continua
栗毛 2007.5.1
Elusive Quality
鹿毛 1993.1.27
★Gone West 1984.3.10
Touch of Greatness 1986.4.30
Infinite Spirit
栗毛 1999.3.19
Maria’s Mon 1993.4.24
エターナルレーヴ 1991.3.27
Thrilled
鹿毛 2013.3.19
仔受胎時活性値:1.50【6】
Kodiac
鹿毛 2001.4.28
種付け時活性値:0.75【11】
デインヒル
鹿毛 1986.3.26
Danzig 1977.2.12
Razyana 1981.4.18
Rafha
鹿毛 1987.2.19
Kris 1976.3.23
Eljazzi 1981.4.12
Fuerta Ventura
黒鹿毛 2002.3.20
仔受胎時活性値:0.50【10】
Desert Sun
鹿毛 1988.3.21
種付け時活性値:1.25【13】
Green Desert 1983.4.16
Solar 1973
Cradle Brief
栗毛 1997.3.21
仔受胎時活性値:1.00【4】
Brief Truce
鹿毛 1989.5.8
種付け時活性値:1.75【7】
Lady Redford
芦毛 1987.2.15
仔受胎時活性値:0.25【9】

<5代血統表内のクロス:デインヒル3×3、Danzig4×4×5、Northern Dancer5×5×5>

The Platinum Queen(2020.2.7)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Cotai Glory
(デインヒル系)
Kodiac
(デインヒル系)
Desert Sun
(Danzig系)
Brief Truce
(Riverman系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Cotai Glory 3.25
(【6】+【10】+【4】+【9】)
遡ればOscar Schindlerと同牝系
(No. 9-e)
?

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2022年の第66回アベイ・ド・ロンシャン賞(仏GI。パリロンシャン芝1000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 19 The Platinum Queen 牝2 52.5 Hollie Doyle 58.65 Richard Fahey 1
2 16 White Lavender 牝4 60.5 Clifford Lee 短クビ K R Burke 11
3 5 Coeur De Pierre せん6 62 Tony Piccone クビ M Delcher Sanchez 2
4 13 Mo Celita 牝4 60.5 Jason Hart 1 3/4 Adrian Nicholls 5
5 3 Moss Tucker せん4 62 Shane Foley 1/2 K J Condon 14
​2歳馬の優勝は44年ぶり、ザプラチナムクイーンが仏G1アベイドロンシャン賞で歴史的勝利 | JRA-VAN Ver.World
 現地2日、仏パリロンシャン競馬場でG1アベイドロンシャン賞(2歳以上、芝1000m)が行われ、ザプラチナムクイーンが44年ぶりに2歳馬の勝利という快挙を達成した。  スタート直後からハナには立てな

2022年の第66回アベイ・ド・ロンシャン賞。44年ぶりの2歳馬による勝利を収めたのは、現地ブックメーカーで1番人気に推されたThe Platinum Queen。18頭立てのパリロンシャン芝1000m、スタートから400m程の地点で先頭に立つと、今秋は夫婦でJRA短期免許を初取得となるホリー・ドイル騎手に鼓舞されて、後続の年長馬たちが差し迫ったところを一杯に粘り切りました。The Platinum Queen、1978年の第22回のSigy(1976.3.9)以来44年ぶり、史上8頭目の2歳馬によるアベイ・ド・ロンシャン賞制覇は、The Platinum Queen自身初のグループレース優勝と共に、鞍上のドイル騎手にとってもパリロンシャン競馬場の初勝利となりました。

The Platinum Queen、6月のリポン芝5ハロンのデビュー戦1着、返す刀のロイヤルアスコット芝5ハロンのクイーンメアリーS(英GII)13着の後、7月のヨーク芝5ハロン1着、グッドウッド芝5ハロン1着と連勝。そして8月のヨーク芝5ハロンのナンソープS(英GI)では、出走が取り沙汰されたフェニックスS(愛GI)勝ち馬Little Big Bear(2020.1.15)の代わりという訳ではありませんが、2歳馬唯1頭だけ果敢に挑戦してHighfield Princess(2017.5.9)から2と2分の1馬身差の2着。Highfield Princessはモーリス・ド・ゲスト賞(仏GI)、ナンソープS、そしてフライングファイブS(愛GI)とGI3連勝中の強豪短距離牝馬ですから、これは相手も強かったというところ。The Platinum Queen、必勝を期して9月の2歳牝馬戦であるドンカスター芝5ハロンのフライングチルダースS(英GII)に臨みましたが、Trillium(2020.4.7)に短アタマ差の2着。そうして改めて年長馬に挑んだのが、10月の凱旋門賞(仏GI)ウィークのアベイ・ド・ロンシャン賞でした。

*

アベイ・ド・ロンシャン賞はナンソープS同様に競走年齢に達した2歳以上馬が出走できるオールエイジドのステークスであり、上述の通り66回の歴史で8頭の2歳馬が制しています。8頭を順に辿りますと、

  1. Texana(1955.5.12)
    →1957年の第1回の勝ち馬。アランベール賞、サンジョルジュ賞も勝利。後述のTexanitaの全姉。牝馬
  2. Sly Pola(1957.3.18)
    →1959年の第3回の勝ち馬。ロベールパパン賞、グロシェーヌ賞、グロット賞も勝利。牝馬
  3. High Bulk(1958)
    →1960年の第4回の勝ち馬。グロシェーヌ賞、ボワ賞も勝利。本邦輸入種牡馬ニンバス(1946)の仔。牝馬
  4. Texanita(1961.4.12)
    →1963年の第7回の勝ち馬。第8回も制してレース史上初の連覇達成。プティクヴェール賞2回、アランベール賞、グロシェーヌ賞、セーネワーズ賞も勝利した1960年代の仏国の名短距離馬。2022年現在、その名を冠したテクサニタ賞(仏GIII)がメゾンラフィット芝1100mで開催されています。前述のTexanaの全妹。牝馬
  5. シルバーシヤーク(1963)
    →1965年の第9回の勝ち馬。ムーラン・ド・ロンシャン賞、イスパーン賞、ジャンプラ賞、ウジェーヌアダム賞、ダフニス賞、プティクヴェール賞、ラロシェット賞なども制した1960年代の仏国の名マイラー。シーバードパーク(1976.4.3)の父にして、オグリキャップ(1985.3.27)&オグリローマン(1991.5.20)兄妹、キャロルハウス(1985.3.5)の母父
  6. Farhana(1964)
    →1966年の第10回の勝ち馬。アランベール賞も勝利。牝馬
  7. Sigy(1976.3.9)
    →1978年の第22回の勝ち馬。アランベール賞(仏GIII)、グロシェーヌ賞(仏GIII)も勝利。牝馬
  8. The Platinum Queen(2020.2.7)
    →2022年の第66回の勝ち馬。本稿の主役。牝馬

レース開始当初の10回までに6頭の2歳馬が勝利を収めていました。そしてまた名前を挙げた8頭の内7頭が牝馬。66回の歴史において2歳牡馬で制したのは、明和牧場で繋養されたことでもおなじみのシルバーシヤーク唯1頭だけ。

シルバーシヤークの名前が出ましたが、アベイ・ド・ロンシャン賞は日本にも縁の深い仏国の1000m戦です。関わりのあるところに触れておきますと、

  • フオルテイノ(1959.4.19)
    →1962年の第6回の勝ち馬。モートリー賞、サンジョルジュ賞も勝利。海外ではCaro(1967.4.11)を通じて21世紀の現在も直父系がしぶとく生き残っています。日本ではシービークロス(1975.5.5)がタマモクロス(1984.5.23)ホワイトストーン(1987.4.2)を輩出
  • デイープダイバー(1969)
    →1972年の第16回の勝ち馬。ナンソープS(英GII)、ジュライS(英GIII)、プティクヴェール賞(仏GIII)、コーンウォリスS(英GIII)、アランベール賞も勝利。タイムフォームレーティングでは1971年の2歳時と1973年の3歳時にトップに輝いた名短距離馬。英語版Wikipediaの「Deep Diver (horse)」で手厚く記されています
  • モバリツズ(1971.4.25)
    →1974年の第18回の勝ち馬。プティクヴェール賞(仏GIII)も勝利。CBC賞(GIII)と阪急杯(GIII)を制したセントシーザー(1982.4.15)の父にして、バンブーメモリー(1985.5.14)&バンブーゲネシス(1989.5.21)兄弟、アマゾンオペラ(1991.4.6)の母父
  • ジヨンテイオンブル(1973.4.2)
    →1976年の第20回と1977年の第21回を連覇。彼が制した1回目の第20回はMendip Man(1972)との同着1着でしたが、その第20回からGI昇格となりました。他にジュライC(英GII)、ダイアデムS(英GIII)、コーク&オラリーS(英GIII)も勝利。タイムフォームレーティングでは1977年の4歳時にベストスプリンターに選出。英語版Wikipediaの「Gentilhombre (horse)」で手厚く記されています。シンザン記念(GIII)と京都4歳特別(GIII)を制したキタヤマザクラ(1981.4.16)、忘れな草賞(OP)勝ち馬にして優駿牝馬(GI)3着のダドリアバンブー(1981.6.8)の父。私がパッと思い付いたのは、ティコティコタック(1997.3.11)の祖母父
  • アグネスワールド(1995.4.28)
    →1999年の第43回の勝ち馬。日本調教馬によるアベイ・ド・ロンシャン賞初勝利。鞍上は武豊騎手
  • Imperial Beauty(1996.2.13)
    →2001年の第45回の勝ち馬。鞍上はこの2001年にジョン・ハモンド厩舎の主戦騎手を務められていた武騎手で、日本人騎手初のアベイ・ド・ロンシャン賞2勝目

シブイ輸入種牡馬の名前が並んだり、ユタカさんの2勝があったり。フオルテイノの活躍は言わずもがなですが、モバリツズとジヨンテイオンブルに関連する馬からはバンブー牧場さんと武一家を思いました。後ですね、ダンサーズイメージ(1965.4.10)が好きな私は、直仔の名牝Lianga(1971)が1975年の第19回の勝利を収めていることも触れておきたいと思います。そしてまた、弊サイトで紹介しているアベイ・ド・ロンシャン賞の勝ち馬と言いましたら、

カルティエ賞年度代表馬を辿る(其の参)-Lochsong(1988.4.26)-
Lochsong(ロックソング) 牝 鹿毛 1988.4.26生~2014.5.27没 英国・Littleton Stud生産 馬主・Jeff C. Smith 英国・Ian Balding厩舎

1993年のカルティエ賞年度代表馬、Lochsong(1988.4.26)。1993年の第37回を6馬身差、1994年の第38回を5馬身差で連覇。1000m戦で5馬身以上の差となりますと、これはインパクトが大きいでしょう。という訳でLochsong、ナンソープSとアベイ・ド・ロンシャン賞という英仏の短距離GI2勝を収めた1993年にカルティエ賞年度代表馬の受賞と相成りました。

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The Platinum Queen自身に関わる記載が少なく、アベイ・ド・ロンシャン賞そのものの話題が先行してしまい、恐れ入ります。ともあれ、44年ぶりの快挙を成し遂げた快速娘The Platinum Queen。時節とその馬名からは、今年2022年9月8日に崩御されたエリザベス2世女王陛下を思うところです。天上の「The Queen」にも届いたかな、The Platinum Queenのアベイ・ド・ロンシャン賞勝利。

The Platinum Queen、うら若き短距離女王の未来に幸多からんことを。

  

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。