Mostahdaf(モスターダフ) 牡 青鹿毛 2018.5.4生 愛国・Shadwell Estate Company Limited生産 馬主・ Shadwell Estate Company Ltd 英国・John & Thady Gosden厩舎
Frankel 鹿毛 2008.2.11 種付け時活性値:0.25【9】 |
▲ Galileo 鹿毛 1998.3.30 |
★Sadler’s Wells 鹿毛 1981.4.11 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Fairy Bridge 1975.5.4 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
Allegretta 1978.3.10 | |||
Kind 鹿毛 2001.4.21 |
デインヒル 鹿毛 1986.3.26 |
★Danzig 1977.2.12 | |
Razyana 1981.4.18 | |||
Rainbow Lake 鹿毛 1990.4.10 |
★Rainbow Quest 1981.5.15 | ||
Rockfest 1979.3.12 | |||
Handassa 青鹿毛 2008.3.28 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Dubawi 鹿毛 2002.2.7 種付け時活性値:1.25【5】 |
Dubai Millennium 鹿毛 1996.3.20 |
Seeking the Gold 1985.4.7 |
Colorado Dancer 1986.2.13 | |||
Zomaradah 鹿毛 1995.2.21 |
Deploy 1987.5.15 | ||
Jawaher 1989.5.13 | |||
Starstone 青鹿毛 2003.3.28 仔受胎時活性値:1.00【4】 |
ディクタット 黒鹿毛 1995.2.25 種付け時活性値:1.75【7】 |
ウォーニング 1985.4.13 | |
アルヴォラ 1990.5.1 | |||
Star 鹿毛 1995.1.27 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Most Welcome 栗毛 1984.4.15 種付け時活性値:0.50【10】 |
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Marista 鹿毛 1977.4.21 仔受胎時活性値:0.25【17】 |
<5代血統表内のクロス:Sadler’s Wells3×5、Northern Dancer4×5、Mr. Prospector5×5、Slightly Dangerous(♀)5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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Frankel (Galileo系) |
Dubawi (Mr. Prospector系) |
ディクタット (Intent系) |
Most Welcome (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ディクタット (Ahonoora) |
3.25 (【9】+【4】+【7】+【17】) |
半姉が英GI2勝馬 (No. 14-f) |
5番仔? (5連産目?) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
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1 | 1 | Mostahdaf | 牡5 | 60.8 | Frankie Dettori | 2:06.40 | John & Thady Gosden | 2 |
2 | 2 | Nashwa | 牝4 | 59.4 | Hollie Doyle | 1 | John & Thady Gosden | 3 |
3 | 3 | Paddington | 牡3 | 57.6 | Ryan Moore | クビ | A P O’Brien | 1 |
4 | 4 | The Foxes | 牡3 | 57.6 | Oisin Murphy | 6 | Andrew Balding | 4 |
毎年8月にヨーク競馬場で行われる伝統のイボア・フェスティバル。その初日を飾る英インターナショナルSの第52回は少数精鋭とばかりに4頭立て。1番人気は愛2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、エクリプスS(英GI)、サセックスS(英GI)と2023年のGI4連勝、2歳戦から7連勝中だった3歳牡馬Paddington(2020.4.2)。2番人気が前走ロイヤルアスコット開催のプリンスオブウェールズS(英GI)でLuxembourg(2019.3.24)、Bay Bridge(2018.4.1)、Adayar(2018.3.31)等を打ち破ってGI初勝利を遂げていた5歳牡馬Mostahdaf。3番人気が昨年2022年のディアヌ賞(仏GI)の勝ち馬でナッソーS(英GI)、ファルマスS(英GI)と仏英GI3勝の4歳牝馬Nashwa(2019.5.9)。4番人気がダンテS(英GII)、ロイヤルロッジS(英GII)と英GII2勝の3歳牡馬The Foxes(2020.3.27)。
そんな英インターナショナルSの2023年の一戦を制したのは、見目麗しい青鹿毛の馬体に青白の染め分け帽、青白の勝負服をまとったランフランコ・デットーリ騎手を背にしたMostahdaf。好スタートから先頭に立つと、道中は3、4馬身ほど引き離した番手にPaddington、さらに2馬身差の3番手にNashwa、最後にThe Foxesという隊列。少頭数の競馬ではそうそう馬順に変動が起こることも、無く淡々とした流れで進みました。先頭を行くMostahdafの鞍上デットーリ騎手は、Paddingtonの位置を測るように、時折後続との差を確認されていました。
そうしてヨーク芝の直線4.5ハロンを迎えると、徐々に徐々に馬人の動きが激しくなりました。ラスト2.5ハロンを切ったあたりで馬場中央から内に切れ込みながら追い出したMostahdaf、これはフランキーの技の冴えが素晴らしく、Paddington、Nashwaと後に続いた馬たちの進路の判断を一瞬迷わせるように、オブストラクションを取られないギリギリのところで被せに行ったようにも見えます。この距離感の測り方がサスガに当代随一の世界的騎手、ホンマに今年2023年いっぱいで辞められるんでっか、デットーリ騎手^^;。ウマすぎまっせ、やっぱり。最後は内のNashwa、外のPaddingtonとの激しい競り合いになりましたけれど、決勝点前でもうひと伸びを見せたMostahdafが「1馬身」「クビ」と先んじたところが、ヨーク芝10ハロン56ヤードのゴールポストでした。
Mostahdaf、プリンスオブウェールズSに続いて英インターナショナルSも制して、エクリプスSの勝ち馬Paddingtonに対して「中距離王は俺だ」とばかりに年長牡馬の意地を見せてくれました。Mostahdafは競走成績を辿れば2022年のゴードンリチャーズS(英GIII)1着、ブリガディアジェラードS(英GIII)2着、2023年のネオムターフC(沙GIII)1着、プリンスオブウェールズS1着、そして英インターナショナルS1着と10ハロンから10.5ハロンの距離では5戦4勝、2着1回という安定した強さを見せています。12ハロン級でも2022年のセプテンバーS(英GIII)1着、ハードウィックS(英GII)2着がありますが、成績を見れば適正はインターミディエイトの距離なのでしょう。
そしてMostahdafの鞍上を務めたデットーリ騎手。今回はシャドウェルの主戦騎手であるジム・クローリー騎手が”キング・ジョージ”(英GI)をHukum(2017.4.2)で制した際に受けた騎乗停止処分により、テン乗りの代打騎乗でしたけれど、最高の結果を見せてくれました。最後の英インターナショナルSの騎乗で勝利を収めたフランキー、Halling(1991.3.14)、Singspiel(1992.2.25)、Sakhee(1997.2.14)、Sulamani(1999.4.9)、Authorized(2004.2.14)、そしてMostahdafと英インターナショナル6勝目は、5勝で並んでいたレスター・ピゴットさんを抜いて、騎手として単独最多勝となりました。
またMostahdaf、Nashwaの管理馬2頭でワンツーフィニッシュを決めたジョン&タディ・ゴスデン厩舎は2018年のRoaring Lion(2015.3.11)、2021年のMishriff(2017.4.1)に続いて英インターナショナルS3勝目。そしてまた馬主であるシャドウェルは昨年2022年のBaaeed(2018.4.8)に続いて2年連続勝利となりました。Baaeedの衝撃の6馬身半差からもう1年経ったのかと思うと、時の流れの速さを感じます^^;
Mostahdaf、10ハロン級のレースぶりを思えば、次走は9月の愛チャンピオンS(GI)か10月の英チャンピオンS(GI)ではないでしょうか。日程の間隔や、オーナーサイドからすれば昨年の雪辱を果たすべく、Mostahdafが既にGIを制している舞台でもあるアスコット芝9ハロン212ヤードになりますでしょうか。青鹿毛の美麗馬の蹄が次に向かう先も楽しみにしたいと思います。
それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。