第34回ブリーダーズカップ・クラシック(米GI)の勝ち馬

Result

Gun Runner 牡 栗毛 2013.3.8生 米国・Besilu Stables LLC生産 馬主・Winchell Thoroughbreds LLC & Three Chimneys Farm 米国・Steven Asmussen厩舎

Gun Runner(2013.3.8)の4代血統表
Candy Ride(ARG)
鹿毛 1999.9.27
種付け時活性値:1.125
Ride the Rails
黒鹿毛 1991.3.5
Cryptoclearance
黒鹿毛 1984.4.9
Fappiano 1977.5.19
Naval Orange 1975.5.26
Herbalesian
鹿毛 1969.4.29
Herbager 1956.4.19
Alanesian 1954.4.28
Candy Girl
栗毛 1990.7.7
Candy Stripes
栗毛 1982.4.12
Blushing Groom 1974.4.8
バブルカンパニー 1977.4.5
City Girl
栗毛 1982
Farnesio 1974.10.15
Cithara 1975
Quiet Giant(USA)
鹿毛 2007.4.22
仔受胎時活性値:1.25
Giant’s Causeway(USA)
栗毛 1997.2.14
種付け時活性値:0.25
Storm Cat
黒鹿毛 1983.2.27
Storm Bird 1978.4.19
Terlingua 1976.2.7
Mariah’s Storm
鹿毛 1991.4.1
Rahy 1985.2.18
イメンス 1979.3.17
Quiet Dance(USA)
芦毛 1993.1.25
仔受胎時活性値:1.25
Quiet American(USA)
鹿毛 1986.4.29
種付け時活性値:1.50
Fappiano 1977.5.19
Demure 1977.4.4
Misty Dancer(USA)
芦毛 1988.5.6
仔受胎時活性値:1.00
Lyphard(USA)
鹿毛 1969.5.10
種付け時活性値:0.50
Flight Dancer(USA)
芦毛 1968.4.18
仔受胎時活性値:0.75

<5代血統表内のクロス:Fappiano4×4、Blushing Groom4×5、Lyphard5×4、Northern Dancer5×5>

Gun Runner(2013.3.8)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
Candy Ride
(Mr. Prospector系)
Giant’s Causeway
(Storm Cat系)
Quiet American
(Mr. Prospector系)
Lyphard
(Northern Dancer系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Quiet American
(Quiet Dance)
4.25 伯父Saint Liam
(No. 17-b)
初仔

*

第34回ブリーダーズカップ・クラシック(米GI。デルマー・ダート10F)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 5 Gun Runner 牡4 57.2 Florent Geroux 2:01.29 Steven Asmussen 2
2 11 Collected 牡4 57.2 Martin Garcia 2 1/4 Bob Baffert 4
3 8 West Coast 牡3 55.3 Javier Castellano 1 1/4 Bob Baffert 3
4 4 War Story せん5 57.2 Jose L Ortiz 1/2 Jorge Navarro 10
5 1 Arrogate 牡4 57.2 Mike E Smith 2 1/4 Bob Baffert 1

2017年の第34回ブリーダーズカップ・クラシック。米国競馬の覇者の走りを見せたGun Runner。好発から終始先頭。栗毛が夕映えにゆれてGun Runner、第36回スティーブンフォスターH(米GI)を7馬身差、第90回ホイットニーS(米GI)を5と4分の1馬身差、第64回ウッドワードS(米GI)を10と4分の1馬身差と、いずれも逃げ先行で圧勝してきた充実ぶりそのままに、ブリーダーズカップ・クラシックも2着のCollected(2013.3.24)に2と4分の1馬身差の完勝でした。

今回のブリーダーズカップ・クラシックはデルマー競馬場のダート10Fで行われましたが、このコースのトラックレコードを持っているのが、Gun Runnerの父であるCandy Ride。2003年の第13回パシフィッククラシックS(米GI)で叩き出した1分59秒11は、14年経った現在も燦然と輝いています。

第13回パシフィッククラシックS(米GI。デルマー・ダート10F)の結果


馬名 性齢
騎手 走破時計
・着差
調教師
1 3 Candy Ride 牡4 56.2 Julie Krone 1:59.11 Ronald McAnally 2
2 2 Medaglia d’Oro 牡4 56.2 J D Bailey 3 1/4 Robert Frankel 1
3 1 Fleetstreet Dancer 牡5 56.2 Tyler Baze 7 Doug O’Neill 4
4 5 Milwaukee Brew 牡6 56.2 Edgar S Prado 2 Robert Frankel 3

亜国産のCandy Rideは、現役時代に6戦6勝。デビュー戦を制した後、ホアキン・S.デ・アンチョレナ大賞(亜GI)、サンイシドロ大賞(亜GI)とGI2勝を遂げ亜国3戦3勝で米国に移籍。半年間の休養の後、米国で出走してクレーミング競走、アメリカンH(米GII)、そしてパシフィッククラシックSと米国でも3戦3勝。パシフィッククラシックSはMedaglia d’Oro(1999.4.11)を向こうに回して、3と4分の1馬身差を着けてのレコード勝ち。見れば、今年2017年のブリーダーズカップは、クラシックをCandy Rideの仔が勝ち、ターフをMedaglia d’Oroの仔が勝つという結果でした。そしてまた、パシフィッククラシックSの3着の名前にも見覚えがあります。Fleetstreet Dancer(1998.5.12)。そう、パシフィッククラシックSの3ヶ月後、大雨の不良馬場の中で行われた第4回ジャパンカップダート(現チャンピオンズカップ、GI)において、東京ダート2100mを2分9秒2のレコードで勝った、フリートストリートダンサーですね。

閑話休題。Gun Runner、父が強さを見せ付けたデルマー・ダート10Fの舞台で、同じように強さを見せ付けたのでした。そんなGun Runnerの、ごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

Misty Dancer 1988.5.6 0勝
|Quiet Dance 1993 6勝 デムワーゼルS(米GII)2着
||Saint Liam 2000.4.13 9勝 ブリーダーズカップ・クラシック(米GI) ウッドワードS(米GI) スティーブンフォスターH(米GI) ドンH(米GI)ほか
||Congressionalhonor 2001.4.14 2勝 ベイメドウズダービー(米GIII)
||Beatem Buster 2003.5.5 不出走
|||Buster's Ready 2008.2.13 4勝 マザーグースS(米GI)ほか
||Quiet Giant 2007.4.22 7勝 モリーピッチャーS(米GII)
|||Gun Runner 2013.3.8 (本馬) ブリーダーズカップ・クラシック ウッドワードS ホイットニーS(米GI) スティーブンフォスターH クラークH(米GI)ほか
||Miss Besilu 2011.3.7 2勝 アラバマS(米GI)3着 CCAオークス(米GI)3着
|Fog Dance 1999.2.5 0勝
||Rolling Fog 2010.3.1 2勝 デルマーフューチュリティ(米GI)

母が米GII勝ち馬で、伯父がSaint Liamと来れば、これは活力十分な17号族b分枝系。伯父の代表勝ち鞍とGun Runnerの代表勝ち鞍が似通っていますが、米国の最強路線をひた走れば、当然そうなりますよね^_^;。伯父Saint Liamは種牡馬供用1年で惜しくも落命してしまいましたが、その初年度産駒に2011年のエクリプス賞年度代表馬Havre de Grace(2007.5.12)がいました。17号族b分枝系と言えば、Gun Runnerの曾祖母父でもあるLyphardと同系であり、繁殖能力も確かな牝系なのでしょう。気が早いですが、種牡馬Gun Runnerにも期待が掛かります。

最後に。既報によると、第34回ブリーダーズカップ・クラシックが引退レースだったArrogate(2013.4.11)。結果的に、第22回ドバイワールドカップ(UAE・GI)の厳しいレースが、彼の気持ちに「イヤイヤ」を与えてしまったのかも知れない、と感じました。勝ったGIレースは、どれもこれも、メチャクチャ強かった。超新星として現れた2016年の第147回トラヴァーズS(米GI)California Chrome(2011.2.18)との一騎打ちを制した第33回ブリーダーズカップ・クラシック。明けて2017年の初戦となった世界最高賞金額を競った第1回ペガサスワールドカップ(米GI)、そしてまさか最後の勝利になるとは思わなかった第22回ドバイワールドカップ。2010年代後半における、世界の競馬を語る上で欠かせない名馬、Arrogate。無事に走り終えた今、次のステージでの活躍を期待しています。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

<参考WEB>

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