年度代表馬の同期生を辿る(其の参)-スーパークリーク(1985.5.27)-。

Series

スーパークリーク 牡 鹿毛 1985.5.27生~2010.8.29没 門別・柏台牧場 馬主・木倉誠氏 栗東・伊藤修司厩舎

スーパークリーク(1985.5.27)の4代血統表
ノーアテンシヨン
鹿毛 1978.3.1
種付け時活性値:1.50【6】
Green Dancer
鹿毛 1972.4.14
Nijinsky
鹿毛 1967.2.21
Northern Dancer 1961.5.27
Flaming Page 1959.4.24
Green Valley
黒鹿毛 1967.4.17
Val de Loir 1959.5.7
Sly Pola 1957.3.18
No No Nanette
芦毛 1973.2.4
★Sovereign Path
芦毛 1956
Grey Sovereign 1948.3.30
Mountain Path 1948
Nuclea
青毛 1961
Orsini 1954.4.10
Nixe 1941
ナイスデイ
鹿毛 1979.5.24
仔受胎時活性値:1.25【5】
インターメゾ
黒鹿毛 1966
種付け時活性値:1.00【12】
Hornbeam
栗毛 1953
Hyperion 1930.4.18
Thicket 1947
Plaza
鹿毛 1958
Persian Gulf 1940
Wild Success 1949
サチノヒメ
黒鹿毛 1957.2.14
仔受胎時活性値:1.25【21】
Sayajirao
黒鹿毛 1944
種付け時活性値:1.00【12】
Nearco 1935.1.24
Rosy Legend 1931
セントマキシム
鹿毛 1950
仔受胎時活性値:1.50【6】
★Rockefella
黒鹿毛 1941
種付け時活性値:0.00【8】
Sou’wester
鹿毛 1945
仔受胎時活性値:1.00【4】

<5代血統表内のクロス:Hyperion4×5(母方)、Nasrullah5×5>

スーパークリーク(1985.5.27)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
ノーアテンシヨン
(Nijinsky系)
インターメゾ
(Hyperion系)
Sayajirao
(Nearco系)
Rockefella
(Hyperion系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
ノーアテンシヨン
(No No Nanette)
5.00
(【5】+【21】+【6】+【4】)
ケイタカシと同牝系
(No. 1-l)
2番仔
(2連産目)

*

1988年の第49回菊花賞(GI。京都芝3000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 17 スーパークリーク 牡3 武 豊 3:07.3 伊藤 修司 3
2 5 ガクエンツービート 牡3 竹原 啓二 3:08.1 5 澤 峰次 7
3 8 アルファレックス 牡3 南井 克巳 3:08.1 ハナ 内藤 繁春 18
4 11 メイショクボーイ 牡3 岩元 市三 3:08.1 ハナ 二分 久男 8
5 2 キクカロイヤル 牡3 坂井 千明 3:08.3 1・1/2 松山 康久 9
1988年の第49回菊花賞(GI。京都芝3000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.4 – 11.9 – 11.6 – 12.7 – 12.7 –
12.4 – 13.2 – 13.1 – 12.7 – 12.9 –
12.7 – 12.0 – 11.8 – 12.0 – 12.2
ラップの
累計タイム
13.4 – 25.3 – 36.9 – 49.6 – 1:02.3 –
1:14.7 – 1:27.9 – 1:41.0 – 1:53.7 – 2:06.6 –
2:19.3 – 2:31.3 – 2:43.1 – 2:55.1 – 3:07.3
上り 4F 48.0 – 3F 36.0

獲得賞金順では19番目、賞金上位馬の回避待ちだったスーパークリークとガクエンツービート(1985.4.30)の2頭。スーパークリークの配合の考案者であったラフィアン代表の岡田繁幸さんが、春には武豊騎手できさらぎ賞(GIII)を制したマイネルフリッセ(1985.6.16)を回避させ、そしてもう1頭、嵐山S(準OP)を制したセンシュオーカン(1985.4.22)が故障回避した結果、2頭の出走が叶いました。

終わってみれば、「ノーアテンション×インターメゾ牝馬」という「これでもか」というステイヤー血統のスーパークリークが、2着ガクエンツービートに5馬身差の圧勝。出走18頭中、賞金順では最下位だった2頭がワンツーを決め、人気では最下位だったアルファレックス(1985.4.6)が3着に入るという結末でした。

後にGI100勝以上を挙げる「平成の天才」武豊騎手の初めてのGI制覇が、この第49回菊花賞。19歳8か月という、史上最年少のクラシック制覇でした。

*

1989年の第24回京都大賞典(GII。京都芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
1 4 スーパークリーク 牡4 59 武豊 2:25.0 レコード 5-5-4-4 46.6 514
[-4]
伊藤修司 1
2 8 ミスターシクレノン 牡4 57 松永幹夫 2:25.1 3/4 4-4-3-2 46.8 494
[-12]
小林稔 2
3 11 ハツシバエース せん6 57 岡冨俊一 2:26.9 2-2-2-1 48.9 474
[+8]
中村覚之助 3
4 2 イチヨシマサル 牡6 57 栗田伸一 2:27.0 1/2 10-10-9-6 47.9 490
[-4]
安田伊佐夫 5
5 7 スリーフレーム 牡6 57 田之上幸男 2:27.1 1/2 6-6-4-4 48.6 432
[+4]
田之上勲 6
1989年の第24回京都大賞典(GII。京都芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.2 – 11.1 – 11.5 – 12.3 – 12.1 – 12.4 – 12.7 – 12.5 – 12.1 – 12.0 – 11.5 – 11.6
ラップの
累計タイム
13.2 – 24.3 – 35.8 – 48.1 – 1:00.2 – 1:12.6 – 1:25.3 – 1:37.8 – 1:49.9 – 2:01.9 – 2:13.4 – 2:25.0
上り 4F 47.2 – 3F 35.1

*

1989年の第100回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 14 スーパークリーク 牡4 武 豊 1:59.1 伊藤 修司 2
2 4 オグリキャップ 牡4 南井 克巳 1:59.1 クビ 瀬戸口 勉 1
3 5 メジロアルダン 牡4 岡部 幸雄 1:59.2 クビ 奥平 真治 3
4 11 ヤエノムテキ 牡4 西浦 勝一 1:59.5 1・3/4 荻野 光男 6
5 6 キリパワー 牡4 大塚 栄三郎 1:59.7 1・1/4 清水 利章 13
1989年の第100回天皇賞・秋(GI。東京芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.8 – 11.6 – 11.7 – 12.2 – 12.3 – 11.9 – 11.8 – 11.8 – 11.6 – 11.4
ラップの
累計タイム
12.8 – 24.4 – 36.1 – 48.3 – 1:00.6 – 1:12.5 – 1:24.3 – 1:36.1 – 1:47.7 – 1:59.1
上り 4F 46.6 – 3F 34.8

現年齢表記4歳春を全休し、秋の復帰戦となった京都大賞典では斤量59kgを背負いながら京都芝2400m2分25秒0のコースレコード勝ち。叩いて2戦目となったのが、記念の第100回天皇賞・秋。

左前脚に不安を持ち続けたスーパークリークが、唯1回だけ本調子になったというこのレース。東京芝2000mでは不利と言われる大外8枠14番からの発進、先行3番手で進むと、ラスト1ハロンで前を行くメジロアルダン(1985.3.28)を捉え、後は先頭を譲ることはありませんでした。

馬群を割るのに苦労したオグリキャップ(1985.3.27)は、外から懸命に追いましたが、2着まで。ステイヤーのスーパークリークとマイラーのオグリキャップという、気質のまるで違うライバルとの戦いを制したスーパークリーク。自身はコテコテの長距離血統でしたが、その天賦の才、豊かなスピードを示した東京芝2000mの戦いでした。

JRA賞になって以降の年度代表馬を辿る(其の肆)-オグリキャップ(1985.3.27)-。
オグリキャップ 牡 芦毛 1985.3.27生~2010.7.3没 三石・稲葉不奈男氏生産 馬主・小栗孝一氏→佐橋五十雄氏→近藤俊典氏 笠松・鷲見昌勇厩舎→栗東・瀬戸口勉厩舎

*

1990年の第34回産經大阪杯(GII。阪神芝2000m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
1 1 スーパークリーク 牡5 59 武豊 2:02.9 2-2-1-1 49.6 522
[0]
伊藤修司 1
2 8 オサイチジョージ 牡4 57 丸山勝秀 2:03.0 3/4 4-3-2-2 49.7 476
[-2]
土門一美 3
3 7 ヤエノムテキ 牡5 59 西浦勝一 2:03.1 3/4 8-8-4-4 49.5 504
[-2]
荻野光男 4
4 9 シーキャリアー 牡6 57 松永幹夫 2:03.9 5 9-9-9-4 49.5 468
[+6]
高橋直 8
5 4 シナノジョージ 牡7 57 岸滋彦 2:04.0 1/2 3-3-4-2 50.5 454
[0]
武宏平 7
1990年の第34回産經大阪杯(GII。阪神芝2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.1 – 11.4 – 12.0 – 12.6 – 12.0 – 12.2 – 12.3 – 12.3 – 12.4 – 12.6
ラップの
累計タイム
13.1 – 24.5 – 36.5 – 49.1 – 1:01.1 – 1:13.3 – 1:25.6 – 1:37.9 – 1:50.3 – 2:02.9
上り 4F 49.6 – 3F 37.3

*

1990年の第101回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 5 スーパークリーク 牡5 武 豊 3:21.9 伊藤 修司 1
2 7 イナリワン 牡6 柴田 政人 3:22.0 1/2 鈴木 清 2
3 14 カシマウイング 牡7 的場 均 3:22.3 1・3/4 飯塚 好次 12
4 12 ランニングフリー 牡7 南井 克巳 3:22.5 1・1/4 本郷 一彦 6
5 13 ミスターシクレノン 牡5 松永 幹夫 3:22.6 1/2 小林 稔 5
1990年の第101回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.7 – 12.8 – 12.8 – 12.9 – 12.4 –
12.9 – 13.0 – 13.4 – 12.5 – 12.7 –
12.4 – 12.0 – 12.2 – 12.2 – 12.0 –
12.0
ラップの
累計タイム
13.7 – 26.5 – 39.3 – 52.2 – 1:04.6 –
1:17.5 – 1:30.5 – 1:43.9 – 1:56.4 – 2:09.1 –
2:21.5 – 2:33.5 – 2:45.7 – 2:57.9 – 3:09.9 –
3:21.9
上り 4F 48.4 – 3F 36.2

第49回菊花賞で見せたスタミナ、第100回天皇賞・秋で見せたスピード、そしてやはりその無尽蔵のスタミナを見せ付けた第101回天皇賞・春。前年の第34回有馬記念(GI)では決勝点で「ハナ」だけ交わされてしまったイナリワン(1984.5.7)に詰め寄られたものの、永遠に詰まらない2分の1馬身差。そうして、史上初の「天皇賞秋春連覇」が成されたのでした。合わせて、鞍上の武豊騎手は、天皇賞について、春秋通じて騎乗機会3連勝を遂げられました。むぅ、やっぱり「平成の天才」です。

菊花賞と天皇賞・春を制したことにより、スーパークリークの配合の考案者であった岡田繁幸さん、生産者の柏台牧場は「本懐を遂げた」というところだったでしょう。

京都芝3000mと京都芝3200mの長距離GI、この2つを制したことは、ステイヤーのステイヤーたる証明なのですから。

*

1990年の第25回京都大賞典(GII。京都芝2400m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
4F
馬体重
[増減]
調教師
1 1 スーパークリーク 牡5 59 武豊 2:26.9 2-2-2-2 46.5 510
[-10]
伊藤修司 1
2 6 リアルバースデー 牡4 57 大崎昭一 2:27.0 1/2 3-3-4-4 46.4 454
[+2]
佐藤林次郎 2
3 4 サンドピアリス 牝4 57 岸滋彦 2:27.0 ハナ 5-5-5-5 46.2 422
[-4]
吉永忍 5
4 5 ファンドリポポ 牝4 56 南井克巳 2:27.4 2.1/2 1-1-1-1 47.1 450
[0]
岩元市三 4
5 3 トップファイナル 牡5 57 角田晃一 2:27.5 3/4 3-3-2-2 47.0 428
[0]
橋口弘次郎 3
1990年の第25回京都大賞典(GII。京都芝2400m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
13.3 – 12.5 – 12.6 – 12.7 – 12.4 – 12.2 – 12.2 – 12.4 – 11.6 – 12.1 – 11.3 – 11.6
ラップの
累計タイム
13.3 – 25.8 – 38.4 – 51.1 – 1:03.5 – 1:15.7 – 1:27.9 – 1:40.3 – 1:51.9 – 2:04.0 – 2:15.3 – 2:26.9
上り 4F 46.6 – 3F 35.0

*

スーパークリークという馬名の由来からでしょうか、彼を思う時には、不思議と、スメタナの「わが祖国」の第2曲「ヴルダヴァ(モルダウ)」がよぎります。

武豊という大河の源流となった、スーパークリーク。

それ故に、スーパークリークより後、幾多の名馬の背に跨ったユタカさんにとって、唯1頭だけの「特別な馬」であり続けます。

  

それでは、これから走る馬、人すべてに幸多からんことを。

*

[スーパークリーク(1985.5.27)の主な競走成績]

  1. 菊花賞(GI)、天皇賞・春(GI)、天皇賞・秋(GI)、京都大賞典(GII)2回、産經大阪杯(GII)
  2. 有馬記念(GI)
  3. 神戸新聞杯(GII)、きさらぎ賞(GIII)

通算16戦8勝、2着2回、3着2回。

#2016年11月09日(水)初出。2023年02月13日(月)記事改め。2023年04月29日(土)記事再改め。

20世紀の名馬 第46位 スーパークリーク
20世紀の名馬 第46位 スーパークリーク 2010年8月29日、スーパークリーク号がオグリキャップの後を追うように永眠しました。どうか安らかに...

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