モンテフアスト(1978.5.31)-【1984年】の中央競馬のGI勝ち馬を辿る(No.3)-

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モンテフアスト 牡 鹿毛 1978.5.31生~2010.7.12没 浦河町・杵臼斉藤牧場生産 馬主・毛利 喜八氏 美浦・松山 吉三郎厩舎

モンテフアスト(1978.5.31)の4代血統表
シーホーク
芦毛 1963.3.16
種付け時活性値:1.50【14】
Herbager
鹿毛 1956.4.19
Vandale
鹿毛 1943
Plassy 1932
Vanille 1929
Flagette
栗毛 1951
Escamillo 1939
Fidgette 1939
Sea Nymph
芦毛 1957
★Free Man
鹿毛 1948
Norseman 1940
Fantine 1943
Sea Spray
芦毛 1947
Ocean Swell 1941
Pontoon 1940
モンテオーカン
鹿毛 1967.4.28
仔受胎時活性値:0.50【10】
ヒンドスタン
黒鹿毛 1946
種付け時活性値:1.00【20】
Bois Roussel
黒鹿毛 1935
★Vatout 1926
Plucky Liege 1912
Sonibai
黒鹿毛 1939
★Solario 1922
Udaipur 1929
マリアドロ
黒鹿毛 1957
仔受胎時活性値:0.25【9】
Big Game
鹿毛 1939
種付け時活性値:0.25【17】
Bahram 1932
Myrobella 1930
Golden Marie
鹿毛 1951
仔受胎時活性値:1.25【5】
Goyama
栗毛 1943
種付け時活性値:1.75【7】
Nearly
鹿毛 1940
仔受胎時活性値:0.50【10】

<5代血統表内のクロス:Firdaussi5×5(父方)、Blandford5×5(母方)>

モンテフアスト(1978.5.31)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
シーホーク
(Herbager系)
ヒンドスタン
(Bois Roussel系)
Big Game
(Bahram系)
Goyama
(Tourbillon系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Goyama
(モンテオーカン)
2.50
(【10】+【9】+【5】+【10】)
全兄モンテプリンス
(No. 21-a)
5番仔
(5連産目)

*

1984年の第89回天皇賞・春(GI。京都芝3200m)の結果(上位5頭。馬齢は現年齢表記に合わせる)


馬名 性齢 騎手 走破
時計
着差 調教師
1 15 モンテファスト 牡6 吉永 正人 3:22.4 松山 吉三郎 6
2 6 ミサキネバアー 牡5 南井 克巳 3:22.6 1・1/4 田中 四郎 8
3 7 ホリスキー 牡5 菅原 泰夫 3:22.6 ハナ 本郷 重彦 1
4 10 ダイセキテイ 牡5 小林 常泰 3:23.0 2・1/2 藤原 敏文 3
5 3 ハヤテミグ 牡4 郷原 洋行 3:23.0 ハナ 野平 好男 5

京都芝3200m、晴の良馬場、19頭立て。

モンテファスト、道中は後方5番手あたりの外側を追走、淀の難所である3角から4角の坂を上手に利して進出すると、砂煙も舞う直線では外から差し込みました。橙の帽子に「白、赤蛇目散、白袖」の勝負服、勝負服とお揃いのメンコを着けた大柄な鹿毛馬が吉永正人騎手の激励に応えると、ミサキネバアー(1979.4.22)、ホリスキー(1979.4.13)の2着争いを尻目に1と4分の1馬身抜け出したところが決勝点。モンテファスト、1982年の天皇賞・春を制した全兄モンテプリンス(1977.4.1)に続いて、天皇賞・春の勝利を果たしました。

モンテファストの天皇賞・春制覇によりモンテプリンスとの兄弟制覇となった訳ですが、天皇賞のきょうだい制覇を確認してみますと、

  1. クリペロ(1955.4.8)&クリヒデ(1958.3.6)
    →兄が1960年の天皇賞・春、妹が1962年の天皇賞・秋。父クリノハナ(1949.5.18)、母ケンタツキー(1947.4.9)の全兄妹
  2. コレヒサ(1959.3.13)&コレヒデ(1962.3.23)
    →兄が1963年の天皇賞・春、弟が1966年の天皇賞・秋
  3. フジノパーシア(1971.5.10)&スリージャイアンツ(1975.4.3)
    →兄が1975年の天皇賞・秋、弟が1979年の天皇賞・秋
  4. モンテプリンス(1977.4.1)&モンテファスト(1978.5.31)
    →兄が1982年の天皇賞・春、弟が1984年の天皇賞・春。父シーホーク、母モンテオーカンの全兄弟

の4組しか果たしていません。上のリストのとおり、兄弟が共に天皇賞・春を制した事例は2024年現在でもモンテプリンスとモンテファスト兄弟が唯一となっています。

コレヒサ&コレヒデ、モンテプリンス&モンテファストというきょうだい天皇賞馬の名前を出しますと、0の理論ユーザー的には「血とコンプレックス」の記載を思い出してしまいます。

高橋氏自身が輸入に立ち会った繁殖牝馬コリオプシスに生産させた2頭の天皇賞馬、コレヒサ、コレヒデ

KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P146より-

俊才・高橋勝四郎氏が群馬県の千明牧場で生産した名馬には二冠馬メイズイ(1960.3.13)もいます。ちなみにコレヒサは父アドミラルバード(1952)、母コリオプシス(1953)の組合せによりNearco(1935.1.24)2×4という強い近親交配を持っていますが、0の理論的にはアドミラルバードがNearco16歳時交配のミニモの遺伝を受けているため、弊害を逃れています。そしてまた、

モンテオーカンは、この逆パターンを持った繁殖牝馬である。彼女は昭和42年(1967年)4月29日生まれであるから、14日分を加算し、起点は5月13日になる。満9歳の昭和51年5月1日にシーホークを種付けしたが、このときが女性期間の初期に当たっていることは左図から明らかである。彼女は昭和52年4月1日に鹿毛の牡を出産する。昭和52年6月22日には同じくシーホークを種付けし、これまた女性期間の初期の発情である。昭和53年5月29日に鹿毛の牡を生む。

この全兄弟は、兄がモンテプリンス、弟がモンテファストで兄弟ともに天皇賞馬になった。

KKベストセラーズ、中島国治著「血とコンプレックス」、P258より-

モンテオーカンが産んだ2頭の天皇賞馬の種付けに関する記述がなされています。誕生日に関して誤った記載もありますけれど^^;

*

モンテファストはどうしても全兄モンテプリンスと比較されてしまい、時には「愚弟」と呼ばれることもあったとか。後に兄弟天皇賞馬を果たした駿馬に対して失礼なお話ですけれど、自身の素質を信じてくれた周囲の関係者に天皇賞・春の優勝で応えたモンテファストは、やはり紛うことなく「名馬」でした。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

*

[モンテフアスト(1978.5.31)の主な競走成績]

  1. 天皇賞・春(GI)、目黒記念・秋
  2. 函館記念

通算27戦8勝、2着4回、3着3回。

#モンテファストは出生後まもなくヘルニアに苦しみ片方の睾丸を摘出したり、デビュー前に同じ1978年生まれ世代の後の桜花賞馬ブロケード(1978.3.16)にキックを食らわされて馬群を怖がるようになったり、苦労の末に栄冠を掴んだ馬でした。このあたりの物語は

Retsuden | モンテファスト列伝~愚弟と呼ばれた天皇賞馬~
モンテファスト列伝~愚弟と呼ばれた天皇賞馬~ | 懐かしの馬をもう一度。馬列伝はこちらから

をご参照ください。

##賢母モンテオーカンに関しては

をご参照ください。「モンテオーカン、『優駿たちの蹄跡』で紹介されていたよな」と、遠い昔の記憶を引っ張り出したところ、間違いではありませんでしたm(_ _)m