Sea Hero(シーヒーロー) 牡 鹿毛 1990.3.4生~2019.7.12没 米国・P Mellon生産 馬主・Rokeby Stable(Paul Mellon) 米国・M Miller厩舎
ポリッシュネイビー 鹿毛 1984.5.14 種付け時活性値:1.25【5】 |
Danzig 鹿毛 1977.2.12 |
Northern Dancer 鹿毛 1961.5.27 |
Nearctic 1954.2.11 |
Natalma 1957.3.26 | |||
Pas de Nom 黒鹿毛 1968.1.27 |
★Admiral’s Voyage 1959.3.23 | ||
Petitioner 1952 | |||
Navsup 鹿毛 1966.4.5 |
Tatan(ARG) 栗毛 1952 |
The Yuvaraj(GB) 1943 | |
Valkyrie 1943 | |||
Busanda 青毛 1947 |
War Admiral 1934.5.2 | ||
Businesslike 1939 | |||
Glowing Tribute 鹿毛 1973.3.15 仔受胎時活性値:2.00【16】 |
Graustark 栗毛 1963.4.7 種付け時活性値:0.25【9】 |
▲Ribot 鹿毛 1952.2.27 |
Tenerani 1944 |
Romanella 1943 | |||
Flower Bowl 鹿毛 1952 |
Alibhai 1938 | ||
Flower Bed 1946 | |||
Admiring 黒鹿毛 1962.3.17 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 種付け時活性値:0.75【3】 |
Turn-to 1951 | |
Nothirdchance 1948 | |||
Searching 鹿毛 1952 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
◆War Admiral 黒鹿毛 1934.5.2 種付け時活性値:0.25【17】 |
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Big Hurry 黒鹿毛 1936 仔受胎時活性値:1.75【15】 |
<5代血統表内のクロス:War Admiral4×4、La Troienne(♀)5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
ポリッシュネイビー (Danzig系) |
Graustark (Ribot系) |
Hail to Reason (Turn-to系) |
◆War Admiral (Man o’ War系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
ポリッシュネイビー (Danzig) |
4.50 (【16】+【10】+【9】+【15】) |
母が米GII3勝&きょうだいに米Gレース勝ち馬5頭 (No. 1-s) |
8番仔? |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破時計 ・着差 |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | Sea Hero | 牡3 | 57.2 | J D Bailey | 2:02.42 | M Miller | 9 |
2 | 5 | Prairie Bayou | せん3 | 57.2 | Mike E Smith | 2 1/2 | T Bohannan | 1 |
3 | 13 | Wild Gale | 牡3 | 57.2 | S Sellers | アタマ | M Doyle | 5 |
4 | 7 | Personal Hope | 牡3 | 57.2 | Gary Stevens | クビ | Mark Hennig | 4 |
5 | 18 | Diazo | 牡3 | 57.2 | Kent J Desormeaux | 3 | W Shoemaker | 11 |
1993年の第119回ケンタッキーダービー。1番人気のせん馬Prairie Bayou(1990.3.4)を破ったのは、Prairie Bayouと同じ誕生日で同じLa Troienne(1926)をボトムラインに持つ9番人気馬Sea Hero。Sea Heroは2歳時にシャンペンS(米GI)を制していたもののブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(米GI)7着の後、明けて3歳になってからパームビーチS(米GIII)9着、アローワンス競走3着、ブルーグラスS(米GII)4着と4連敗で臨んだのが大一番ケンタッキーダービー。いかに2歳時にGI勝ちがあるとは言え、負けが続いていたSea Hero、戦前9番人気もやむなしというところ。しかし、この大本番でその真価を発揮してみせました。19頭立てを道中中団後方に構え1マイルを過ぎたあたりから進出すると、上手く内に潜り込んで4角をコーナリング。これはサスガに名手ジェリー・ベイリー、チャーチルダウンズ・ダートの直線を最内で鋭く伸び続けると、ゴールポストでは2馬身半差の快勝。Sea Hero、ベイリー騎手にケンタッキーダービー初勝利を贈ると共に、オーナーであるポール・メロン氏に史上2人目となる「英ダービーとケンタッキーダービーを制した馬主」の栄誉も贈ることとなりました。メロン氏の持ち馬で英ダービーを制した馬は、言わずもがなの名馬Mill Reef(1968.2.23)です。

Sea Heroがケンタッキーダービーを制した際、当時のスポーツ新聞で「ケンタッキーダービー馬の父は日本にいる」という記事を目にした記憶があります。Sea Heroの父であるポリッシュネイビーはシャンペンS、ウッドワードS(米GI)、カウディンS(米GI)と米GI3勝の名馬で、早田牧場により輸入されて1993年から1998年の6シーズンにおいて日本供用されました。1993年にはタイミング良く持込馬エクセレンスロビン(1991.2.26)が新潟3歳S(GIII)を勝ったこともあり注目の種牡馬となりましたが、ゴッドスピード(1994.4.6)やトシザミカ(1995.4.16)が重賞勝ちを収めたものの、日本で平地のGI級レース勝ち馬を輩出することはありませんでした。海外での代表産駒にはSea Heroの他にセクレタリアトS(米GI)を制した初年度産駒のGhazi(1989.5.15)がいます。
上段で「La Troienne(1926)をボトムラインに持つ」と記しましたが、Sea Heroについて本当にごく簡単な近親牝系図を示しておきますと、
Glowing Tribute 1973.3.15 9勝 シープスヘッドベイH(米GII)2回 ダイアナH(米GII) |Hero's Honor 1980.4.28 8勝 ボーリンググリーンH(米GI) ユナイテッドネイションズH(米GI) レッドスミスH(米GII) フォートマーシーH(米GIII)ほか |Wild Applause 1981.5.4 5勝 ダイアナH(米GII) カムリーS(米GIII)ほか |Glowing Honor 1985.1.23 6勝 ダイアナH(米GII)2回 リークサブルS(米GIII)ほか |Sea Hero 1990.3.4 (本馬) 6勝 ケンタッキーダービー(米GI) トラヴァーズS(米GI) シャンペンS(米GI)ほか |Coronation Cup 1991.3.19 3勝 ニジャナS(米GIII)ほか |Mackie 1993.4.27 3勝 ブシャーS(米GIII)ほか
なんじゃこりゃ^^;。Sea Heroの母Glowing Tributeが米GII3勝の活躍馬であり、半兄Hero’s Honourが米GI2勝馬、その他にも米グレードレース勝ちのきょうだいが4頭。尊ぶべきはグレードレース勝ち産駒6頭を産み出した大繁殖牝馬Glowing Tributeというところで、Sea Heroの活躍もあり、Glowing Tributeは1993年のケンタッキー州最優秀繁殖牝馬に選出されています。またGlowing Tribute自身がダイアナH勝ち馬ですけれど、娘Wild Applause、Glowing Honorも同様にダイアナHの勝ち馬。現在はダイアナS(米GI)となっているサラトガ芝9ハロンのグレードレースですが、夏のサラトガ開催得意は牝系の持ち味なのでしょうか。Sea Heroもミッドサマーダービーの異名を持つサラトガ・ダート10ハロンのトラヴァーズSを勝っていますし、半妹Coronation Cupが制したニジャナSもサラトガ芝8.5ハロンのレースです。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
[Sea Hero(1990.3.4)の主な競走成績]
- ケンタッキーダービー(米GI)、トラヴァーズS(米GI)、シャンペンS(米GI)
- ボーリンググリーンH(米GII)
- ブルックリンH(米GII)、モルソンエクスポートミリオンS(加GII)
通算24戦6勝、2着3回、3着4回。

#「英ダービーとケンタッキーダービーを制した馬主」の1人目は、ダービーダンファームの創始者であるジョン・ガルブレイス氏。Roberto(1969.3.16)で英ダービーを勝ち、シャトーゲイ(1960.2.29)でケンタッキーダービーを制されました。余談ですが、Sea Heroの母父であるGraustarkはガルブレイス氏のオーナーブリード馬ですね。