Lezoo(レズー) 牝 鹿毛 2020.2.10生 英国・Chasemore Farm生産 馬主・Marc Chan & Andrew Rosen 英国・Ralph Beckett厩舎
▲ Zoustar(AUS) 鹿毛 2010.9.8 種付け時活性値:0.125【8.5】 |
Northern Meteor 鹿毛 2005.8.24 |
Encosta de Lago 鹿毛 1993.10.27 |
Fairy King 1982.3.4 |
Shoal Creek 1988.9.8 | |||
Explosive 鹿毛 1990.2.2 |
Fappiano 1977.5.19 | ||
Scuff 1979.5.2 | |||
Zouzou 鹿毛 2001.9.12 |
Redoute’s Choice 鹿毛 1996.8.15 |
デインヒル 1986.3.26 | |
Shantha’s Choice 1992.10.28 | |||
Meteor Mist 栗毛 1987.10.24 |
Star Shower 1976.8.4 | ||
Sunbuster 1982.9.29 | |||
Roger Sez 鹿毛 2009.4.9 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
Red Clubs 黒鹿毛 2003.1.17 種付け時活性値:1.25【5】 |
Red Ransom 鹿毛 1987.3.31 |
Roberto 1969.3.16 |
アラビア2 1977.5.6 | |||
Two Clubs 黒鹿毛 1996.3.7 |
First Trump 1991.2.4 | ||
Miss Cindy 1975.4.14 | |||
Stately Princess 鹿毛 1995.2.1 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
★Robellino 鹿毛 1978.1.29 種付け時活性値:0.00【16】 |
★Roberto 1969.3.16 | |
Isobelline 1971.3.5 | |||
Affair of State 鹿毛 1989.3.8 仔受胎時活性値:1.25【5】 |
Tate Gallery 鹿毛 1983.2.25 種付け時活性値:1.25【5】 |
||
All Hat 鹿毛 1982.5.13 仔受胎時活性値:1.50【6】 |
<5代血統表内のクロス:Roberto4×4(母方)、Northern Dancer5×5、Fairy Bridge(♀)5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
---|---|---|---|
▲Zoustar (Fairy King系) |
Red Clubs (Roberto系) |
★Robellino (Roberto系) |
Tate Gallery (Northern Dancer系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Red Clubs (Christmas Wind) |
4.50 (【10】+【13】+【5】+【6】) |
母が英GIII勝ち馬 (No. 3-e) |
5番仔? |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 2 | Lezoo | 牝2 | 58.1 | William Buick | 1:11.84 | Ralph Beckett | 3 |
2 | 6 | Meditate | 牝2 | 58.1 | Ryan Moore | 3/4 | A P O’Brien | 1 |
3 | 4 | Mawj | 牝2 | 58.1 | Ray Dawson | 3/4 | Saeed bin Suroor | 4 |
4 | 7 | Swingalong | 牝2 | 58.1 | Clifford Lee | 2 1/2 | K R Burke | 6 |
5 | 1 | Juliet Sierra | 牝2 | 58.1 | Rob Hornby | 1/2 | Ralph Beckett | 7 |
英国伝来の2歳牝馬戦であるチェヴァリーパークS。21世紀に入ってからの勝ち馬を眺めてみてもジェンティルドンナ(2009.2.20)の母ドナブリーニ(2003.3.27)、ディヴァインライト(1995.5.10)の娘Natagora(2005.2.18)、スティッフェリオ(2014.2.17)の母シリアスアティテュード(2006.3.23)がパッと目に付き、改めて確認してみればサトノクラウン(2012.3.10)の全姉ライトニングパール(2009.2.15)、他にもブレーヴアンナ(2014.3.3)という輸入繁殖牝馬の姿が見えます。
そんなチェヴァリーパークSの2022年の一戦を制したのは戦前3番人気だったLezoo。ニューマーケット芝6ハロン、晴れの良馬場、10頭立てのスタートで若干の後手となったLezoo。鞍上のウィリアム・ビュイック騎手が迷わずファーサイド、画面の奥のラチ側の後方に位置を取るとじっと我慢。道中、ニアサイドを唯1頭だけひた走るMaylandsea(2020.3.25)、ファーサイドを馬群で走る9頭の構図は変わらず。ラスト2ハロン付近で馬人の動きが激しくなると、画面の1番遠くに見える白い帽子に紫の星、薄い紫に黄色のV字、白袖に紫の星3つの勝負服が、鹿毛に星1つを右ムチ、左ムチで巧みにエスコートすると、推進力豊かにピッチを上げて鋭進。ゴール地点では1番人気だったMeditate(2020.1.3)に4分の3馬身差を着けて見事なGI初勝利。そうして、Meditateが前走のモイグレアスタッドS(愛GI)2着、次走のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズターフ(米GI)を2と2分の1馬身差で制したことにより相対的に評価が高まったのか、Lezooが2022年のカルティエ賞最優秀2歳牝馬に選出されました。
#MeditateをモイグレアスタッドSで負かしたのはアガ・カーン殿下のTahiyra(2020.2.19)。デビュー2戦目だった同馬はカラ芝7ハロンでMeditateに2と4分の1馬身差を着けての快勝。Tarnawa(2016.2.9)の半妹でSiyouni(2007.2.14)の娘であるTahiyraもだいぶん強そうです。
*
Lezooの父Zoustarは現役時代に6勝を挙げ、その主な勝ち鞍にゴールデンローズS(豪GI)、クールモアスタッドS(豪GI)と1400mと1200mの豪GIを制した短距離馬。
大種牡馬Sadler’s Wells(1981.4.11)の全弟であるFairy Kingの父系は、大洋州(オセアニア)においてEncosta De Lagoを起点として生き残って行くのではないかと思いますが、Encosta De Lago~Northern Meteor~Zoustarのラインは、父仔3代でフレミントン芝1200mのクールモアスタッドS(=アスコットヴェイルS)を制しています。そんなスプリント色の強い父系から現れたLezooは額面通りのスプリンターではあるものの、0の理論的にはその父Zoustarから8.5歳時交配の準ミニモの遺伝を受けています。シャトルサイアーが当たり前となった今日では父から直接準ミニモの遺伝を受けるケースも増えています。とは言いますものの、南半球産馬を父に持つ準ミニモの遺伝の北半球産馬のうち、1番最初に意識したのがCarbine(1885.9.18)とSpearmint(1903.4.6)の父仔だった私は、比較的オールドな血統ファンですね^^;。なお、Sadler’s WellsとFairy Kingの名前を出しましたけれど、Lezooの曾祖母父Tate Galleryは両馬の全弟ですね。結果、Lezooの4代血統表内ではFairy KingとTate Galleryの全兄弟クロスが4×4で発生しています。
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2歳戦を5戦4勝、2着1回という成績で終えたLezoo。管理されるラルフ・ベケット調教師の談話を↑のブログカードで示したJRA-VAN Ver.Worldの記事から引いておきますと、
ベケット師は「レズーは私が管理してきた中で最高の2歳牝馬かもしれない。この段階で同じような馬はいなかった」と素質を絶賛。その一方で「残念ながら彼女が1マイルをもつようには見えない。そう思ったこともない。
ということで、ロイヤルアスコット開催のコモンウェルスC(英GI)が目標になる模様。スプリンターとして期待されているLezoo、うら若き乙女の未来に幸多からんことを。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。