Sea of Class 牝 栗毛 2015.5.23生 愛国・Razza Del Velino Srl生産 馬主・Sunderland Holding Inc 英国・William Haggas厩舎
★ Sea The Stars 鹿毛 2006.4.6 種付け時活性値:0.00 |
Cape Cross 鹿毛 1994.3.13 |
Green Desert 鹿毛 1983.4.16 |
Danzig 1977.2.12 |
Foreign Courier 1979.4.11 | |||
Park Appeal 黒鹿毛 1982.4.9 |
Ahonoora 1975.4.12 | ||
Balidaress 1973.4.22 | |||
Urban Sea 栗毛 1989.2.18 |
Miswaki 栗毛 1978.2.22 |
Mr. Prospector 1970.1.28 | |
Hopespringseternal 1971.5.27 | |||
Allegretta 栗毛 1978.3.10 |
Lombard 1967.1.31 | ||
Anatevka 1969.2.13 | |||
Holy Moon 鹿毛 2000.4.25 仔受胎時活性値:1.50 |
Hernando 鹿毛 1990.2.8 種付け時活性値:0.25 |
Niniski 鹿毛 1976.2.15 |
★Nijinsky 1967.2.21 |
Virginia Hills 1971.3.15 | |||
Whakilyric 鹿毛 1984.2.17 |
Miswaki 1978.2.22 | ||
リリズム 1979.4.21 | |||
Centinela 栗毛 1992.4.7 仔受胎時活性値:1.75 |
Caerleon 鹿毛 1980.3.27 種付け時活性値:0.75 |
Nijinsky 1967.2.21 | |
Foreseer 1969.4.12 | |||
New Generation 鹿毛 1981.5.12 仔受胎時活性値:0.50 |
Young Generation 鹿毛 1976.4.29 種付け時活性値:1.00 |
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Madina 鹿毛 1965.2.17 仔受胎時活性値:1.75 |
<5代血統表内のクロス:Miswaki3×4、Nijinsky4×4(母方)、Northern Dancer5×5×5、Balidar5×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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★Sea The Stars (Danzig系) |
Hernando (Nijinsky系) |
Caerleon (Nijinsky系) |
Young Generation (Owen Tudor系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Young Generation | 5.50 |
半姉に伊オークス馬3頭 (No. 14-f) |
9番仔? (8連産目?) |
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着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 |
斤 量 |
騎手 |
走破時計 ・着差 |
調教師 |
人 気 |
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1 | 7 | Sea of Class | 牝3 | 57.2 | James Doyle | 2:32.54 | William Haggas | 2 |
2 | 5 | Forever Together | 牝3 | 57.2 | Donnacha O’Brien | クビ | A P O’Brien | 3 |
3 | 2 | Mary Tudor | 牝3 | 57.2 | W J Lee | 1 1/2 | W McCreery | 5 |
4 | 4 | Bye Bye Baby | 牝3 | 57.2 | Seamie Heffernan | 3 1/2 | A P O’Brien | 4 |
5 | 3 | Magic Wand | 牝3 | 57.2 | Ryan Moore | 4 1/4 | A P O’Brien | 1 |
2018年の第124回愛オークス。道中は7頭立ての7番手、最後方から進んだSea of Classとジェームズ・ドイル騎手。最後の直線では先に抜け出していた第240代英オークス(GI)馬Forever Together(2015.5.25)とドナカ・オブライエン騎手を大外から追い掛け、決勝点で「クビ」だけ捉えていました。Sea of Class、デビュー戦となった今年4月18日のニューマーケット芝8Fのメイドンを2着、5月19日のニューベリー芝10FのフィリーズトライアルS(英LR)を1着、6月14日のニューベリー芝10FのアビングドンS(英LR)を1着と、きっちり1ヶ月に1走を守って挑んだ大一番が、自身4戦目、7月21日の第124回愛オークスでした。栗毛に「黄、紫星」の帽子と勝負服がターフに映えて、Sea of Class。見事なグループレース初挑戦初勝利でした。
Sea of Classの鞍上であるドイル騎手は愛オークス初制覇。近年はゴドルフィンの専属騎手として活躍を見せるドイル騎手、サスガの手綱さばきでした。Sea of Classを管理されるウィリアム・ハガス調教師も愛オークス初制覇。ハガス師と言えば、名手レスター・ピゴットの娘婿としても知られていますね。そのピゴット氏の進言もあったというShaamit(1993.2.11)による第217回英ダービー(GI)制覇、来日経験もあるDancing Rain(2008.4.24)での第233回英オークスの制覇も光ります。そして、馬主であるSunderland Holding Incも愛オークス初制覇。名義こそSunderland Holding Incですが、つまりはツイ家ですので、父Sea The Starsに続いての父娘2代のクラシック制覇は一入でしょう。それぞれにおめでとうございました。
*
では、以下にSea of Classの簡単でも豪華な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。
New Generation 1981.5.12 3勝
|Bright Generation 1990.3.23 3勝 伊オークス(GI)ほか
||Rumored 1999.1.27 0勝
|||Dabirsim 2009.2.5 5勝 ジャン・リュック・ラガルデール賞(仏GI) モルニ賞(仏GI) カブール賞(仏GIII)ほか
||Fathayer 2005.4.4 8勝 グイドベラルデリ賞(伊GIII)
|Centinela 1992.4.7 0勝
||Holy Moon 2000.4.25 5勝
|||Mooney Ridge 2006.3.24 2勝
||||Troublemaker 2013.3.11 伊セントレジャー(GIII)2着
|||Holy Ballet 2008.2.2 16勝
|||チェリーコレクト 2009.3.4 8勝 伊オークス(GII) 伊1000ギニー(GIII)ほか
|||チャリティーライン 2010.4.12 6勝 リディアテシオ賞(伊GI) 伊オークス(GII)
|||ファイナルスコア 2011.4.5 5勝 リディアテシオ賞(伊GI) 伊オークス(GII)
|||Wordless 2012.4.27 6勝 ヴェルジェール賞(伊GIII)
|||Magic Mystery 2013.5.16 3勝
|||Back On Board 2014.5.18 伊ダービー(GII)2着
|||Sea of Class 2015.5.23 (本馬) 愛オークス(GI)
欧州で継承され日本にも縁のある14号族f分枝系。Sea of Classの母Holy Moonは掛け値なしの名繁殖牝馬であり、Sea of Classが直仔5頭目のグループレース勝ち馬。そして、チェリーコレクト、チャリティーライン、ファイナルスコアと3年連続でオークスディターリアの勝ち馬を送り込んだことでも知られています。また、その3頭がいずれもカタカナ表記であることからお分かりのように、社台グループにより日本で繁殖牝馬として繋養されています。
Holy Moonが掛け値なしの名繁殖牝馬である所以は、名前を挙げた上記の産駒のそれぞれの父が、
- Mooney Ridge(2006.3.24)
→父Indian Ridge(1985.3.22)は、Tourbillon(1928)系であるAhonoora(1975.4.12)直仔のミラクルサイアー - Holy Ballet(2008.2.2)
→父Shamardal(2002.3.27)は、Giant’s Causeway(1997.2.14)の仔でジョッケクルブ賞(仏GI)、仏2000ギニー(GI)、セントジェームズパレスS(英GI)、デューハーストS(英GI)などの勝ち馬 - チェリーコレクト(2009.3.4)
→父Oratorio(2002.4.29)は、デインヒル(1986.3.26)の仔でエクリプスS(英GI)、愛チャンピオンS(GI)、ジャン・リュック・ラガルデール賞などの勝ち馬 - チャリティーライン(2010.4.12)
→父Manduro(2002.3.9)は、Monsun(1990.3.4)の仔でプリンスオブウェールズS(英GI)、ジャック・ル・マロワ賞(仏GI)、イスパーン賞(仏GI)などの勝ち馬 - ファイナルスコア(2011.4.5)
→父Dylan Thomas(2003.4.23)は、デインヒルが満16歳時交配のミニモの遺伝馬で、2007年のカルティエ賞年度代表馬 - Wordless(2012.4.27)
→父ロックオブジブラルタル(1999.3.8)は、デインヒル産駒の最強マイラーで、2002年のカルティエ賞年度代表馬 - Magic Mystery(2013.5.16)
→父Pour Moi(2008.1.10)は、Montjeu(1996.4.4)産駒3頭目の英ダービー(GI)馬 - Back On Board(2014.5.18)
→父Nathaniel(2008.4.24)は、”キング・ジョージ”(英GI)、エクリプスSなどを制し、Enable(2014.2.12)の父としても知られています - Sea of Class(2015.5.23)
→父Sea The Stars。言わずと知れた2000年代の欧州最強馬は、ニューマーケット芝8Fからロンシャン芝2400mまで2009年の年間GI6連勝を遂げた、2009年のカルティエ賞年度代表馬
と、同父の仔を1頭も送り込んでいないところです。尊ぶべきは、良妻賢母Holy Moon。聖なる月の恵みは、世代を重ねる時、顕著に現れました。
なお、↑の近親牝系図に現れるDabirsimはハットトリック(2001.4.26)の仔、Troublemakerはヴィータローザ(2000.4.9)の仔と、やはり日本所縁の血が見られます。
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英オークス馬を力勝負でねじ伏せたSea of Class。その英オークス馬Forever Togetherもそうですが、遅生まれの馬については、ゆっくりじっくりと力を付けていくのを待つところに、欧州競馬の懐の深さを思います。Sea of Class、伸び行く3歳乙女の将来に、どうぞ幸多からんことを。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。