ディクテオン(2018.3.10)-第71回東京大賞典(GI)の勝ち馬-

Result

ディクテオン せん 黒鹿毛 2018.3.10生 安平町・追分ファーム生産 馬主・(株)G1レーシング 大井・荒山 勝徳厩舎

ディクテオン(2018.3.10)の4代血統表

キングカメハメハ
鹿毛 2001.3.20
種付け時活性値:0.00【16】
Kingmambo
鹿毛 1990.2.19
Mr. Prospector
鹿毛 1970.1.28
★Raise a Native 1961.4.18
Gold Digger 1962.5.28
Miesque
鹿毛 1984.3.14
Nureyev 1977.5.2
Pasadoble 1979.4.1
マンファス
黒鹿毛 1991.2.23
ラストタイクーン
黒鹿毛 1983.5.9
トライマイベスト 1975.4.28
Mill Princess 1977.5.21
Pilot Bird
鹿毛 1983.2.9
★Blakeney 1966.3.28
The Dancer 1977.3.31
メーデイア
鹿毛 2008.5.11
仔受胎時活性値:0.25【9】
キングヘイロー
鹿毛 1995.4.28
種付け時活性値:1.00【12】
ダンシングブレーヴ
鹿毛 1983.5.11
Lyphard 1969.5.10
Navajo Princess 1974.3.31
グッバイヘイロー
栗毛 1985.2.12
Halo 1969.2.7
Pound Foolish 1979.3.17
ウィッチフルシンキング
鹿毛 1994.4.6
仔受胎時活性値:1.25【13】
Lord Avie
鹿毛 1978.4.25
種付け時活性値:1.75【15】
Lord Gaylord 1970.4.21
Avie 1963.2.9
Halloween Joy
鹿毛 1987.5.26
仔受胎時活性値:1.50【6】
Exuberant
栗毛 1976.2.19
種付け時活性値:0.50【10】
Halloween
黒鹿毛 1979.3.1
仔受胎時活性値:1.75【7】

<5代血統表内のクロス:Northern Dancer5×5×5>

ディクテオン(2018.3.10)の0の理論的総括
母父 祖母父 曾祖母父
キングカメハメハ
(Mr. Prospector系)
キングヘイロー
(Lyphard系)
Lord Avie
(Sir Gaylord系)
Exuberant
(Bold Ruler系)
形相の遺伝 料の遺伝 牝系 母の何番仔?
Lord Avie
(Lavendula)
4.75
(【9】+【13】+【6】+【7】)
母がJpnI勝ち馬
(No. 2-b)
2番仔
(2年連続不受胎後)

*

2025年の第71回東京大賞典(GI。大井ダート2000m)の結果(上位5頭)


馬名 性齢
騎手 走破
時計
着差 通過
順位
上り
3F
馬体重
[増減]
調教師
1 10 ディクテオン せん7 57 矢野貴之 2:04.3 8-8-5-5 38.2 496
[-8]
荒山勝徳 7
2 13 ミッキーファイト 牡4 57 C.ルメール 2:04.3 クビ 6-6-3-3 38.4 546
[+5]
田中博康 1
3 15 アウトレンジ 牡5 57 松山弘平 2:04.6 1.1/2 3-3-4-4 38.6 484
[-8]
大久保龍志 4
4 8 キングズソード 牡6 57 岩田望来 2:05.3 3.1/2 5-5-6-6 38.9 516
[+1]
寺島良 6
5 12 ホウオウルーレット 牡6 57 岩田康誠 2:05.7 2 10-9-8-7 39.2 507
[+2]
栗田徹 5
2025年の第71回東京大賞典(GI。大井ダート2000m)のラップタイム
1F毎の
ラップ
12.3 – 11.0 – 12.1 – 12.9 – 12.6 – 12.2 – 12.4 – 13.2 – 12.4 – 13.2
ラップの
累計タイム
12.3 – 23.3 – 35.4 – 48.3 – 1:00.9 – 1:13.1 – 1:25.5 – 1:38.7 – 1:51.1 – 2:04.3
上り 4F 51.2 – 3F 38.8
【東京大賞典】(大井)地元・大井のディクテオンが差し切りGI初制覇|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI
【東京大賞典】(大井)地元・大井のディクテオンが差し切りGI初制覇|ラジオNIKKEI:競馬番組

【天候・馬場】 2025年12月29日、大井競馬場。一年のダートグレード競走を締めくくる第71回東京大賞典(GI)当日、空は澄み渡る晴天に恵まれました。しかし、ダートコースの馬場状態は「重」と発表されました。水分を含み、時計の出やすいコンディションの中、ダート2000mの外回りコースに15頭の精鋭が集結しました。スタンドの視線を一身に集めたのは、13番ミッキーファイト(2021.5.5)(C.ルメール騎手) でした。単勝1番人気に推された栗毛の馬体は、古馬の頂点を目指し堂々とした周回を見せていました。続く2番人気には、3歳世代の雄、3番ナルカミ(2022.3.11)(戸崎圭太騎手) が支持されました。一方、かつてJRAの舞台で活躍し、大井の小林・荒山勝徳厩舎に移籍した7歳馬、10番ディクテオン(2018.3.10)(矢野貴之騎手) は、単勝7番人気と伏兵の評価に留まっていました。

【スタート~道中】 ゲートが開くと、各馬が殺到する中、内枠を利して 1番ナチュラルライズ(2022.2.2)(横山武史騎手) が果敢にハナを奪いました。東京ダービーなどのタイトルを持つ鹿毛の若武者が、古馬を従えてレースを引っ張る展開となりました。これを見るように、2番手のインコースにナルカミがつけ、外目からは 15番アウトレンジ(2020.4.4)(松山弘平騎手) や 16番グランブリッジ(2019.4.29)(川田将雅騎手) が先行集団を形成しました。1番人気のミッキーファイトは、これら先行勢を見る6番手付近の外目を追走。中団には昨年の帝王賞覇者 8番キングズソード(2019.4.4)(岩田望来騎手) が位置し、ディクテオンはその直後、中団後方でじっくりと脚を溜めていました。馬群は縦に長く伸びることなく、重馬場らしい淀みのないペースで向こう正面を駆け抜けていきました。

【勝負どころ(3~4コーナー)】 3コーナー手前からレースが動き始めました。逃げるナチュラルライズのペースが落ちないと見るや、外からミッキーファイトがじわりと進出を開始し、3コーナー過ぎでは早くも3番手までポジションを上げました。この動きに呼応するかのように、後方で待機していた黒鹿毛の馬体、ディクテオンも動きました。矢野貴之騎手の手綱に応え、外を回ってまくり気味に位置を上げ、4コーナーでは先行集団を射程圏に入れる5番手まで浮上しました。一方で、先行していたナルカミやアウトレンジも必死に食い下がりますが、手応え良く上がってくる外の各馬に対し、内枠のナチュラルライズは苦しい展開となり、馬群が凝縮して直線コースへと向かいました。

【直線・結末】 最後の直線に入ると、逃げ粘りを図るナチュラルライズを、外からミッキーファイトが力強く交わし去り、先頭に躍り出ました。C.ルメール騎手の檄に応え、そのまま押し切りを図るミッキーファイト。その背後からアウトレンジも懸命に脚を伸ばしました。しかし、大外から一頭、凄まじい脚色で突っ込んできたのがディクテオンでした。矢野貴之騎手の渾身のアクションに応え、一完歩ごとに前との差を詰めると、ゴール寸前で粘るミッキーファイトを強襲。最後は内のミッキーファイトと外のディクテオンが並んでの入線となりましたが、わずかに外のディクテオンが「クビ差」捕らえていました。勝ちタイムは2分04秒3。地元大井所属となった古豪が、JRAの強豪たちをねじ伏せる金星を挙げました。2着にミッキーファイト、そこから1馬身半遅れた3着にアウトレンジが入りました。先行したナルカミは6着、逃げたナチュラルライズは11着でした。単勝7,730円という波乱の決着が、2025年のダート競馬を締めくくりました。

※レース回顧パートは、AI(Gemini)を活用してレース動画から客観的に描写しています。

レース回顧パートの補足をしておきますと、NAR所属馬による東京大賞典勝利は2005年のアジュディミツオー(2001.6.2)以来20年ぶり、TCK所属馬としては1993年のホワイトシルバー(1988.4.11)以来32年ぶりとなりました。そのホワイトシルバーの鞍上は荒山勝徳騎手(当時)であり、管理は実父である荒山徳一調教師。ディクテオンの荒山勝徳調教師は騎手としても調教師としても東京大賞典を制し、調教師としては父子制覇を果たしたという結末でした。星霜は不思議な巡り合わせを見せ、32年前にホワイトシルバーが勝利した日は1993年12月29日、ディクテオンが勝利した日は2025年12月29日。現在は東京大賞典といえば12月29日で固定されていますが、20世紀はまだ不定でした。

では、以下にディクテオンのごく簡単な近親牝系図を示しておきます。なお、近親牝系図内のレース名、格付けはいずれも施行当時のものです。

ウィッチフルシンキング 1994.4.6 12勝 パカラップS(米GII) イーゴンマイルS(米GIII) ジャストアゲイムH(米GIII) ニジャナS(米GIII)ほか
|マンティスハント 2001.3.11 0勝
||サングレーザー 2014.1.13 7勝 札幌記念(GII) マイラーズC(GII) スワンS(GII)ほか
|ロフティーエイム 2002.3.18 3勝 福島牝馬S(GIII)ほか
||スマッシュ 2010.1.24 0勝
|||スマッシャー 2018.4.6 4勝 ユニコーンS(GIII)
||エイムアンドエンド 2015.2.21 4勝 共同通信杯(GIII)3着
|メーデイア 2008.5.11 10勝 JBCレディスクラシック(JpnI) レディスプレリュード(JpnII) TCK女王盃(JpnIII)2回 スパーキングLC(JpnIII) マリーンC(JpnIII)
||ディクテオン 2018.3.10 (本馬) 東京大賞典(GI) 名古屋グランプリ(JpnII) 浦和記念(JpnII) コリアC(GIII) 白山大賞典(JpnIII)ほか

ディクテオンの牝系は2号族b分枝系。ディクテオンは国内外でダート重賞5勝の活躍馬ですが、母メーデイアもJBCレディスクラシックを始めとしてダートグレード競走6勝の名牝。他にも祖母ウィッチフルシンキングが米Gレース4勝、伯母ロフティーエイムが福島牝馬Sの勝ち馬、従兄サングレーザーがGII3勝馬、従甥スマッシャーがユニコーンS勝ち馬と近いところに活躍馬がゾロゾロと見える活力充分のボトムラインです。

ディクテオンについては

次走は一度短期放牧を挟んで、ドバイを目指す予定です。最高の走りを見せてくれたディクテオンに感謝していますし、来年も年齢を感じさせない走りをお見せできるよう仕上げていきますので、引き続き応援をお願いします。

32年ぶりTCK所属馬による東京大賞典制覇!ディクテオン号が東京大賞典(GI)を勝利し荒山勝徳調教師 騎手時代と合わせてダブル制覇!! | News | 東京シティ競馬 : TOKYO CITY KEIBA

と、管理されている荒山師がコメントされています。地方の雄として7歳にしてGI馬に上り詰めたディクテオン、8歳となる2026年も古豪として国内外での活躍を期待したいと思います。

 

それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。

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