ピースオブワールド 牝 鹿毛 2000.2.18生 静内町・千代田牧場生産 馬主・飯田 正氏 栗東・坂口 正大厩舎
サンデーサイレンス 青鹿毛 1986.3.25 種付け時活性値:1.25【13】 |
★ Halo 黒鹿毛 1969.2.7 |
Hail to Reason 黒鹿毛 1958.4.18 |
Turn-to 1951 |
Nothirdchance 1948 | |||
Cosmah 鹿毛 1953.4.4 |
★Cosmic Bomb 1944 | ||
Almahmoud 1947.5.18 ♀ | |||
Wishing Well 鹿毛 1975.4.12 |
Understanding 栗毛 1963.2.17 |
★Promised Land 1954.3.31 | |
Pretty Ways 1953.3.21 | |||
Mountain Flower 鹿毛 1964.3.23 |
Montparnasse 1956 | ||
Edelweiss 1959.2.15 | |||
ビバムール 黒鹿毛 1992.4.7 仔受胎時活性値:1.75【7】 |
Caerleon 鹿毛 1980.3.27 種付け時活性値:0.75【11】 |
Nijinsky 鹿毛 1967.2.21 |
Northern Dancer 1961.5.27 |
Flaming Page 1959.4.24 | |||
Foreseer 黒鹿毛 1969.4.12 |
Round Table 1954.4.6 | ||
Regal Gleam 1964 | |||
Muffitys 鹿毛 1982.3.7 仔受胎時活性値:0.25【9】 |
Thatch 鹿毛 1970.3.30 種付け時活性値:0.75【11】 |
Forli 1963.8.10 | |
Thong 1964.4.23 | |||
Contrail 芦毛 1968 仔受胎時活性値:1.25【13】 |
Roan Rocket 芦毛 1961 種付け時活性値:1.50【6】 |
||
Azurine 鹿毛 1957 仔受胎時活性値:0.50【10】 |
<5代血統表内のクロス:Hail to Reason3×5>
父 | 母父 | 祖母父 | 曾祖母父 |
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サンデーサイレンス (Halo系) |
Caerleon (Nijinsky系) |
Thatch (Hyperion系) |
Roan Rocket (Relic系) |
形相の遺伝 | 料の遺伝 | 牝系 | 母の何番仔? |
Roan Rocket (ビバムール) |
3.75 (【7】+【9】+【13】+【10】) |
従兄タイキシャトル (No. 4-d) |
2番仔 (2連産目) |
*
着 順 |
馬 番 |
馬名 | 性齢 | 斤 量 |
騎手 | 走破 時計 |
着差 | 通過 順位 |
上り 3F |
馬体重 [増減] |
調教師 | 人 気 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | ピースオブワールド | 牝2 | 54 | 福永 祐一 | 1:34.7 | 6-10-8 | 35.2 | 492 [-4] |
坂口 正大 | 1 | |
2 | 13 | ヤマカツリリー | 牝2 | 54 | 安藤 勝己 | 1:34.9 | 1 1/2 | 4-2-2 | 35.9 | 460 [-2] |
松元 茂樹 | 11 |
3 | 9 | ブランピュール | 牝2 | 54 | 本田 優 | 1:34.9 | クビ | 2-3-2 | 35.8 | 466 [-6] |
西浦 勝一 | 6 |
4 | 8 | シーイズトウショウ | 牝2 | 54 | 池添 謙一 | 1:35.1 | 1 | 6-3-2 | 36.0 | 444 [-2] |
鶴留 明雄 | 7 |
5 | 12 | プラントパラダイス | 牝2 | 54 | 和田 竜二 | 1:35.2 | クビ | 14-13-13 | 35.4 | 454 [-2] |
川村 禎彦 | 16 |
1F毎の ラップ |
12.6 – 11.3 – 11.2 – 11.7 – 12.0 – 11.9 – 11.8 – 12.2 |
---|---|
ラップの 累計タイム |
12.6 – 23.9 – 35.1 – 46.8 – 58.8 – 1:10.7 – 1:22.5 – 1:34.7 |
上り | 4F 47.9 – 3F 35.9 |
2002年10月の京都ダート1400mの新馬戦を6馬身差、同10月の京都芝1400mのかえで賞を2馬身差、11月の京都芝1400mのファンタジーS(GIII)を1と4分の1馬身差と、3戦3勝で挑んだ12月の阪神芝1600mのGI舞台。20世紀末の最強マイラー・タイキシャトル(1994.3.23)が従兄であり、いわゆる「4分の3同血」を持つピースオブワールド。距離延長のこの舞台でも単勝1.5倍の1番人気を集め、前3走から比すると後方に構えたレースでしたが、これは馬群の外側を回しながらレースを進めたところを見ると「邪魔されないように走れば能力が違う」という自信が鞍上の福永祐一騎手にあったのではないでしょうか。果たせるかなピースオブワールド、直線でも1頭だけ他馬とは違う脚を見せ付けて、最後はリンデンリリー(1988.3.16)の娘ヤマカツリリー(2000.2.15)に1馬身半差を着けての快勝。
ピースオブワールド4戦4勝、負け無しのGI勝利。JRAが阪神3歳牝馬S、即ち現行の阪神ジュベナイルフィリーズを施行するようになってからであれば、ニシノフラワー(1989.4.19)、ヤマニンパラダイス(1992.4.25)、ビワハイジ(1993.3.7)、スティンガー(1996.5.15)に次ぐ5頭目の無敗の2歳牝馬王者に輝くと共に、管理される坂口正大調教師に初めての牝馬GI制覇をプレゼントしたのでした。そしてまた坂口師と福永騎手のタッグと言えば、キングヘイロー(1995.4.28)が思い出されるところですが、キングヘイローで果たせなかったタッグによるGI勝ちということで、福永騎手も「ちょっとでも、そういう恩が返せたかなと思うと、嬉しいです」とコメントされていました。
そんなピースオブワールド。従兄のタイキシャトル、近親のシンコウラブリイ(1989.2.2)と、3歳以降に実が入ってからの成長、活躍が見込まれる牝系から送り込まれた馬であっただけに、明け3歳2月の骨折が本当に惜しかった。同じ2000年生まれ世代の牝馬にはスティルインラブ(2000.5.2)、アドマイヤグルーヴ(2000.4.30)がいましたが、ピースオブワールドが無事であれば、彼女らに割って入るだけの素質は持ち合わせていたと思います。結果的に阪神ジュベナイルフィリーズが最後の勝利になっただけに、天才少女が無事に3歳の牝馬クラシックを走っている世界線も見てみたかったもの。……あわわ「世界線」なんて、現代風の記述をしてしまいました^^;
ピースオブワールドは静内の名門・千代田牧場で繁殖牝馬として世代を重ねる役目についた訳ですが、その名を1番強く意識したのは日本国内ではなく、海外のレースでした。2017年の独ダービー(GI)に出走してWindstoss(2014.3.7)の5着だったPromise of Peace(2014.2.9)。父キングカメハメハ(2001.3.20)、母ピースオブワールドという日本で走るならばメチャ注目される血統馬でした。ピースオブワールドの血は牝駒ラブアンドピース(2006.2.4)、オッドアイビーナス(2007.3.25)、モーニングコール(2010.4.15)、ビバパーチェ(2013.1.26)等によりボトラインから次代に継承されようとしています。千代田牧場さんの活躍馬は不思議と肩入れしたくなるのですが、名門の21世紀を支える原動力として、ピースオブワールドの血が繁栄して欲しいもの。ただただ祈っています。
それでは、これから走る馬、人すべてが無事でありますように。
*
[ピースオブワールド(2000.2.18)の主な競走成績]
- 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)、ファンタジーS(GIII)
- 阪神牝馬S(GII)
通算10戦4勝、3着1回。
*
「世界の平和」という馬名意味は、祈り、願いが込められていると実感するな。
はい。ピースオブワールドという馬名は、2001年9月11日に発生した米国同時多発テロ事件が、オーナーサイドでも念頭にあったようです。
事象の大小はどうあれ、闘争がない世界の実現はなかなかに困難やけれど、それでも「世界の平和」は祈らずにはいられんなぁ。